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レイディ・メイディ 14-6
2007.11.29 |Category …レイメイ 14-17話
青薔薇役者「あー、疲れたよなー。これから打ち上げだけど行くだろ、ジェイク?」
ジャック「そうしようか。先週で候補生の訓練に付き合うのも終わったし、見回りはウチじゃないし」
白薔薇役者「候補生って何の?」
ジャック「いや、こっちの話」
黒薔薇役者「おーい、ジェイク。なんか若いの二人組みがお前を尋ねて来てるぞー?」
メチャツヨバルカン役者「可愛いお姫様みたいのと、なんか俳優みたいな少年だな。お前の知り合い?」
姫役「バカ!! エマリィ=シャトーの令嬢だって!!」
団長「失礼のないようにな」
ジャック「ハイ?」
▽つづきはこちら
脱ぎかけたレンジャーのコスチュームをもう一度着込み、仮面をつけて廊下に出る。
ジャック「やあ」
『……って、ゲゲッ!!? この子たちかっ。ヤバ』
メイディア「こんばんは」
ジャック「やあ、お嬢さん方。赤薔薇レンジャーに何か御用かい?」 内心、アセアセ
レイオット「赤薔薇レンジャーが間近に……」 ほげ~……
団長「馬鹿モン!! お嬢さん方って……隣のは男の方だろうが。コラ、謝れ」
レイオット「え……あの……私は……」
ジャック「女の子ですよ。団長こそ失礼な。こんなチャーミングなレディーに向かって」
レイオット「はっ……はいぃ~」 脳みそ沸騰。目がグルグル。
メイディア「んまっ!! レイオットばっかり!!」
ジャック『出た。ガーネットの自称・婚約者』
「もちろん、君も負けていないさ」
急に態度をひるがえして、メイディア「んまっ!! お上手だこと」
メイディア「サインと握手をしていただきたいのですけれど……」
ジャック「そんなことか。お安い御用だよ」
『何でこんな時間にこんな所にいるんだ。早く帰りたまえよ、君たち』
二人のハンカチにサイン……ジャックと危うく書きかけて、あわててジェイクと記す。
ジャック『フー。危ない危ないっと』
「ところで君たち、誰と来てるの? まさか女の子二人だけってことはないだろうね?」
二人『……ギク』
メイディア「いっ、いえっ。お共の者がついておりますのでご安心下さいな。ではありがとう、失礼致しますわ。ホホホホ」
養成所に通報されても困る。
あわてて退散することにした。
まだ惚けているレイオットを引きずって。
メイディア「さあ、帰りますわよ」
レイオット「赤薔薇レンジャー……カッコイイ……」
メイディア「ホラァ、早く」
レイオット「チャーミングなレディーだって!! キャア~♪」
女扱いされることになれていない可愛そうな男前・美少女はもう初めから女性としてみなしてくれたことですでにメロメロだ。
そこではたと気が付いた。
もう一人、自分を女と初めから言った人がいたと。
青薔薇騎士小隊長のジャックだ。
レイオット「そういえば誰かに似てると思ったら、ジャック小隊長さんだ」
メイディア「何が?」
レイオット「赤薔薇レンジャーの人、先週稽古つけてもらってた正騎士の人と似てるの」
メイディア「ふぅん? どの辺が?」
馬小屋から「借り物」の馬を出してもらい、背に飛び乗る。
メイディア「あのくらいの背格好の男の方なんてありふれてますわよ」
レイオット「うーん、それもあるんだけど、剣さばきとか身のこなしとか……声とか」
メイディア「ジャック……なんとか……ウイングソード?」
レイオット「そうそう。そっち。よくわかったわね」
メイディア「だってダーリンの方がずっと背が高いですもの」
話している間も馬は町中を抜けて行く。
レイオット「ダーリン?」
メイディア「そ。クロエのお兄様でワタクシの夫になる予定の殿方」
レイオット「……それってクロエが大否定してた……」
メイディア「クロエさんったらお兄様をとられると思っておりますの。仕方ないことですのに」
レイオット「でも約束してないって……」
町から完全に離れた所で背後をピタリとついてくる馬に気が付いた。
レイオット「……!!」
メイディア「あの者たち……何だか……」
レイオット「シッ!! 振り向いたらダメよ。いいわね。一気に走り抜けましょ」
メイディア「ええ」