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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 2-4

 翌日。

 朝の光に照らされてメイディアは、顔をしかめた。

 

メイディア「ううんっ。カーテン開けたの誰ぇ?」

レイオット「おはよう、皆さん! 清々しい朝よ」

 

 …そうだった。メイディアは自分の現在の状況を一瞬、忘れていた。

 ここは我が家ではなく、養成所だったのだ。

 決められた朝は早い。好きな時間に起きて好きな時間に食事をとっていた彼女には辛い時間だ。

 それでも仕方なく、のろのろと起き上がって身支度を整える。

 部屋に一つしかない化粧台は今、クロエが使用している最中だった。

 

メイディア「…おどきなさい」

クロエ「うん、ちょっと待っててね。すぐ終わるから」 髪をとかしている。

メイディア「どいてと言ったら、素直にどきなさい」

 

 鏡とにらめっこしてまだどく気配のないクロエの椅子を蹴飛ばす。


▽つづきはこちら

クロエ「キャッ!?」 椅子から落ちてしりもち。

レイオット「あっ。クロエさん、大丈夫?」

クロエ「は、はい」

レイオット「ちょっとメイディアさん!」

 

 クロエを支えて立ち上がらせて、当然のように鏡の前に座るメイディアを睨む。

 

メイディア「なんですの?」

レイオット「何ですじゃないでしょっ。今、人が使ってたのに…ちゃんと順番守らなくちゃ」

メイディア「だって鏡台が1つしかないではありませんか」 頬をふくらませて鏡を指さす。

レイオット「だから、順番なんでしょう」

 

 どうしてこんな当たり前のことが通じないの?…とレイオット。

 一方、メイディアは自分が叱られるべきでないと強く主張。

 何故なら、自分はエマリィ=シャトーの人間だから。

 それ以下の身分の者は自分にかしづかなくてはならない。

 

メイディア「1つしかナイならば、ワタクシが先に使うべきじゃありませんこと?」

レイオット「1つしかナイから、順番に使うのよ」 盛大にため息。

クロエ「ああ、もういいから 私、もう終わったし…」

メイディア「…ム! それは施し(ほどこし)のつもりですの?」

クロエ「…エ? ほどこし?」

メイディア「もうよろしいですわ!」

 勝手な理屈で腹を立てた彼女は自分の荷物から手鏡を出して髪を整える。

 レイオットとクロエは顔を見合わせて、肩をすくめる。

 他の3人も目をパチクリさせて言葉が出ないようだ。

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