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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 42-23

 メイディアから馬を譲られたレクとクレスは急ぎ、現場へと向かう。

 そこではとうとう男がクロエを人質にナイフを当てているところであった。

 

男たち「それ以上、近寄るな!! 剣を捨てて、馬から降りろ!」

   「そっちもだ!!」

 

 やってきたレクたちにも怒鳴りつける。

 

レイオット「言うこと聞いて。クロエが危ないわ」

フェイト「……ふん」

 

 剣を捨てたレイオットとフェイト。だが、二人の口元には小さく確信めいた笑みが浮かんでいる。

 なぜなら。

 たった今、リクの光の呪文が完成したからだ。

 男たちの目の前に強い光が弾ける。

 

男たち「ぐあっ!?」

   「目が!」


▽つづきはこちら

リク「今だ、二人とも!!」

 

 レイオット、フェイトの両名が捨てた剣を素早く足先ですくい取り、男たちに躍りかかった。

 

男たち「おのれっ!」

   「うおっ!?」

 

 馬がいななき、暴れまわる。

 犯人たちはたまらず振り落とされた。

 クロエは馬体に縛りつけられていたため、すぐに落ちることはなかったが、縄がゆるんできてしまっている。

 振り落とされるのも時間の問題だ。

 落ちないように馬に縛られているのとはまた別に、手足の自由も奪われているので、受け身を取ることもできない。

 

レク「マズイ!!」

レイオット「クロエっ!!」

フェイト「ちぃっ!!」

クロエ『おっ、おっ……落ちるしぃ~っ!! キャアー!!

 

 ぐらり。

 クロエの体が傾いた。

 

フェイト・リク「クロエーッ!!」

 

 同時に叫んで落ちたクロエをフェイトとリクが受け止めようと走り込む。

 

フェイト「うっ!」

リク「ぐっ!」

クロエ「んーっ!!」

 

 三人が衝撃にもつれて共に転がった。

 

レク「皆!!」

 

 レクとクレスが馬で駆け寄る。

 

レイオット「犯人が逃げる!」

 

 追いすがって、回り込む。

 

レイオット「観念しなさい。正義の制裁、レインボゥ☆スペシャル斬りをお見舞いするわよ!?」

 

 剣の切っ先を向ける。

 当然、正義の制裁、レインボゥ☆スペシャル斬りとは、薔薇騎士レンジャーの必殺技だ。

 剣を手にするとすぐその気になってしまう、困った18歳乙女がレイオットである。

 別の方向に逃げるあとの2人は、レクが押さえ込んだ。

 

レク「もう馬もない。あきらめて。逃げたとしても、魔法が背中を追う」

 

 観念したのか、男たちはその場に座り込んだ。

 クロエを縛っていた縄で今度は犯人一座を捕らえる。

 

フェイト「クロエ、無事か?」

クロエ「ありがとう、皆。メイディは?」

リク「心配ないよ。それよりケガの手当てをしないと……」

クロエ「うん、平気……」

 

 安心して力が抜けたのか、ふらりと倒れ込むのをフェイトが支える。

 

フェイト「帰ろう、もう大丈夫だ」

 

 レクが借りていた馬は死んでしまったが、驚いて遠くまで走り去っていた敵の馬3頭を回収して、併せて7頭。

 気を失ったクロエ、犯人グループ4人、置いてきたメイディアとナツメを拾っても十分である。

 

 

 明け方、町に到着。

 クロエとメイディアは急ぎ、治療を受けることになったが、擦り傷と殴打、それと少しの切り傷だけで大事はないとのこと。

 薔薇の騎士団詰め所で2人の治療が済むのを待つ6人。

 来客用の部屋なのか、殺風景な室内に2人掛けの椅子がテーブルを挟んで向かい合わせに置いてあるだけだ。

 窓は小さく一つだけ。

 レイオット、氷鎖女、リクの3人は椅子に腰を下ろしており、フェイトは腕を組んで壁に背中を預けている。

 クレスは室内を行ったり来たり落ち着きなく歩き回って、レクは一つしかない小さな窓から外を眺めていた。

 

レイオット「クロエったら、ひどいアザだったわ。女の子の顔を殴るなんて許せない! もっと正義の鉄拳アンビリーバボーショックを食らわせてやればよかった!!」

 

 憤慨した様子でレイオットは拳を握った。

 ちなみに正義の鉄拳アンビリーバボーショックとは薔薇騎士レンジャーの……(以下略)

 

クレス「犯人は結局、何の目的でクロエなんかさらったのさ?」

 

 クレスが足を止める。

 

氷鎖女「……………」

フェイト「さぁな。俺たちに詳細を教えてくれそうもないし。……しかし、前回もこんなだったな」

リク「前々回もね」

 

 フェイトの言葉にリクが付け加える。

 

レク「クロエに何があるんだろ?」

フェイト「だから、人違いなんだろ。クロエの兄さんが言ってたじゃないか」

レク「そうだけど……」

 

 言いよどむレク。

 

氷鎖女「……な」

 

 それまで黙っていたナツメが音声を発したので、全員が注目した。

 

氷鎖女「何で、クレスはその……あれ?」

 

 全員の視線が今度はクレスに注がれる。

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