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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 18-12

シラー「さ、私のつまらない内輪話はもう切り上げて、そろそろ眠らないと明日の体力がもたないわよ」

テオドール「はいよ、シラーお嬢様」

シラー「ヤダ、やめてよ。お嬢様だなんて」

 

 そう言いながらも本人はまんざらでもなさそうにはにかんだ。

 

ステラ「……おやすみ」

 

 あえて関知せずに寝袋に入る。


▽つづきはこちら

 

ヴィクトル「今晩の見張りは俺がやろう。女の子たちにやらせるワケにはいかないからね」

シラー「ありがたいけど、でも私たちもいやしくも薔薇の騎士をめざすのだから、そのくらいしなくっちゃ」

フランツ「いいんですよ。こういうのは男にやらせてくれないとこちらの面子が立たない」

ヴィクトル「そういうことだ」

シラー「ありがとう。じゃあお言葉に甘えるわね」

ステラ「あちゃ~ 私、何も考えずに寝袋に入っちゃった」

ミレーヌ「わ……私も やっぱり気がつくわよねー、シラーって」

 

 二人も見張りのヴィクトルに礼を述べてから就寝した。

 フクロウが静かに鳴き、山の夜は更けてゆく。

 

 

 他のチームに遅れを取るまいと朝、日の昇る前から動き出すパーティも少なくはない。

 フェイトたちの班もそのうちの一つだった。

 濃い霧で自分たちの周りを把握するのがやっとの状態で動くものではないといつの間にかリーダーのようになっているフェイトが反対したが、昨日1日のロスがクレスには許せなかったようで、全員をたたき起こし、先にと促したのである。

 剣の先で足元を確かめながら先頭を歩くフェイト。

 続いてクレスが進み、真ん中にクロエ。

 次にセルゲイがメイディアの荷物と自分の荷物を背負って、そして最後にダレスがいくら叩いても蹴飛ばしても起きなかった寝汚いメイディア嬢が入った寝袋をかついで先を急いでいた。

 

メイディア「お母様~……う~……んにゃむにゃ」

 

 よい夢を見ているらしく、幸せそうな寝顔。

 寝袋からは例の薄汚れたぬいぐるみがメイディアと一緒にチョコンと顔を出していた。

 彼女は一時もこのウサギのキースを手放さない。

 シャトー令嬢に似つかわしくない、誰から見ても安物とわかるぬいぐるみを。

 耳をかじってしゃぶる、幼児期のクセが未だ治らず、部屋でも寝るときにいつもくわえている。

 ダレスに抱えられている今現在もそれは変わらない。

 

ダレス「いい気なもんだ、お姫さんはよ」

クロエ「やっぱりちゃんと起こした方がいいよ。自分で歩かせないと……」

ダレス「いやいや。重いけど、こっちのが楽だって。姫さんに起きていられるより静かでいいや」

セルゲイ「スムースに事が運ぶしね」

ダレス「疲れた、もう歩きたくないとか言い出したらおんなじだしなー」

セイゲイ「そうそう」

クロエ「もう、メイディアったら……迷惑かけてばっかり」

 

 クロエがメイディアの鼻をつまむと、しばらく無呼吸になったのち、急に大きく口で空気を吸い込み、その大きな双眸を開いた。

 

メイディア「何事っ!? んっあっ!? 何をしているの、貴方!! おろしなさいっ!! さては人さらいねっ!?」 寝袋に収まったまま暴れる。

ダレス「おいおい、寝ぼけんなよ」

メイディア「あ……」

     『そうだった……』

 

 小さな旅の途中だったことを思い出す。

メイディア「どうしてワタクシが寝ている間に移動しているのですかっ!? ちょっと声をかけてくれればちゃんと起きましたのにぃ」

クロエ「……何回も起こしましたァ~!! でも全然起きなかったんじゃない」

メイディア「ウソウソッ!! ワタクシ、ちゃんと起きられますものっ」

クロエ「部屋でもちゃんと起きられた試しなかったでしょ。皆でいっつも起こしてあげていたんじゃない」

メイディア「アレは……今起きようとしていたところだっただけです。ともかく降ろしなさい」

 

 ようやく彼女が地面に両足を降ろし、自分で行動開始。

 タオルを濡らして顔をふき、水で口をすすいで歯を磨く。

 一応、歩きながら行動しているので皆の足を止めてはいないものの、今までのやりとりからしてフェイトの視線が冷たい。

 クレスの方は進めば問題はないと思っているため、寝坊スケのお嬢様には見向きもしなかった。

 これが顔を洗うからちょっと待ってなどと言ったものなら額に青筋を浮かべるところだっただろうが。

 メイディアにしても急ぎたい気持ちはちゃーんとあるのだ。ただ空回りしてしまうだけで……

 自分より前におり、天才だ神童だともてはやされるリクが気に入らない。

 しかも先日の無礼千万の性格ブス発言!! 何としてでも出し抜いてやりたかった。

 

メイディア「さぁ、皆さん!! 今日もハリキッて行きますわよっ」

フェイト「……声がデカイ。コレは実戦をイメージした試験だということを忘れるなよ。敵がいるかもしれない中で大声を出す奴がいるか。たちまち標的になる」

メイディア「あ~らら。それはそれは。貴重なご意見、痛み入りますわ」

フェイト「いちいちふてるな」

 

 振り向きもせずに足元を確認しつつ上り坂をゆく。

 

メイディア「ぷぅ」

 

 ふくれて黙る。

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●Thanks Comments

お荷物メイちゃん…

文字通り荷物になって運ばれとりますがよ…w

From 【ぱんだ】2007.12.24 11:11編集

とにかく荷物。

何をしても迷惑しかかけません。
困ったちゃん。

From 【ゼロ】2007.12.24 11:14編集

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