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レイディ・メイディ 13-11
2007.11.25 |Category …レイメイ 11-13話
ガーネット「何だ、ソレ!?」
ジャック「浮気現場を押さえられたダメ亭主みたいだな」
横から茶々を入れる。
ガーネット「冗談はよせ。何が悲しくて妹とこれまた同じくらいの子に詰め寄られなきゃいけないんだ」
しかも妹の友達は初対面ときたもんだ。
クロエ「お兄ちゃんっ!!」
煮え切らない?兄をキッと激しく睨む。
ガーネット「あ~……その……何だ。いきなり結婚と言われても俺はまだそういうつもりはないし……」
妹に後押しされて渋々、説得にかかる。
▽つづきはこちら
メイディア「では約束だけ交わしておきましょう」
ガーネット「や、そういう意味でなく……まだそういったことを考えてもいないと……」
メイディア「では今すぐお考えになって下さいませ」
クロエ「つまり無理と言ってるのっ」
メイディア「無理とは言われてませんでしょ。“まだ”とおっしゃいました」 ぷいっ
ガーネット「あーあー」
メイディア「ダーリン、ワタクシのコト、お嫌いですか?」
ガーネット「嫌いも何もさっき会ったばっかりで……」
なんとか上手く切り抜けようとする兄の言葉をさえぎり、クロエが口をはさむ。
クロエ「お兄ちゃんはっ!! 美人で可愛くて優しくて慎ましくてスタイル良くて明るくて楽しくて私とも遊んでくれちゃって、さらに料理が得意で掃除も裁縫もOKな家事万能スーパースペシャルな人じゃないとダメなのっ!!」
ジャック「なんだ、私が好みだったのか、ガーネット」
クロエ「そう、例えばジャックさんみたいなっ!!」
ガーネット「ぶっ!!」
食べていた物を向かいに座っている上官の顔にぶちまける。
ジャック「汚いぞ」
ガーネット「二人が気色悪いコト言うからだっ!!」
クロエ「……あ、つい勢いで……。でもジャックさんが女の子だったらお義姉さんでもちょっといいかな、私」
ガーネット「怖いコト言うなァ!!」
ジャック「あっはっはっ♪ 心配するな、ガーネット。私の方から願い下げだとも!!」
ガーネット「……力強く否定せんで下さい」
ジャック「怖いって私には言ったクセに。じゃあ逆が良かったのか? 行くぞ、行っちゃうゾ、嫁に」
指をぱちーん☆と鳴らしてウインク。
ガーネット「…………………………スミマセン……もう言いません。来んで下サイ」 青ざめる。
メイディア「んま。失礼しちゃう。ワタクシがこんな女に負けるとでも言うのですか!!?」
勢いよくジャックを指さす。
ジャック「わあ……続いちゃうんだ、その会話……」 棒読み、無表情。
ガーネット「……………………」 ゲッソリ
クロエ「そーよ。だってメイディ、家事なんかしたことないでしょ!!? ジャックさんは家事万能なんだからっ」
メイディア「家事なんかできなくとも召し使いにやらせれば良いのです」
クロエ「それじゃダメなのっ」
「ジャックさんなんか料理は上手だし、裁縫だって……いらない端切れで私のクマさんリュックとか作ってくれちゃうのよ!! すごいんだからっ!! どう? メイディにできないでしょ」
ガーネット「……そのいらない端切れで作ったクマさんリュックだが……」
「俺の服やマントを勝手に素材に使うのやめてくれません? ちっともいらなくないんですけど!!」
ジャック「ちょうどいいのがあると思って」
ある日、着てみたら背中の部分がごっそり切り取られていて、廊下を通りがかったクロエが見覚えのある布で作られたリュックを背負ってほくほくしていたのを思い出す。
他の日ではやはり着用してみたら、マントにクマちゃん刺繍が施されていたりといつの間にか変貌を遂げている。
しかもそれと気づかずに外に出て仲間たちからからかわれた苦い記憶も新しい。
メイディア「む~。そんなのは貧乏だから器用になるだけで、いばれたものではありません」
クロエ「またそういうこと言うのね。とにかく、ダメなんだからっ!!」
言い合いをしている間に休憩時間が終了してしまった。
あわてて食器を片付け、各々走りだす。