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レイディ・メイディ 16-4
2007.12.05 |Category …レイメイ 14-17話
アンが荷物に手をかけようとすると、レイオットとクロエが左右からメイディアを睨む。
レイオット「こら、メイディ!! 自分で運びなさい」
メイディア「どうして?」
キョトン。
クロエ「アンは貴女の召し使いじゃないのよ」
メイディア「だって、運ぶって本人が言っているのだからいいじゃない」
レイオット「メイディが運ぶように言ったからでしょ」
メイディア「ここに始めに来たときだって運んだわ」
レイオット「私は貴女が重たそうで困っていたから手を貸してあげたの」
メイディア「どうしてそう、上から見下した態度をとるの!? ワタクシが何もわからないと思っているのね!? ヒドイ!!」
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クロエ「!? そっ、それはメイディアの方でしょう」
通じていないので、久々に驚く一同。
そうだ。1年共に生活して多少なりとも彼女のワガママに慣れてしまっていたが、そうだった。
この子はこういう子なのだ。いわゆる常識が通用しない。
メイディア「それに嫌なら断ればよろしいのです」
クロエ「アンの性格上、断りきれないのわかっているじゃない」
メイディア「……む~……何です。二人してワタクシを悪者にして。断らないアンが悪いとは思いませんの!?」
レイオット・クロエ「初めから人に運ばせようとするメイディが悪いっ!!」
声をそろえてピシャリ。
メイディア「う~……」
アン「…………」
二人に助けられてアンはホッと息をついた。
メイディア「ではコレは誰が運ぶの?」
クロエ「メイディア」
メイディア「こんなにいっぱいあるのに?」
レイオット「あっても」
メイディア「無理」
クロエ「何回かに分けて運べばいいでしょ」
メイディア「二人は日に日にワタクシに意地悪になってゆくのね!! ヒドイわ、ヒドイ、ヒドイ!! イジワルッ!!」
転がってジタバタ。
レイオット「友達になれたから言えるのよ。さ、ホラ、どいて。ドアの前にしゃがみこまない」
メイディア「ふーんっだ」
「ジェーン、モーリー。運んで」
ジェーン『……来たよ』
「た、ただいま~♪ アハハ」
作り笑顔。
クロエ「あんまり甘やかせたらダメなんだからっ!!」
ジェーン「なんの、お安い御用よ」
モーリー「そうそう、まっかせて~♪」
クロエ「……まったく。人がいいんだから」
しかしこの二人は人が良いワケではなく、ただ、ご機嫌をとりたいだけだ。
いつものように。
取り巻きは1年立った今も後を絶たない。
さすがに入学当初よりも減ったものの、親しくなってくればしめたものだと皆思っている。
その中で部屋も同じで特に中が良いとされるジェーン、モーリー、アンは常に行動を共にしていた。
だが、ジェーンとモーリーは今回の部屋割で別個になってしまう。
ここで付き合いの糸を切らないようにしておかねばならなかった。
ジェーンたちが荷物を持ってメイディアと共に部屋を出て行ってしまうと、レイオットとクロエは顔を見合わせて肩をすくめた。
クロエ「ジェーンたちも良くないと思うなー。ああいう風にしちゃうからメイディアの悪い癖が治らないと思うんだけど」
レイオット「確かにメイディったら可愛いからアレコレ世話焼きたくなっちゃうのもわかるけど……」
クロエ「エッ!!? かっ……かわっ!?」 ビクッ!?
レイオット「可愛くない? なんか………ちっちゃい子みたいで」
クロエ「……そう……思えなくはない……ような時もあったようななかったような気もする……けど……でも……」