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レイディ・メイディ 39-7
2008.05.09 |Category …レイメイ 39-41話
モーリー「………………。……ねー、二人とも、なんか変な宗教みたいだから、そーゆーのよせばぁ? ……キモーイ」
アン「……え?」
不満渦巻く想いから引き戻されて、顔を上げる。
シラー「……………………」
一瞬、シラーの鋭い視線が走ったが、モーリーはあえて鈍感なフリを通した。
モーリー「んーん。別にィ。おんなじ言葉繰り返すからー。ちょっと怖いとか思ってみただけ」
「あとはアレよね。メイディが人気がある人にチヤホヤされる理由? 女の子から好意を寄せられるのに慣れてるリッ君には、珍獣メイディが珍しいとかぁ。レイ様もそういうカンジじゃないのって。皆言うこと聞くけど、彼女、つっかかってくるしィ。目立つのは目立つよー? 少なくとも皆と同じラブレター1枚書くよりはねー」
アン「う……」
ジェーン「たまに鋭くて怖いわ、モーリー」
モーリー「だって、伊達にハタチ前じゃないもーん♪」
全員「…………ハタチ前?」
モーリー「……あ。」
サバ読んでいるのを忘れてうっかり。
モーリー「んーん、別にィ。なんでもナーイ」
▽つづきはこちら
丁度よいところに同じ白薔薇クラスの友人が前を通ったので、その腕をからめて一緒に歩き出す。
モーリー「じゃーね。あたし、白薔薇だからー」
そそくさと逃げ去る。
ジェーン「じゃ、私たちも行きましょ」
同意して教室に向かいながら、
シラー「うーむ。そうするとメイディから引き離すにはどうしたらいいか」
ジェーン「どーせくっつきっこないから平気よ……。何、マジになっちゃってんの?」
シラー「あら、だって私はアンの味方だもん。ノート破られたのよ。あんまりだわ」
アン「あ、ありがとう、シラー」
『なんて頼りがいのある友達なのかしら、シラーったら!!』
感激してシラーの手を取る。
廊下の隅を適当に見つけて固まっていた4人は、こうして午後の授業開始の前に解散した。
白薔薇女学徒「何かしゃべってたけど良かったワケ?」
モーリー「うん、いいのー」
始業の鐘が鳴り始め、一緒に駆け足。
モーリー「あのさー、ミレイ。あたし、シラーってあんまり好きじゃないのよー」
白薔薇女学徒「はぁ?」
モーリー「シラー、あたしとおんなじ裏路地の匂いがするー」
白薔薇女学徒「なによ、それ?」
モーリー「今、いい顔してても、立場が変わればあたしとは距離をおくようになると思うんだなー。あたしみたいのと付き合ってもボロが出るだけで得にならないし、たかられるってわかってるから。今に皆、手下にされるよー? アンも利用されなきゃいいけどぉ~」
白薔薇女学徒「………………」
モーリー「比べればメイディがそのままお嬢様のがあたしとしては得かもねー。だって、メイディは一度慣れれば手のひら返さないもん、世間知らずでお馬鹿だから」
白薔薇女学徒「アンタにバカといわれたらおしまいね」
モーリー「そうよー。あたし、頭は良くないんだ。でも、嗅覚はいいのよねぇ」
たわわな胸を重たそうに揺らして、裏路地の娼婦娘は階段を駆け上がった。