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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 66-23

リク『どうしようか、この生き物……ちょっと……』
 
 なでてみたくなる。
 よしよし。
 で。
 なでると怒る。
 シャアァー!と奇声を発して両手を振り回す。
 
リク「あっはははは」
鎮「なでてはいかぬっ! 無礼者っ!」

▽つづきはこちら

 教官用の宿舎は基本的に学徒は立ち入り禁止であるが、個人的な相談の場合は教官同伴の元、開放されることがある。
 大抵は翌日、執務室に来なさいと返されるのであるが、教官も人間だ。
 やはり悩んでいる生徒を放っておけず、部屋に引き入れて聞いてやることも少なくはない。
 こっそり部屋まで訪ねてくるのは、伸び悩んでいる者や人間関係に心を痛めている者がほとんど。
 ちなみにシズカ=ヒサメさん。
 ほとんど尋ねてこられたことはない。
 何故なら、頼りにされていないから……
 正面から頼りにされるのは正直、苦手なクセに頼られると割とハリキる。
 でも。
 頼りにならない。
残念ながら、生徒たちの彼を見る目は確かだった。
 部屋にリクを連れてきてから、鎮は「おや?」と思った。
 恋愛相談になど、乗れるわけがないじゃないかと。
 
鎮『しまったぁぁー!!!!』 ぎっくー。
 
 濡れねずみになったうすらデカイ生徒にタオルを渡す。
 
鎮『どうしよう。うっかりイキオイづいて頼りになるだなんて嘘ぶっこいちゃった! 片思いで悩んだことはあっても解決できた試しなんて1回もねーっ!!!』
 
 あわあわ。
 教官のあせりもよそに、リクは頭の水滴を乱暴にタオルでふき取りながら部屋の中を眺めた。
 初めて踏み込む個人部屋だが、執務室と変らず人形だらけで異様だ。
 
鎮「そうだ。飯を食べておらぬな。今、残り物をとってくるでござるよ!!」
リク「あ、すみません」
 
 そういえば、さっきから腹の虫が悲鳴を上げている。
 鎮は考える時間を作ろうといそいそと食事を取りに走った。
 けれどいくら考えようとも、話の内容を聞いていないのだから答えが浮かびようもない。
 
鎮『いざとなったら、みっちー殿を召喚するしかない!! なんかヤツもモテなさそーな予感満載に見えるがあれでいて婚約者がいたらしいしな! 世の中わからぬものよ。ヴァルト殿は……アレはダメだ。ナーダ殿を怒らせることが必殺技では、聞いても無駄っぽい。……アレか? 妻子持ちのアゴか? いやでもアゴが青春真っ盛りなんて30年も前だぞ!? もはや枯れ木。っていうか、いかに自分がモテモテ天国だったとか奥方いないのいいことにでっちあげて自慢話が始まっても面倒だし……ニケ殿は論外であろうなぁ。枯れ木どころか化石だわ』
 
 食堂で残り物をバケツに放り込みながら、彼は真剣に失礼なことを考えた。
 
食堂のおばさん「シズカちゃん、またお兄さん来てるの? その残飯……」
鎮「んーん。兄はもう来ません。その節はお世話になりまして」
 
 せっせ、せっせと猫まんまづくり。
 
教官用・食堂のおばさん「いいけど……そんなにいっぱい誰が? ペット飼うのは厳禁よ。ここじゃ」
鎮「生徒が来ておるのでござるよ」
おばさん「その生徒さん……たぶん混ぜないで欲しいなーとか思うんじゃないかしら」
鎮「大丈夫! 食いしん坊だからっ!」
 
 おずおずと意見してみるもあっさり元気いっぱいに返される。
 この様子ではまったく理解していなさそうだ。
 
おばさん「……そ……そう? 自信満々ね……。おばさん……どうしてシズカちゃんのところに誰も尋ねてこないのか何だかよくわかった気がするわ……」
鎮「?」
 
 最後にスープをかけてできあがりっ☆
 でもちょっと味見してみたりする。
 もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ……
 
おばさん「ねぇ。生徒さんのじゃなかったっけ?」
 床に置いたバケツの前にしゃがみこみ、いつまでも無心に食べて続けている丸い背中を軽く叩く。
 口の周りにご飯粒をつけた顔でびくりと反応。
 
鎮「あっ! いけない! うっかり腹いっぱいでござる! うん、見た目はアレだが、なかなかイケる!」
おばさん「………………………………」
    『……大丈夫かしら……生徒さん……』
 おばさん、やたらと心配だ。
 
鎮「片付けの最中失礼致した。では御免!」
 
 ちゃっちゃかバケツを揺らして走り去る。
 部屋に戻って扉を開くと裸の男がいて、鎮は固まってからゆっくり扉を閉めた。
 
鎮「……失礼しました……」
リク「わぁ、待って、待った! 何で逃げるの!? ご飯っ!!」
鎮「……ウチにはそんな変態はイマセン」
リク「へっ……変態っ!? ち、ちがっ……だってしょうがないじゃん! 濡れたままでいられないし! 先生の衣類借りようと思ったらつんつるてんだしっ。……それよりご飯ちょうだいよ~。ハラペコだよ~」
鎮「つんつるてんで悪かったな」
 
 ようやく扉を開けて踏み込み、バケツを差し出す。
 
鎮「はい」
リク「……ハイ?」
 
 受け取って目を丸くする。
 
鎮「ご飯」
リク「………………………………忘れてた……」
鎮「何が?」
リク「いや……何も……」
 
 ずぅ~ん……
 そうだった。実兄にも確かこの残飯飯を与えてたっけ。
 たぶん、混ぜる前はちゃんと食べられる品だったソレは見るも無残な家畜の餌と化している。
 これを食べよというのか。
 ちらりと教官を見やるとその口の周りには、ご飯粒がっ!!
 
リク『食べてるしっ!!!』
鎮「結構、イイカンジ」
リク「そ……そう……です……か」

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●Thanks Comments

ヒサメっちよ・・・(笑)

もうっもうっどんだけ天然なんだっ可愛ゆす(^.^)
・・・幼稚園児レベルってどんだけ(笑)
今天国ですゎ・・・ぁーヒサメっち・・・愛して良い?
レイメイに望が登場したらヒサメっちのことしか考えないですよ?
リクのことばっかのアンに負けないくらい!!←痛いからヤメナサイ


そして扉を開けると裸の男・・・少女マンガのよくあるシーンでは
ないですかっ!?∑(゜∀゜)
それをリクとヒサメっちでやってしまうのがゼロさんクオリティ(笑)

From 【望.2008.10.08 11:36編集

もう、人間を超越して、

ただのペットです。動物です。氷鎖女 鎮(22)
現代でいうところの大学4年生。
……ダメだ。人として。
望ちゃんが呪い解いてくれるってさ。よかったな(笑)

扉を開けると裸の男。
でも悲鳴を上げて顔に黒斜線入ってカーッ!とかならないのが、リクと鎮です。
このアホが!とか思っているだけですよ(笑)

From 【ゼロ】2008.10.08 12:50編集

え?飼っていいの?笑

精神年齢が小学生以下(笑)
だけど22歳。私より年上っ!?∑(゜∀゜)
お前の顔についてる顔を食っちゃるわ!!←


少女マンガだ・・・展開だけならど真ん中の少女マンガだ(笑)

From 【望.2008.10.08 13:07編集

けど、しつけはなっていません。

凶暴なのでご注意下さい(笑)
でも相手がちゃんとした女の人ならモジクサモジクサしているからおとなしいかも。

少女漫画展開この後も続きますよ。
ミスキャストのまま(笑)

From 【ゼロ】2008.10.08 13:12編集

モジクサ・・・!

萌え!!笑っ

ぁ、でもちゃんとした女の人じゃないから凶暴なまんまだ(大笑)
飼い慣らしましょう!主に餌で!次に愛(爆)

From 【望。】2008.10.08 13:19編集

餌一番かいな(笑)

でも正解だ!
しかしいくら餌付けしても細胞分裂シマセン(笑)
現在進行形でフェイトが一生懸命、餌を与えていますが、大きくなっている様子もございません。
残念☆

From 【ゼロ】2008.10.08 13:26編集

あいたー

アメーバみたく、増やして鎮タン王国作ろうと思ってたのに←痛いって


よし!早速ヒサメっち飼育絵日記を描こう!(大笑)

てかフェイト懐かしい(笑)元気?

From 【望。】2008.10.08 13:33編集

なんだか...

ジェーンとモーリが可哀想(>_<。)アン、リクの事しか頭になくて本当に一番大切なもの(人)をなくしてしまいそうだよ?
彼女であるのにリクの行動、言葉、仕草 にショックを受けた気持ちもわかるけど....彼氏と同じくらいジェーンとモーリが大切だという存在が早くわかればいいね。(^-^)
に.....してもヒサメ先生、またしてもバケツにリクのご飯作ってるし、食べてるし。(笑)

From 【あっぴ】2008.10.08 23:58編集

恋は盲目。

アンは集中すると周りが見えなくなるタイプです。
家庭に入れば落ち着いていい奥さんになるかもしれませんが、今は燃え上がってしまっていてダメです^_^;

From 【ゼロ】2008.10.09 00:06編集

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