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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 7-4

 画面変わって、試験官室。

 

ニケ「ヒサメのクラスは一体なんなワケ? クレスに、それからさっきのは……」

氷鎖女「リク=フリーデルス」

ニケ「リクか」

アイビー「リク……ねぇ」

ニケ「あと、それには及ばないけど、このコも半年しか経ってないとはとても思えない魔法弾の威力だ

 

 今、試合をしているアンが壁に映し出されている。

 いつもどこか自信なさげな彼女が放った魔法の威力は対戦相手の比ではなかった。

 自分の力に驚きを隠せないでいる三つ編みの少女・アン。

 

氷鎖女「彼女だけではナイでござるよ」

ナーダ「ずいぶんな自信じゃない?」

氷鎖女「勝ち目のない戦には挑まない主義でござる」

ヴァルト「己の首をかけているからにはなぁ」

氷鎖女「然様」

 

 自分の教え子たちを次々と倒された黒魔術教官たちが苦い顔をしている。

 

ナーダ「あのリクって子もずいぶんな魔法を隠し持っているじゃない?」

氷鎖女「いや、アレは2つしか教えていない基本魔法の内の、防御だけでござるよ」

ナーダ「なんですって? 四方八方に魔法が一度に飛散してたわ。攻撃魔法でしょ?」

ヴァルト「攻撃魔法にしたって初期であそこまでコントロールできるものなのか……」

アイビー「いや、アレは確かに基本の黒魔術結界だね」

 

 教官たちの会話に割って入る。

 

氷鎖女「ん、わかったか。さすがは黒の正騎士殿」


▽つづきはこちら

 結界は白黒共に存在しているが、広範囲を鉄壁の守りで固める術をやってのけるのは白魔術の方だ。

 対する黒魔術は自分とその周囲、せいぜい数メートルくらいの範囲しか守る魔法がない。

 その代わり、相手の魔法を跳ね返す特性を持っていた。

 守りと回復のスペシャリストは白、より攻撃的な大砲的役割を担うのが黒という具合に薔薇の騎士団では別れている。

 

アイビー「つまり、(リク)は通常の結界の表面を乱して相手の魔法攻撃を乱反射させたんだ。……ま、キレイに結界を張れなくてたまたまマダラになっただけかもしれないけど?」

ニケ「あれはたまたまなんかじゃないよ。狙ってた。……そうでしょ、ヒサメ」

氷鎖女「ああ。そうだ」

 

 短く答え、額あてを少しずり下げてニヤリと笑う。

 

氷鎖女『リク=フリーデルス……拙者と学徒共とで一度手合わせしたのを見ていたな。自分は参加せずに』

 

 一度見ただけで普通では気がつかないような細かい技術を盗むとは大したものだ。

 

氷鎖女『実でいきなり使ってくる度胸もかってやろ』

 

 可能性があるならば誰をあげよというのであれば、一人はクレス=ローレンシア。

 もう一人は……そう、リク=フリーデルスだ。

 リクの行った試合内容について論じているうちにアンが勝利を収めた。

 勝った本人がぼんやりとして自分の両手を見つめている。

 

アン「……リク君……勝ったよ……。……先生、ヒサメ先生、勝った!」

 

 時間をかけてゆっくりと己の勝利を確信したアン。

上るときとは逆に満面の笑顔で階段を駆け降りる。

 

アン「勝った! リク君、勝った!」

リク「おめでとう」

メイディア「あら、やりますわね」

ジェーン「すごいじゃない」

クレス「………………」

   『な、なかなかじゃん』

 

 ぷいっ。一人、そっぽを向く。

 

アン「先生は?」

ジェーン「見当たらないけど」

アン「そう……」

 

 アンに続き、氷鎖女クラスの学徒は2種類だけの魔法で勝ち進む者が多数にのぼった。

 現在はスクリーンにメイディアと対戦相手の少女が映し出されている。

 

ナーダ「ヒサメの担当した学徒たち、強いじゃないの」

氷鎖女「うむ。ウチの子らは強いでござるよ」

黒の教官・レヴィアス「あんな才能のある連中が固まって同じクラスになるとは運が良かったですな、ヒサメ殿」

氷鎖女「……そうでござるな」

黒の教官・レヴィアス「彼らのお陰で首がつながったようなものだ。感謝しませんといけませんね」

氷鎖女「うん、確かに」

アイビー「ちょっと。それ、違うんじゃない? 皆が皆強いってコトはさぁ、要するに……」

氷鎖女「なに、構わぬでござるよ、アイビー殿。彼らの力には違いないでござる」

アイビー「……そ。アンタがいいならいいんだけど」

氷鎖女『よくぞついてきてくれた。わけのわからぬ退屈な修行だったろうに』

 

 他のクラスが多彩な魔法を習っている間に、彼らはひたすら魔力増強授業を受けていたのだ。

 水晶に魔力を延々と注ぎ続ける訓練。

 何もしない訓練と皆が呼んでいた瞑想は、精神統一し集中力を高める訓練。

 そして毎朝の赤青の剣士を目指す学徒たちと同じように走り込みをさせられた鬼マラソンは、持続力につながっていた。

 魔法の種類こそ少ないが、確実に操れるだけの土台作りから入ったのである。

氷鎖女率いる学徒たちは。

 本人達は何をやらされているのかわかっていないままではあったが。

 軽んじて不真面目にしていた者はやはり、この試合で負けている。

 それを魔法を教えてくれなかったせいにして憤慨(ふんがい)していた。

 不信に思いながらもとりあえず言われたことをやっていた者は勝率が高い。

 わからない。けれどとにかくがむしゃらに黙々と努力した者は完全に抜きん出ていた。

 勝てた学徒たちは一様に、自らの思ってもみなかった力に驚いているようだ。

 ここで自分には大いなる才能があったに違いないと思う者とあの退屈な指導にはこんな裏があったのだと今までしてきたことの本当の意味に気づく者とでまた2つに分かれる。

 これが今後の道を隔てていくことになるだろう。

 必ずしも、それだけではないが……

 

メイディア「ワタクシはメイディ! メイディア=エマリィ=シャトー!」

 

 会場に上がるなり、始まった。

 例のアレだ。

 

 試験官室で、ヴァルト「な……何なんだ、アレは?!」

氷鎖女「気にしないで下され。悪い病気でござる」

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●Thanks Comments

ヒサメ組、快進撃!

盛り上がってきて楽しい~♪
はたしてメイちゃんは強いのか最弱なのか…?

From 【 ぱんだ】2007.11.04 22:52編集

メイディアはえーと。

ビミョウ……

From 【北】2007.11.04 22:56編集

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