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レイディ・メイディ 13-2
2007.11.19 |Category …レイメイ 11-13話
レイオット「……!!」
メイディア「このチケット。お譲りするワケにはいきませんが……護衛は必要」
「いかが?」
レイオット「行く! もちろん、行くっ!! 任せて、護衛っ!」
目がキラキラと輝く。
メイディア「ふふ。よろしい」
レイオット「ありがと、メイディア」
『初めからそのつもりだったのねっ』
ぎゅむっ☆
隣の席のメイディアを抱き締める。
メイディア「素敵戦隊っ!」
ガタンと椅子を蹴って立ち上がる。
レイオット「薔薇騎士レンジャー!」
同じく、再び立ち上がる。
そしてストンと同時に腰を下ろし、何事もなかったように食事の続きを始めた。
▽つづきはこちら
周囲「………………」 シーン…… 冷や汗、タラリ。
彼女たち2人は私設・薔薇騎士レンジャーファンクラブ(現在、会長1名・副会長1名。会員ただ今募集中)の間柄であった……。
メイディア「まずはここを脱出する計画を夜にでも話し合いましょう。来週だから時間もたっぷりあるわ」
レイオット「ええ。それじゃ修業後に。……素敵戦隊っ、」
メイディア「薔薇騎士レンジャーッ!」
二人で決めポーズを取る。
二人「………………」
レイオット「さて」
メイディア「では」
食事を終えてそれぞれ集合場所に別れてゆく。
郵便が届いたせいか、全体的に朝から浮かれた雰囲気で一日が始まった。
その景色に数年前まで普通にはまっていた二人がいた。
今は正騎士の勲章を手に入れた彼ら二人が。
ガーネット「何で俺たちがこんなところに呼び出されないとならないんだ」 げっそり。
ジャック「だからさっきも説明したじゃないか。試験会場で騒いだ罰だって」 あっけらかん。
ガーネット「全部アンタのせいだろが」
ジャック「お弁当おいしかった?」
ガーネット「……ちくしょう、同罪ってか」
ヴァルト「コラ、そこの二人、そんな端っこでくっちゃべってないでこっちに来い」
ジャックが手ほどきを受けた教官で今現在も教官としてこの養成所につめているヴァルトが手招きをした。
ジャック「怒らないで下さいよ。ちゃんと真面目に掃除してるじゃないですか」
ホウキで落ち葉をはく。
ヴァルト「誰が掃除しろと言った。お前たちにしてもらうのは、コイツラの練習相手だ」
ジャック「掃除じゃないの?」
ガーネット「誰も一言もそんなこと言ってないから……」
もちろん、ガーネットはホウキなんか手にしていない。
養成所まで呼ばれるのはどうせ剣の稽古の相手をさせられる以外にないと思っていた。
二人を招いて、整列している学徒たちに向き直るヴァルト。
ヴァルト「本日からしばらく、この二人がお前たちの剣を見てくれることになる」
列の中のレク『ガ……ガーネットさんだっ!!』
『……と……。あの変で迷惑な小隊長……』 急にテンションが下がる。
ナーダ「まだ若いけれど実力は折り紙付きよ。本物の薔薇の騎士がどれだけのものか経験できる良いチャンスだわ。盗めるものは全て盗んで吸収なさい」
学徒たちは言われるまでもなく、憧れの眼差しで二人を見つめていた。
ヴァルト「では青の方に……」
ナーダ「赤の方に……」
ヴァルト「ガーネットをもらってゆく」
ナーダ「ガーネットをもらっくわ」
ヴァルト・ナーダ「……………」
顔を見合わせる。
ナーダ「ちょ……ちょっと、ヴァルト、ジャックは貴方の教え子でしょ」
ヴァルト「関係ナイだろう。ジャックはそちらに預けるっ」
ジャック「うわ~……人気なぁ~い☆ ヒドイや、中隊長たち……くすん」
ガーネット「やっかいごとを引き起こす天才ですからね、アンタ」
ジャック「一言多いぞ、後輩よ」
足を蹴る。
ガーネット「痛てっ」
ヴァルト「一応紹介しておこう。皆の中にはすでに知っている者もいるかもしれないが、俺の配下の小隊を預かるジャック…………」
「ジャック…………ええと……」
「ジャックだ!」
ナーダ「……忘れたんでしょ? 教え子で部下なんだから名前くらい覚えておいてあげなさいよ」
ヴァルト「うるさい、奴のは長いんだ。殺人的に」
ナーダ「殺人的って……ナニソレ……」
ヴァルト「舌をかんで死人続出というウワサだ」
ナーダ「……ウソばっかり……」
ヴァルト「そしてその補佐を努めるガーネット=グラディウス」
「青の方はこのガーネットに担当してもらい、」
ナーダ「!?」
ヴァルト「赤の方をジャックに担当してもらうことになった」
先に言い切った。
ナーダ「まだなってないでしょっ!」 ビクッ!?
ガーネット「言ったもん勝ちだな」 ひそ……
ジャック「うんっ! すばらしく失礼な人達だ」
腕を組んで胸をそらす。
ヴァルト「そういうワケだ。ナーダ。あきらめてくれ」
ナーダ「ふざけないでよっ!」
抗議を無視して、ヴァルト「ジャック、赤は頼んだぞ」
ジャック「ハッ! ジャックにお任せ下さい」
ビシッと足をそろえて敬礼。