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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 第2話

第2話:ルームメイト

 薔薇の騎士団。

 それはここローゼリッタ王国を代表する最強のエリート騎士団。

 正騎士になることができれば元の身分に関係なく、正式に騎士の称号と身分を保証される。

 それを夢見て国内全域から多数の希望者が殺到するこの養成所は、入学するだけでもすでに狭き門となっている。

 まず始めに様々な適性試験が行われ、養成所に残ることができるのは10分の1に満たない。

 多少、剣術の心得、または魔術の心得があっても落ちる者は落とされるし、何の知識も持たなくとも残る者は残るのだ。

 面接、体力測定、健康診断などわかりやすいものはいいとして、受ける側からするとどんな意味があるのかと首をかしげたくなるような試験も多く混ざっており、第1関門を突破するだけでも大変なコトなのだ。

 そんなところへ蝶よ花よと育てられた貴族の温室娘が、まかり間違って受かってしまったのだから、さぁ大変。


▽つづきはこちら

 薔薇の騎士団は、白魔術を操る神官系列の白薔薇騎士・いわゆる魔法使いというとピンとくるような黒魔術を操る黒薔薇騎士・ドラゴンにまたがり剣を手に戦場を駆ける赤薔薇、青薔薇の騎士…この4部隊に大きく分かれている。

 

メイディア「そ・れ・がっ! どぉぉ~っして黒じゃなきゃいけませんの!? 希望しましたのは白ですのにっ! コレは陰謀にちがいありませんっ!」

 

 騎士団候補生養成所の宿舎の廊下を乱暴な足取りで歩く少女。

 独り言とは思えない大きな声で堂々と不平不満を並べ立てていた。

 荒れた感情が如実に現れた足音とは関係なしに金色の巻き毛は軽やかに踊る。

 そう。先程、初めての教室で初対面の男にいきなり“黄金のまきぐそ”呼ばわりされた自慢の髪が。

 

メイディア「でもしばらくは仕方がないからワタクシが我慢して差し上げます。ワタクシだってもう15。立派な貴婦人なのですから。こんなことくらいでいちいち腹を立てていてはいけないのですわ。いずれ実力をもって解らせてあげましょう。しかし許せないのはあのちんちくりんの教官ですっ! この美しい髪をよりによって…」

 

 背後から、見知らぬ声がメイディアを追ってきた。

 

声「君、そこの…キレイな金髪巻き毛のお嬢さん」

メイディア「…キレイな金髪巻き毛? “キレイ”…」

 

 足を止め、勝ち誇った笑みを浮かべて振り返る。

 ほぅら、御覧なさい、やっぱりあの教官がおかしかったのだと確信しながら。

 

メイディア「まぁ、ワタクシに何か御用?」

声の主「そ。独り言で忙しい中、悪いけど…荷物、忘れてるよ」

 同じ教室から出て来たらしい美少年が、持参して来たメイディアの大荷物を手渡してくれた。

 

メイディア「…何故、ワタクシにお渡しになるの?」

美少年「…君のじゃない?」

メイディア「ワタクシのですわ」

美少年「じゃあ…ホラ、早く持ちなよ」

メイディア「何故? アナタが運びなさいな」

 

 小首を傾げて目をしばたかせる。

 そんな仕草は可愛いが、言っていることは可愛くない。

 

美少年「……………」
 しかし本気で言っているらしい彼女に少年は思わず閉口。

 

美少年「あのさ……俺、君の召し使いじゃないんだよね」

 

 するとメイディア。

しばらく少年を見上げて考えていたが、やがてパンパンを手をたたき出した。

 

美少年『…まさか…』 少年の赤い瞳が細められる。

 

メイディア「誰か! 誰かあるっ!? 荷物をワタクシの部屋まで運びなさい!」

 

 教室でこの養成所での生活を一通り聞き終えて、各々あてがわれた部屋に向かう途中の学徒たちが顔を見合わせた。

 一人、また一人とその場を気づかぬフリで去って行く。

 

メイディア「…おかしいですわ」 眉をひそめる。

 

その場にいた全員『おかしいのはオメーだっ!!』

 

メイディア「聞こえないのかしら」


 ポケットから今度は小さな銀のベルを出して振ってみた。

 リンリンリンッ!

 

メイディア「誰かっ! 聞こえているでしょう!? 荷物を運びなさいと言っているのですっ!」

美少年「あのさぁ…ここ、どこだかわかってる?」

メイディア「無論です。…ところでさっきからアナタは何ですの? ワタクシに向かって口の利き方を改めなさいな」

 

 腰に手をあてて、息をつく。

 ため息つきたいのはこっちだと思いながら、

 

美少年「これは失礼。俺はリク=フリーデルス。君も態度を改めた方がいい」

メイディア「態度を? …アナタ…もしかして上級貴族の方?」

リク「さぁー…どうだか」

メイディア「ふん、でもま。どうせワタクシより上ということはないでしょ」

リク「ここでは上も下もナイの。あるとしたら、実力の上下だけだ……っね!」

 

 メイディアの荷物を本人に向かって放り投げる。

 

メイディア「キャッ!?」

 あわててそれを受けて、廊下に尻餅。

 

メイディア「何をなさるのっ!? 誰かっ! そこの無礼者を追い出しなさーいっ!!」

 荷物の下敷きになって暴れながら、激しく銀の鈴を鳴らす。

 

リク「それじゃあね、くれぐれも自分のことは自分でするよーに。コレ、一応、忠告だから」

 

 言い残して、リクとやらは男子寮の方角へと消えて行った。

 

メイディア「なんてことっ! 由緒ある薔薇の騎士を目指す者とその教官にあたる者がそろいもそろってあんな無礼者だなんてっ」

 

 見かねて集まって来た何人かの手を借り、ようやく自分の部屋まで荷物を運ぶことに成功。

 粗末な木製の扉を開くと左右に質素な木製ベッドが3段ずつ。

 真ん中は狭い通路になっており、奥に狭いクローゼットが6人分。
 安物の化粧台が1つ。

 

メイディア「……………」 あからさまに嫌な表情。

       「こっ…こんなところで…?」

 

 先に来ていた同室の少女・クロエは窓の外を眺めていたが、ドアの音に気づいてペコリと頭を下げる。

 

クロエ「初めまして。こんにちは。私、クロエ=グラディウス。白薔薇の騎士を目指してい…て…」


 これから仲良くしていかなければならないルームメイトを歓迎して握手の手を差し伸べたクロエの笑顔が石像のように固まる。

 入室してきた同じ年頃の少女は握手の手を無視して通り過ぎて、なんと! クローゼットから今し方、クロエが整理してしまった荷物を次から次へと引っ張り出して散らかしているではないか。

 

クロエ「ななななっ!? 何やってんーっ!??」 がびーんっ!?

メイディア「ここはワタクシの部屋です」

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●Thanks Comments

キャラが増えてきた~v

ひゃほ~!美少年の登場よ☆
心ウキウキw胸わくわくw

このヒロインちゃんは、なんていうか
他の商業作品とかでいったら、確実に
主人公とかありえないよね?w

コレ完全に、主人公の側で話をひっかき
まわす脇役ちゃん的ポジションなんです
けどw

でも、おバカゆえになんか憎めないぞ☆

From 【 ぱんだ】2007.10.18 21:06編集

ありえない主人公でスンマセン(爆)

まだ画像取り込めなくて申し訳ないんだけど、見た目的にもアレです、ヒロイン。
縦ロールにデコっぱちですから……(‐_‐;)
他のキャラたちの方が、フツーにヒロインしてます。
メイディアは、ヒロインのイジワルなライバル役を主人公に持ってこようというコンセプトで作っております。
今後も色々やらかしますが、生暖かく見守ってやってクサイ^_^;

ちなみに今回登場した、リク、クロエ、レイオット。
いずれも他の人が作ったキャラです。

From 【ゼロ】2007.10.18 21:17編集

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