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レイディ・メイディ 67-14
2008.10.18 |Category …レイメイ 67・68話
ものすごい思われ方をしている教官たちには悪いけれども。
リク『そうか……ただ威張ってみたいだけでゴザルって言ってたのか……うわぁ……うわーあ……』
まだ「拙者は大人でござるからな。むっふー」などと満足げに鼻息を大きく吐き出している小さな教官を見やる。
ずっと先生として見ていたけれど、なんだか案外、自分たちと変わらない気がしてきた。
いや、普段からああいった態度であるわけだが、改めて。
もうこれは間違いない。拙者やゴザルはとってつけただけで、李紅としゃべる彼が本当の氷鎖女 鎮なのだ。
自分のことを「俺」といい、「シズ」と言うのが本当だ。
▽つづきはこちら
リク「無理に背伸びしなきゃいいのに……」 ぼそっ。
鎮「!! しとらんっ!!」
リク「わ、わかったってば。すぐムキにならないでよ」
そのやりとりをアンは鳶色の両眼に映してぼんやりと見つめる。
関係ないとしてみれば、確かに全く恋の匂いすら嗅ぎ取れない。
おバカな先生と生徒のじゃれあい以外の何者にももう思えなくなっていた。
思い込みの膜が剥がれ落ちるとどの辺が疑わしかったのか、すでにカケラも見出せない。
それよりもアンの心を捉えていたのは、先生の素顔という衝撃である。
あまりにもよく出来た顔立ちに、我を失くして見とれてしてしまっていた。
倭国とローゼリッタの混血であるリクとはまた違ったタイプの美形である。
が、引けはとっていない。
比べるのは困難なほど方向性が違っていたので何とも言いがたいが、あとは見る者の好みにゆだねられるところだろう。
平凡な、どこにでもいる小男だなんて嘘だ。
不覚にも胸が高鳴ってぎゅっと締め付けられる思いがした。
リクと二人で並ばれると直視できない妖しい魅力に満ちていた。
……それを台無しにするあの性格とゴザルがなければ。
夢の世界に飛んだ彼女を引き戻したのは、外見にそぐわないあのアホっぷりである。
鎮「ともかくさぁ、これでわかったでござろう。年上美女は幻でどこにもおらぬよ、黒薔薇には」
アン「は、はいっ。す……すみませんでし……た」
落ち着いてくると散々、暴言を吐いて迷惑をかけたことが思い出されて小さく縮こまる。
リク「ホラ、アン。そろそろ戻ろう?」
リクにも呆れられたかもしれない。
穴があったら入りたい気持ちでアンはリクの後ろをついていった。
パニックが収まると改めてジェーンの顔が思い出される。
本当にもう口を利いてくれなくなってしまったかもしれない。
リクが誰にも取られる心配がなかったのだとわかると、他を捨ててまでも独占しようという意欲もやんわりと四散していった。
リク「友達と何かあったのなら、早めに謝ったほうがいいよ」
アン「うっ」
リク「怖ければ俺も一緒に謝ってあげるからさ」
アン「あっ、ありがとう、リク君!」
こうしてあちこち巻き込んだ騒動は幕を閉じる。
どこまで続くかアンの大暴走と思われたが、これにてようやく沈静化。
アンはリクに手伝ってもらった形でジェーンに謝罪し、元の鞘に戻ることも出来た。
ただし、しばらくの間はギクシャクしそうである。
モーリーがついているから平気だろうとリクは心配しなかった。
しかし、他にも解決しなくてはならない問題が残っている。
騒動が大きくなってうやむやになっていた部分。
それはリクが手をつながなかったこと、口づけを拒否したこと。
この問題が解消しない限り、再び問題は表面化するはずだ。
今は申し訳ないアンがおとなしく縮こまっているからいいようなものだが。
それからアンの書く物語には、親友とのケンカとそれを乗り越える健気なアンジーの姿が描かれることとなり、美しい友情編を経て成長してゆく。
男子生徒を手玉に取る魅惑の女性教官は去り、今まで目立たなかった元の教官が実はビン底メガネを取ると美形でアンジーのことを好きなことになった。
リカルドと麗しの教官の間で揺れるアンジーの恋。
……乞うご期待である(?)。
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●Thanks Comments
ありゃ?
13が二個(^_^;)
単純なアン(笑)
この問題をリクがどう解決するのか見物だな~♪
あっ。ありがと^_^;
直しておきます~。
アンは単純ですよー。そして都合がいい。
ある意味、超ポジティブ?
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