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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 13-3

ナーダ「不安だわ……。頼むから何も騒ぎ起こさないでちょうだいよ」

ジャック「何言ってるんです。心配し過ぎは体に毒ですよ」

ナーダ「アンタのせいでしょうが!」

ジャック「まだ何もやってないじゃないですか。そんな何か起こる前から起こったみたいな心配してるとふぁんふぁんになっちゃいますよ」

ナーダ「何よそのファンファンって」

ジャック「動物園の人気者☆パンダ

ナーダ「………………………………」

 

 ジャック、にっこり

 

ナーダ「イヤアァッ! やっぱり代えて! この妙な生き物はイヤ!! まともな人間ぷりーずっ!!」

ジャック「何ですか、その態度は。傷ついちゃいましたよ」

ナーダ「イヤーッ! イヤーッ!!」

 

 頭を抱えて悶絶。


▽つづきはこちら

ヴァルト「残念だったな、ナーダ。こちらはもうガーネットに学徒がたかっているものでな。今更取り替えはきかない」

ナーダ「卑怯者~っ!」

ヴァルト「なんとでも言ってくれ。たまには俺だって奴から解放されたいんだ」

ジャック「奴ってもしかしてアレですか。もしかしなくとも私ですか」

ヴァルト「ああ、よくわかったな。自覚があるならこれ以上俺に恥をかかせないでくれ」

ジャック「かけたことなんて一度だってナイのにー……まぁいいか。赤ね、赤」

 

 赤薔薇騎士の卵たちの所へよっていく。

 

ジャック「やあやあ、諸君っ! 今日から一週間、君たちと共に青春満喫するからそのつもりでヨロシク☆」

 

 ホウキを片手にフリフリエプロン姿の……正騎士。

 どう見ても青の方に派遣された方が強そうだ。

 赤薔薇候補生たちはガッカリした。

 青薔薇の方では、興奮のあまり、今にもレクが倒れそうになっていた。

 

レク「ガーネットさんが……ガーネットさんが稽古つけてくれるぅ~」

フェイト「言っておくケド、お前一人につくワケじゃないんだからな。全員相手にできるワケないし、見てるだけになるかもしれないんだぞ。うかれるなよ」

レク「わかってるよ、そんなの。いっつも一言多いな、フェイトは。人が喜んでるんだからクギ刺さなくったっていいじゃないか。見てるだけでも幸せなんだよ」

フェイト「あっそ。せいぜいイイトコ見せて覚えてもらうんだな」

レク「言われなくてもそうするっ」

  『それにしてもわわわわわ君とか呼んでくる変な人じゃなくて良かった……。もし“わわわわわ”が流行って定着でもしたらエライこっちゃだもんな』

 

 結局ガーネットはそろって素振りをする候補生たちの間を見て回っておかしなクセがあれば、立ち止まって直してやり、伸びる余地があるならアドバイスをするといった形で指導にあたっている。

 ヴァルトも満足そうにうなづいている。

 一方、ジャックの方は全員に対し、5人1組を作れと命じていた。

 教官であるナーダの方はあまりのショックに生ける屍となってただ立ち尽くしている。

 

ジャック「よし、できたかな? そしたら、代表一人決めろ」

    「……決まったか? じゃあいくぞ。手を上に挙げてェ~……ジャーンケーン……」

ガーネット『また妙なコトやってるし……』

 

 ちらりと離れた隣を見る。

 

ジャック「ポンッ☆ はい、勝った組同士でまたジャンケン」

 

 何度か繰り返して、勝ち残った数組を待機させる。

 

ジャック「じゃあ皆、真ん中空けて。1番に勝った組、……私と試合だ」

 

 赤の候補生たちが歓声をあげる。

 

ジャック「本日、剣を交えない子たちもよく見ているといい。人の動きを見ることもとても大事だ。私もヴァルト中隊長の背を見て正騎士になったといっても過言ではない。君たちはこれからナーダ中隊長の背を見て育つのだろうがたまには別の人間がどんな動きをするのか見るのも損にはならないと思う。実戦の参考にして欲しい」

 

 一気に場の空気が引き締まった。

 

ジャック「1番手、前へ」

レイオット「1番、レイオット=ジーエルン。よろしくお願いします!」

 

 小気味の良い名乗りを上げてレイオットが人でできた輪の中に踏み込んだ。

 

ジャック「他の4名は?」

レイオット「え?」

ジャック「他の4名も同時だ」

レイオット「えっと……」

ジャック「5対1で試合をする」

レイオット「でも……」

ジャック「心配はない。そちらは木刀だし、こちらはこのホウキだ。それに……」

 

 ホウキをヒュンと回して、

 

ジャック「候補生1年の君たちにしくじりをする私じゃないよ」

 

 余裕の笑みを浮かべる。

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