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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 3-3

 床を乱暴に踏み鳴らしていると、追い討ちをかけるようにリクがやってきた

 

リク「その、良いところのお嬢様が暴れていたらどうなんだろうね?」

メイディア「んん?」

 

 振り返り、声の正体を知るや否や、目をあからさまにひそめてみせた。

 

メイディア「まぁた貴方ですか」 鼻を鳴らす。

 

 すれ違うだけでハッと振り向かされてしまうような整った顔立ちの少年は、まだこの養成所に来て2日目だというのに、すでに女の子の憧れの的となっていた。

 んが、しかし。

 

メイディア「ワタクシにライバル意識を持つのは構いませんが、残念でーしたっ!

 ワタクシは王家の血を引く者!

 どこの馬の骨だか知りませんが、そのうちワタクシにかしづくことになるんですからねっ! せいぜいワタクシの機嫌をそこねないことです。ホホホホホッ」

 

 一度高笑いを引っ込め、イーッとばかりに舌を出して、次の教室へと駆け出して行ってしまう。

 

ジェーン「ホホホホホ…あ、待って、メイディア様」

 

 あわてて追いかけて行くジェーン。

 モーリーは何度かリクと見比べたが、他の取り巻きたちがついていってしまうとそれに習って走りだす。

 

アン「あ…あの…気にしない方がいいよ、リ…フリーデルス君…」

リク「ああ、ありがとう。気になんてしていないよ」


▽つづきはこちら

 返された礼と微笑みに頬を染めて、一人残ったアンうつむく。

 その横を涼しげに通り過ぎるリク。

 布を胸の前で重ね合わせて着るボタンもない服装風変わりで、教官・氷鎖女とどことなく似ている。

燃えるような深紅の瞳は知性を漂わせ、上級貴族であることを自らうたうメイディアなぞより、よほど洗練された動きをしていた。

 ミステリアスな彼は常に視線とさし指と噂話の的だった。

 それが耳に入っても反応することはない。

慣れた様子で気づかぬふりを決め込む。

 対してメイディアも視線と噂の的ではあったのだが……こちらは間違いなく良い噂の方ではない。

 確かに青い目は大きくパッと華やぐ顔立ちは美少女の枠には入るかもしれないが、すれ違った人間を振り向かせるだけの何かを持っているワケでもなく、十人並みの美人といったところか。

 しかし問題はその気性の方にあり……

 パッチーンッ☆

 廊下に響き渡る頬を打つ音。

 

メイディア「ワタクシとお付き合いしたいですって? 貴方、ご自分のお顔、見たことがありまして? それも…こんな安っぽい贈り物でワタクシの心が動くとでもお思い?」

 

 今し方、渡されたプレゼントの包みを中身を確かめもせずに床に叩きつけ、踏み付けた

メイディア「出直してらっしゃいな」

 

 告白して平手をくらった男がいたたまれなくなって道を引き返していく。

 

クレス『バカバカし…』

 

 大貴族だというお嬢様とクラスメイトの男のやりとりを見物していたクレスが浅くため息をつくとクレスは教室の中に入って行った。

 同じ専攻をしているのだから、当然後から来たリクもその現場に遅れて到着。

 皆の前で盛大にフラレた男とぶつかって見送る。

 

リク「あー、あー。可哀想に…。何が気に食わなかったんだか」

メイディア「全て」

 

 言い切って、意地の悪い笑みを浮かべる。

 人一人の全てを否定した悪意ある微笑みなのに、何故か優雅に見えたのは不思議だった。

 

メイディア「ワタクシを愚弄する者は許さない」 すっとリクへと指を突き付ける。

リク「…………」 自分に向けられた指を見つめる。

 

男子学徒たち「うわ、さっそくお嬢様に目ェつけられてるよ…」

      「俺、しぃ~らねっと」

      「俺も」

リク「じゃあ、こんなプレゼントはどうだろう?」

 

 長くだらしなく…メイディアの目には映る異国の服の袖から、焼き菓子を取り出して突き付ける指の手を開かせて置いた。

 

メイディア「!?」

 

 思ってもみない行動をとられて一瞬、大きな目をさらに大きくして驚いたようだ。

 それから、険の消えた表情になって「もらっておいてあげる」と微笑んだ。

 今度は本当に。

 まるで幼女のように。

 

リク『あれ…笑ったよ』

 

 お菓子が好きだったのかな? などと頭をかきながら思う。

 こちらとしても意外だった。

 彼女が去った後、踏み付けられた贈り物の残骸がキレイにラッピングされた箱からはみ出している。

 大変高価と思われるブローチだ。

 別に、彼女と特別な仲になろうと思っていたワケではなかったし、周囲の人間のように彼女の背後にあるオプションに興味があったワケじゃない。

 ただ見ていて飽きない娘ではあるとは感じたが。

 

リク『ま、初日からあれだけ騒がせる人間もそうそういないだろうからね。…それとも、大貴族の令嬢っていうのは皆あんなんばっかりなのかねぇ』

 

 見知り合いになったクラスメイトから、上手いことやったじゃないかと言われたが軽く流して席に着く。

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●Thanks Comments

餌付けされたw

じゃなくて、美少年が手品みたいなことするから素直に楽しかっただけだと思うけど、次は“しつけ”をお願いします。
Pさん、メイちゃんをペット扱い☆

From 【 ぱんだ】2007.10.23 00:08編集

無題

しつけ……難しそうです。
美少年のキラキラパワー効かないので。
野放し野獣。

From 【ゼロ】2007.10.23 20:42編集

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