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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 第15話

第15話:もう一人のメイディア

 一方、メイディア嬢奪回に失敗した昨夜の男たちは、馬をごっそりつれ去られ、数日かけて徒歩でようやく屋敷にたどりついていた。

 

男たち「馬まで持っていきやがってとんだお嬢様だぜ」

   「それにしても薔薇騎士レンジャーって本当にいたんだな」

   「…………」


▽つづきはこちら

 当然のことながら、彼らはシャトー家の一室で奥方にお叱りを受けることに。

 

メイディアの母「薔薇騎士レンジャーが現れて娘を逃がした? もっとマシな言い訳はできないの!?」

男「しかし、そのふざけたカッコウした奴、やたら強くて……」

母「もういいわ、下がりなさい。次は失敗は許しませんからね」

男「ハッ!!」

 

 男たちが去ると、母君は窓辺に立ち、手元のカーテンを力強く握る。

 

母「メイディ……どうしてこう逆らってばかりなの。昔から何を考えているのかわからない子だったけど」

 

 部屋にお茶の用意をしに入って来た、ばあや「お嬢様はお寂しいのですよ」

 

母「寂しい!!?」

 

 キッと振り返る。

 

「何が寂しいものですか。いつも私は贈り物をしてあげたわ。あの子のために!! ドレスも宝石もお人形もペットも。最高級の物ばかり取り寄せたじゃない。何が気に入らないというの。これ以上何を望むというのでしょう」

 

 紅茶を容れながら、

 

ばあや「メイディ様は何もいらなかったのですよ。奥様や旦那様が一緒にいて下さればそれで満足だったのではないでしょうかねぇ」

 

母「私たちは忙しいの。仕方ないでしょ」

ばあや「ええ。ですから、お嬢様は“寂しい”とは一言もおっしゃったことはございません」

母「あの子にはそんなことを思う心すらないのよ。思いやりというものに欠けるのだわ」

ばあや「!! そのようなことは決して……」

母「だってそうでしょう? 家庭教師に酷い意地悪ばかりして次々と辞めさせてしまったようだし、私が贈った鳥……覚えている?」

ばあや「ええ……」

母「そうよ、あの子は。ああいうことが平気でできる子なの」

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