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レイディ・メイディ 18-16
2007.12.27 |Category …レイメイ 18話
クロエ『ダメ……お兄ちゃん……私、くじけそう……。この試験 ……ゴールできないかも……。ううっ』
目眩に襲われたクロエの胸を絶望感が満たしていった。
監視室では、教官たちがしばし黙りこくっていた。
ナーダ「………………。ほんっっっっとに、空気を読むってことができない子ね。スゴイ……スゴすぎる……」
氷鎖女「実生活でも空気の読めぬ女子でござる……。しかしこれ程とはな」
ヴァルト「集団の中の一員としての役割を理解する……減点」
氷鎖女「その場に合わせた行動を取る……減点」
ナーダ「リーダーの資質……減点」
ニケ「魔法の選び方、タイミング……減点」
▽つづきはこちら
減点。減点。減点。
あらゆる項目にマイナス数字を追加されるメイディアの成績表。
逆にプラス数字が加算されているのはクロエだ。
クロエ「メイディア、ウロチョロしてないで手当するの手伝って」
メイディア「ばら巻かれた荷物を集めていたんですの。ウロチョロなんかしてませんっ」
クロエ「手当が先なのっ」
メイディア「ワタクシは白魔術で回復させられませんもの」
クロエ「普通に手当してくれたらいいわ」
メイディア「……わかりました」
「えーと、呼吸確認……」
クロエ「それはもうした。全員平気」
メイディア「じゃあ、傷の汚れをキレイキレイにして、薬を塗って包帯ですわね」
クロエ「うん、お願い。私は回復魔法かけてるから」
メイディア「~♪」
タオルを濡らしてセルゲイのヒザの傷を……ゴシゴシ。
セルゲイ「ぎぃゃぁぁああーっ!?」
カッと目を見開いて悲痛な声をあげる。
クロエ「キャッ!!?」
何事かと驚いて振り向く。
クロエ「なっ……ななな……何をしているの!!?」
メイディア「傷口を拭いているんですの」
セルゲイ、あまりの痛みに言葉なく悶絶。
クロエ「床掃除じゃないんだから、そんなに強くこすったらダメでしょっ!!!!」
メイディア「だって傷口に入った土が落ちないんですもの」
クロエ「み……水でそういうのは流して、上からタオルを軽~くっ、軽ぅぅ~く、押さえるのよ? ……わかる?」
メイディア「……よろしい。承知しました」
セルゲイ「あゔおぉぉ~……」
ガクッ…… 再び、気絶。
次の被害者に選ばれたのはフェイトだ。
クロエに言われた通り、吹き飛ばされた際に擦り切れた頬の傷口に水を……大胆にぶっかけて、
フェイト「ぶっ!? ゴフッ!? ゲホッ、ゲホッ……うわ、何だ、冷たっ!?」
上からタオルを軽く………………ビシバシと叩きつけた。
フェイト「痛っ!! 痛ッ、イタタタ ……っ、オイッ!!」
目を覚ましたフェイトが上半身を起こしてメイディアの手を払う。
フェイト「……ゔ……」
しかし吹き飛んで叩きつけられた時の体の痛みが走ってすぐにうずくまった。
メイディア「存外、だらしないですのね」
フェイト「……っつ……あの爆発は一体……?」
力無く横たわる。
メイディア「ワタクシの魔法です」
フェイト「はぁ?」
メイディア「どうです? 敵を一掃しましたわ」
フェイト「……………………」
メイディア「エラソーなコトばかりおっしゃって、ワタクシの一撃の方がはるかに敵を退けるに強力ではありませんか」
フェイト「……他の連中は?」
メイディア「うーんと。なんか寝てます」
フェイト『……なんか寝てるって……』
「要するに……。君は俺たちを巻き込んで一人で勝って自慢しているワケだ」