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ヒーローの条件:レイオットの場合1
2008.06.28 |Category …レイメイ番外編
ヒーローの心構え。
1、ヒーローはヒーローだから、ヒーローなの。
2、ヒーローは何者をも恐れない。
3、ヒーローは常に正義の味方。
4、ヒーローはくじけちゃいけない。
5、ヒーローは強くなくちゃいけない。
6、ヒーローは子供の憧れであり続けなくてはならない。
今の所、試験に出るからそのつもりで。
レイディ・メイディ番外編4
レイオット短編
ヒーローの条件、レイオットの場合。
▽つづきはこちら
え? 私が薔薇の騎士を目指す理由?
フフフフフフフ。
聞きたいの?
聞きたいんでしょ?
やっぱいいなんて、ダメよ。
一度言ったからには、曲げないこと! いい?
っていうか聞きなさい。
聞いて。
いや、聞いて下さい。
何だかわからないけど、言いたくて仕方がない気分なのよ。
私は元々、薔薇騎士レンジャーが好きだったんだけど……
ある日、家族と一緒に薔薇騎士レンジャーショーを観に行ったの。
隣の町までね。
親戚の家に用があっただけだから、ショーはついでだったんだけど。ワガママ言ってね。
10歳か……9歳くらいだったかなぁ?
ねだりにねだって、人形を買ってもらえることになったの。
そう、この人形。
だいぶくたびれているけど、私の宝物なの。
この人形を変なお兄さんと取り合いしていたら、別の男がやってきて、奪って行っちゃったのよ。
熱烈なレンジャー・レッドファンだったのね!
え? 本当だってば。人形をつかんで逃げちゃったんだから。
当然、私は追いかけたわ。
そしたら後ろから、本物の薔薇騎士レンジャーが現れてっ!!
……夢見るな? 何よ、その言い方! 本当なんだからね!!
彼は馬車で颯爽とやってきて、
「さぁ、乗りたまえ、勇敢なる美少女よ!!」
私はその手につかまって、乗り込んだわ。
そして小鳥のように震える私の肩をぐっとつかんでこう言うの。
「怖いかな?」
私は怖いのを我慢して、……ううん。
薔薇騎士レンジャーがいてくれたから、怖さはなくなったのよ。
それでこう答えるの。
「大丈夫よ、レッド!!」
そしたら、
「よし、君は勇敢だ。一緒に悪を退治しよう」
って言ってくれたのーっvV
……あ、コラ、ここからがいいところなんだから、どこに行くの!?
最期まで聞いてて。
馬車で悪人を追いかける私たち。
薔薇騎士レンジャー・レッドはきっとこの前にも悪と戦ってたのね。
すでに足を負傷していたのよ。
それでも襲い掛かってくる犯人をあっという間に倒しちゃって……!
目にも留まらぬ太刀捌き!! キャーッ!!
あ、ごめんなさい。つい興奮して叩いちゃった。
犯人を捕えて詰め寄る私にレッドは、
「罪を憎んで人を憎まず」
って言って、犯人を逃がしちゃうの。ニクイ、ニク過ぎるわ。
うんっもう!
ニクニクニクニクニクニクニクニクニクニクニクニクニク!!!
はぁ、うっとり。
「君こそケガはないかい?」
なーんて。
私のケガを心配してくれたり、とっても優しいの。
メイディに酷いことを言っただーれかサンとは大違いね!
なぁに? 本当のことでしょ?
……あ、うん、ごめん、レク。ケンカはいけないわよね。