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レイディ・メイディ 15-4
2007.12.03 |Category …レイメイ 14-17話
シラーブーケ「ハイ」
母「ペンダントがどうとかおっしゃっていたと聞きましたが?」
シラーブーケ「母がお館様にいただいた物だと肌身離さず身につけていた物ですが……」
母「お見せなさい」
シラーブーケ「いいえ。もう貴女様には関係のない物でございましょう。失礼します」
母「見せなさいッ!! それが偽物であれば、貴女を捕らえますからね」
仕方ないといった風に少女はペンダントを懐から取り出した。
▽つづきはこちら
シャトー婦人は受け取ったロケットペンダントを開いてみたり、裏返してみたりしている。
確かに夫からマルガレーテに贈られた物に違いない。
裏側に愛の言葉が綴られている。
夫が自分に贈った装飾品にそうしたように、自ら削って書き込んだものだ。
再び夫の裏切りへの怒りがたぎってくる。
ロケットの蓋の内側にも文字が……
母「これは……」
シラーブーケ「すみません……私は文字の読み書きができないもので、何と書いてあるかまでは……」
母「私が読めるから口出しは要りません」
シラーブーケ「……それは失礼致しました」
震える手でそれを顔に近づけるシャトー婦人。
母『これはあの人の文字ではないわ。……マルガレーテ、アナタなのね』
文字はこういった意味を示すものであった。
“我が子よ、貴女の幸せは私の幸せ。お前が母を知らずとも母は貴女を愛す”
母「……そんな……まさか……」
目眩に襲われてテーブルに手をついた。
ばあや「お、奥様!!」
母『この文字の示す意味が……私の元で幸福に育ったメイディアに当てられたものだとしたら……』
自分は他人の……しかも夫の不倫相手の子を蝶よ花よと育てて、本来の己の娘を他人の元で暮らさせていたことになる。
母「よく……わかりました。まだ信じたワケではありませんが、シラー」
シラーブーケ「はい」
母「お部屋を貸してあげますから、しばらくここにお泊まりなさい」
シラーブーケ「!!」
母「いいこと? ハッキリしたことがわかるまで、私を母と呼ばないように」
シラーブーケ「はい、シャトー婦人」
母「よろしい。貴女はまだ私の遠縁の親戚で一時的に預かっているだけ……よろしくて?」
シラーブーケ「はい。十分でございます」
少女は花のように微笑んだ。
母「ばあや、彼女を湯浴みさせてそれなりの衣装を用意して髪も奇麗に結っておあげ」
ばあや「は……はい……」
突然現れた少女・シラーブーケはシャトー家に一つの波紋を投げかけた。
●Thanks Comments
マジですか~!?
メイちゃんは妾のコ!?
それは乞うご期待?!
いやいや、まだ決定するのは先の話でやんす。