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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 18-11

 これだけ騒がれ続けるのは家柄とあの強烈な個性、そして男女問わず学徒たちの憧れの的である二人の麗人・レイオット、リクと懇意にしていることにあった。

 そうでなくとも目立つ彼女がさらに目立つ二人といたらそれは噂に尾ヒレがつかないハズがない。

 メイディアにしてみれば、レイオットはともかくリクと懇意にしてるだなんて聞いたなら口から火を吹きそうな勢いで否定するだろうが、人々の噂が真実と違う場合というのは良くある話だ。

 

シラー「へぇ。嫌な奴ね、フェイトって。一言、言ってやらなくちゃ気が済まないわ」

 

 憤慨した様子を見せる。

 

ヴィクトル「君も変わってるなぁ。今でそのお嬢さんに煮え湯を飲まされてきたんだろ? それなのにかばったりするのか?」

シラー「だって愛人の子とはいえ、血のつながった姉妹だもの。これから私の妹になるんだから、仲良くしなくっちゃ」

ステラ「…………………………」


▽つづきはこちら

フランツ「けれど、シラー。まさか愛人の娘がそのままというワケにもいかないですよね? 彼女はどうなるんでしょう」

シラー「……そうね。恐らく追放になると思うわ。母は……本当のお母様は私とメイディアを取り替えた愛人を許してはいないから。でも私が何とか頼んで、侍女にしてあげるつもり」

ミレーヌ「貴女って本当に人間できたコよね~!! メイディアと大違い」

シラー「育った環境のせいよ。メイディアと私がもし初めから入れ違ったりしていなければ、性格は

まるで反対だったかもしれないわよ」

ミレーヌ「そんなことないって!! シラーはエライわ!! 私、尊敬するっ」

シラー「いやだ、そんなに興奮して言わないでよ。こっちが恥ずかしいじゃない」

フランツ「これでメイディア嬢も目が覚めておとなしくなるでしょう。良い薬です」

テオドール「だったらもうあのお嬢様にヘイコラする必要はナイってワケだ。これからはシラーブーケ令嬢の時代だな。これを機会に仲良くしてくれよなっ♪」

ヴィクトル「俺も頼むよ、シラー……いや。シラーブーケお嬢様」

シラー「エ~? もぅ、皆、からかわないでよ。私は私。今までと変わらないわ。軽く声をかけて」

ステラ「…………………………」

シラー「ね、ステラも」

ステラ「あっ、う、うん。そうね……」

   『何だろう……シラーは良いコだわ。優しいし気が利くしハキハキしていて明るいし……でも……どうしてかな。私…………』

 

 何かが引っ掛かると感じていた。

 引っ掛かるものの正体までは突き止められなかったものの、彼女を素直に受け入れられない自分がいた。

 こんなに腹違いの妹を案じている彼女に対し、こんな風に思ってしまうのは己の方こそ心が貧しいからだろうかと少し嫌になった。

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