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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 61-19

鎮「あっ、おっ、わっ……」
リク「とっ、ととととっ!」
 
 走って荷物を受け止める。
 ついでに転びかけたヒサメ先生の帯をつかんで止めようとしたら、お兄さんの手が先にそれをこなした。
 ただし、つかんだのは襟首で先生は首が絞まり、口をパクパクさせてもがいている。
 
偲「………………」
人形「だから言ったのに」
リク「世話かけないで下さいよ~、もー」
鎮「むぐ……」
 
 伸びた襟元を正し、リクの手から荷物をひったくって、
 
鎮「平気だったのでござるっ!」
 
 ぷいっ。
 二人に責められてスネてしまった。
 

▽つづきはこちら

リク「全然平気じゃなかったし……」
鎮「フーン」
リク「言ってくれれば、俺が荷物くらい……。ていうか、お兄さんに手伝ってもらわないんですか?」
偲「………………」
人形「鎮は自分で出来るって聞かないのでござる。そんでもって、このザマ。ぷっくくく」
鎮「ウルサイわ」
アン『もー! また先生!? ヒサメ先生ってどうしてこうタイミング悪いのかしら……それに周りからチヤホヤされてばっかり! 荷物なんかお兄さんに持ってもらうか、2つに分ければいいのに。そのくらいもわからないの!? 困っていれば誰かか助けてくれると思っているんでしょ。何故か最近はあのフェイト君にも餌付けされてるし! だいたい小さい小さいって小さいってことをウリにしているみたいだけど、それほどでもないじゃない? あのくらい、女の子ならいるわよ』
 
 いいところで邪魔が入ったアンとしては、怒りの矛先がついついリクお気に入りの担任に向いてしまう。
 本当は悪くないとわかっているのだけれど、リクがあんまり向こうを構っているように見えるから腹立たしくなってしまうのだ。
 用が済めばアンのところに戻ってくるのだから目くじらを立てる必要もなさそうだが、彼女にはまだ余裕がない。
 
アン『そ、そうだ。私も転んでみよう!』
 
 浅はかなことを考えて、アンはリクの後を追って走り、わざとつまずいて見せた。
 ここでリクが駆け寄って抱きとめてくれるハズだった……が。
 
リク「アン!」
鎮「ややっ!?」
 
 受取った荷物を取り落とす。
 
偲「…………」
 
 スローモーションで倒れ掛かるアン。
しかし、助けに入ったのはリクより鎮の方が早かった。
 なんて邪魔!
 しかも止め方が……
 つまずいてよろけたアンと床の間に素早く刀を立てたのである。
 ガツッ!
 ……アンのおでこに刀の柄尻が直撃。
つっかえ棒となって止まった。
 
鎮「大丈夫か」
 
 しゃがんで下から覗き込む。
 
アン「……………………」
 
 転びはしなかったけど、痛い。
 おでこが。
 
リク「アン……」
 
 遅れてリクが到着したが、気まずそうに先生を見下ろしている。
 
リク「あのさ……先生はさ、もう少しホラ……あの……」
鎮「良かったでござるな、怪我がのぅて」
アン「ありが……と……ございま………………」
 
 ……なんと言ったらいいだろう。
 助けてもらったけど、嬉しくないばかりか被害拡大。
 これなら転んだほうがまだ痛くなかったような気が……?
 もう怒って怒鳴り散らしたくてどうしようもなかったが、リクの手前、それもできずに打ち震えるアン。
 どうしてこの人は自分の邪魔ばかりするのだろうか?
 何の恨みがあって……いやいや。わかっている。そんな含みなどない。
 彼はタイミングが悪くて常識のない可哀想な大人なだけなのだ。
 
アン『お、落ち着いて、アン! 先生だって私たちのことを応援してくれているんだし、お兄さんがいるんだから、リク君とられたって邪魔しに来ているワケじゃないのよ。アホなの! アホなだけなの、この人は!! 女の子助けるのに抱きとめるとかいう発想が出なくて、とっさにつっかえ棒で助けたつもりMAXになっちゃうダメな人なだけ!! ああああっ! でも頭にくるー!! なんでこうもバカなの、この生き物わぁぁぁ!!!!』
 
 心の中で怒りが渦巻いていても自動スマイルで大丈夫だと言ってしまう自分が悲しい。
 
リク「ごめんね、逆に痛かったよね。俺がもっと早ければこんな面白おかしいことには……」
アン「う、ううん、いいの」
 
 赤くなった額をさする。
 
鎮「そか。大丈夫ならよかったな」
アン「は……はぁ」
  『良くないもんっ!』
鎮「では、拙者はこれで」
偲「…………」
人形「これで」
 
 また教材を重ねて持ってあっちフラフラこっちフラフラしながら行ってしまう。
 すっとぼけた先生はナチュラルに邪魔で困る。
 
アン『んもーっ!』

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●Thanks Comments

先生!

モーリーVSシラーの所とかも思いましたが、
もう、世界名作劇場を見てる気分です
ジェーン、モーリー、アンの3人が出てくると、いつもそんな気分で見てます

ヒサメ先生、ほんとお茶目だなぁ
あれで助けたつもりなんだもん(笑)
それにしてもアンも言いすぎです(笑)

From 【雲】2008.08.27 09:49編集

そんなカンジ(笑)

世界名作劇場! そんなつもりで書いてます。エヘ(笑)
ギャー、ちょっと嬉しい☆

アン、アフォなヒサメ先生に乙女の怒り大爆発です。
でも鎮がバカなのがいけないのです(笑)

From 【ゼロ】2008.08.27 10:43編集

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