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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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響く炎:2

配下の者「跡継ぎはどうなさるおつもりかっ!?」

響「テキトーに決めてくれ」

配下の者「テキトーにってそんなテキトーなっ! なりませぬっ! 跡継ぎのお子どころか嫁もまだではございませぬかっ!」

響「…………よ……余計なお世話だ」

配下の者「余計なお世話なものですかっ! 見合いになれば逃げ出して…。遊び歩いては、姿をくらまして…」

響「今は説教の時ではないわ。早くゆけっ!」

配下の者「……………」

    「わっかりました! では早々に葬式の手配を……

響「…おいっ! 七日は待てよ、コラッ! もしかしたらひょっとして帰ってくるかもしれぬだろっ!?」

配下の者「同じかと思いまするーっ!」

 

 遠ざかる声。


▽つづきはこちら

響「…………………………」

 「あんにゃろ…。フツー、それでも“お供させていただきます”っていうのが、アレだろ、義理人情じゃねーのか!? …ホンットに置いていきやがった…」

 

 

 ……そんなワケで。

 超優しく勇敢なワシは、地獄の果てまでお供しますと泣きつく者たちを無理やり追い返し、ただ一人この場に残る決心をした。

 

響「覚えてろ、こんにゃろ、ぜってー生きて帰ってやるからなーっ!!」

 

 

 鬼は、やはり斬っても斬っても起き上がってきた。

 ワシの体力は限界で、あわやと思ったときにどこからともなく怪しげな声がした。

 

女の声「鬼はまやかし。鬼の本体は…………」

 

響「こんなところに社…!? これが…」

 

 声に従って最後の力を振り絞り、山を駆け抜ける。

 指示された場所には、はて、言われた通りの崩れかけた社。

 中に札があった。

 それを破り捨てると……

 

響「霧が…晴れてゆく…!?」

 

 霧が晴れて視界が良くなると、周囲に転がる夥しい白骨を目にすることとなった。

 おそらくこれが今までにこの場所に踏み込んだ者の末路だろう。

 ワシは手を合わせて、そこから離れた。

 ともかく、鬼は退治された。

 ……が、あの声の主は何者だったのか…

 ワシは確かめたい欲求にあがらえず、あてもないのに山の中を徘徊する。

 鬼の爪を受けた体はガタガタで、始めに着ていた鎧も重くて捨ててしまった。

 血が大量に流れて目眩がする。

 声は何度呼びかけても、もう応じてはくれない。

 よせば良かったのに、そんなことをしていたから…………すっかり道に迷ってしまった。

 こうしてさまよっている内に数日が過ぎた。

傷と寒さと飢えで死ぬかと思った。

 折角、鬼を退治できたというのに

 あきらめかけて、へたりこんだとき……

 

響「…?」

 

 ひとひら。

 薄紅色の花びらが目の前を踊った。

 

響「……この時期に桜!? そんなバカな……

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