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レイディ・メイディ 16-2
2007.12.04 |Category …レイメイ 14-17話
1回目の試験で減点をくらい、出遅れたクレスも2度目の進級試験では本来の成績を取り戻していた。
前回の減点が効いてメイディアの次点という不本意な結果に終わっていたものの、その差はわずか。
さすがとしか言いようがない。
メイディア「どうかしらね」
クレス「今に見てろ」
リク「いやぁ、君たちと同じクラスでよかったよ」
メイディア「別にちっともよろしくなんてありませんっ」
べっ!!と舌を出す。
クレス「僕も別にどーだっていいね!!」
ふんと鼻を鳴らして腕を組む。
▽つづきはこちら
しかしそう言われて、まんざらではなさそうだ。
白薔薇ではクロエとモーリーが頑張っていたが、特に目立つことはなく平凡な一生徒として埋もれてしまっている。
まだこれからといったところか。
剣の道で騒がれているのは麗人・レイオットとフェイトである。
努力家で認められるレクも悪くはない。
そして意外にも黒薔薇ではアンも周囲に負けてはいなかった。
彼らは1年を過ぎて先輩と呼ばれる立場になったのだ。
上に上がる者、そのまま新入生と共に基礎からやり直す者、そして残念ながら、この1年を通して力不足と判断された者は養成所を出て行くことになり、それぞれの道が別れて行く。
進級した候補生たちは、クラスそのままに2学級に持ち越され、1年末の最終試験に落ちた者は新しいクラスで勉強することになる。
よって、氷鎖女はまたしても問題児だらけのクラスの担当を引き続き指導することになったのだった。
始業の鐘が鳴って、教室にそろう面々。
氷鎖女「……ごぉるでん……円の動き……ヒネクレス……」
メイディア「……………………」
リク「………………」
クレス「……………………」
氷鎖女「はあぁ~」
三人の顔を順番に見つめて深~くため息。
メイディア「なんです、その反応は」
リク「やあ、2年生になれたよ。またヨロシク」
クレス「ヒネクレスって僕のことじゃないだろうね!!?」
氷鎖女にとっての彼らは、優秀にして恐ろしく手のかかるバカであった。
氷鎖女のクラスは3分の2に減っていた。
3分の1は新入生と一緒に学ぶ者達である。
候補から外された者は数人しか出なかったのは素晴らしい。
他のクラスも当然減っているので、元のクラス2つ3つ分を合体させて1つの組になっている。
去年2年、今年も2年に残ってしまった留年組も同じく組み込まれる。
そのためお互い新しい顔というのも多くあった。
2~3クラスが1つになると教官の内、1人や2人は余る計算に。
余った教官たちが1年に居残り、また新しく入って来た学徒たちを指導することになるのだ。
1年指導に回された黒魔術教官はクレスやリクという光る原石である子たちを自分の手で育てたかったらしく、悔しがっていた。
職員会議で決定されてしまったのだから仕方がないとはいえ、この国の未来を守る薔薇騎士候補を異国の若造に任せるというのが気に入らない様子。
それは周囲も同意ではあったものの、1年間の学徒の成績の伸びを見ればうなづかないわけにはいかなかった。
1年通して成績を競わせられるのは何も学徒だけではない。
しっかり指導できていたかどうかで教官の質も同時に問われる。
氷鎖女「また……なんか……アレだけど……その……えーと……まぁ、あまり拙者をイジメないように頼むでござるよ」
弱気な教官の挨拶に、学徒たちが笑い出す。