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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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みやまよめな:29

都「まさか……」

猛「ほうじゃ」

都「まぁ……まさかあのときの方が貴方でしたとは……」

社「??」

都「その節はとんだご迷惑を……」

 

 さっきと打って変わって、深々と頭を下げる。

 

猛「まぁ、なに。構わぬよ。……じゃが、もう二度とあのような馬鹿げたことをするでないぞ」

都「………………………」 目をそらす。

社『馬鹿げた…………まさか……』

猛「汝(うぬ)の命は汝だけのモノではないからな」

 

 これはなぐさめの言葉と思われたが、実は他意があることを都たちは気づかない。

 

都「……はぁ……」


▽つづきはこちら

 実は都、神通力が宿り、父に嫌われ始めてから入水自殺を図ったことがあったのだ。

 罪流の泉とはその名の通り、罪を流す泉。

 昔から、罪人が命と引き換えにその体から汚れを浄化することができると信じられていた。

 

社『姉上が自ら命を断とうとしていたなんて……そんなことがあっただなんて……』

 

 ぎゅっと拳を固める。

 何も知らなかった自分が恨めしい。

 それよりも、なぜ一言自分に相談してくれなかったのか。

それも悔しい。

 

猛「わしは毎晩、そなたに会うておるが、そなたはわしに気づいてはおらぬ様子」

都「……は? 今、何と?」

 

 うつむいていた顔をあげる。

 

猛「いや、何、こちらの話じゃ」

 

 言って立ち上がった。

 

「都、また会いにくるぞ」

社「……なっ!? ふざけるなっ!! ここは男子禁制だと言ったであろうっ!? いい加減にしないとっ……!!」

猛「“父上に言い付ける”か!? はははははははっ!!!」

社「何をっ!!」 かっと怒りのために赤くなる。

猛「では……な、姫」

 

 部屋を出て行く。

 

社「待て、貴様っ!!」

 

 追いかけて廊下に飛び出す。

 ……が。

 

社「……いない……?」 呆然。

 

 廊下にも庭にも、あの巨体はみつからなかった。

 後を追って社が飛び出すまでに数秒もなかったハズだ。

 

社「……?」

 『……やつは姿を消すことまでできる妖術使いか!?』

 

 仕方なく、部屋に戻る。

 

社「姉上……」

 

 黙ったままの都に声をかける。

 

都「……………………」

社「……さっきの話……まことでございましょうか?」

 

 都、小さくうなづく。

 

社「……………」

都「社……」

社「……はい……」

都「……一人にしておくれ」

社「………………」

 

 少し考えて、承知したと席を外す。

 

都「………………」

 

 一人、黙って座していたが、ふいにある物が落ちてるのに気が付いた。

 先程まで猛がいた場所に……

 

都「黒百合……」

 

 手に取る。

 

『…………まさか…………』

 

 黒百合を届けていたのは社ではなかった?

 肩をつかまれた時にも思ったことだ。あの夢の男は弟ではなく………………

 

都「……猛殿……」

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