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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 39-7

モーリー「………………。……ねー、二人とも、なんか変な宗教みたいだから、そーゆーのよせばぁ? ……キモーイ」

アン「……え?」

 

 不満渦巻く想いから引き戻されて、顔を上げる。

 

シラー「……………………

 

 一瞬、シラーの鋭い視線が走ったが、モーリーはあえて鈍感なフリを通した。

 

モーリー「んーん。別にィ。おんなじ言葉繰り返すからー。ちょっと怖いとか思ってみただけ」

「あとはアレよね。メイディが人気がある人にチヤホヤされる理由? 女の子から好意を寄せられるのに慣れてるリッ君には、珍獣メイディが珍しいとかぁ。レイ様もそういうカンジじゃないのって。皆言うこと聞くけど、彼女、つっかかってくるしィ。目立つのは目立つよー? 少なくとも皆と同じラブレター1枚書くよりはねー

アン「う……」

ジェーン「たまに鋭くて怖いわ、モーリー」

モーリー「だって、伊達にハタチ前じゃないもーん♪」

全員「…………ハタチ前?」

モーリー「……あ。」

 

 サバ読んでいるのを忘れてうっかり。

 

モーリー「んーん、別にィ。なんでもナーイ」


▽つづきはこちら

 丁度よいところに同じ白薔薇クラスの友人が前を通ったので、その腕をからめて一緒に歩き出す。

 

モーリー「じゃーね。あたし、白薔薇だからー」

 

 そそくさと逃げ去る。

 

ジェーン「じゃ、私たちも行きましょ」

 

同意して教室に向かいながら、

 

シラー「うーむ。そうするとメイディから引き離すにはどうしたらいいか」

ジェーン「どーせくっつきっこないから平気よ……。何、マジになっちゃってんの?」

シラー「あら、だって私はアンの味方だもん。ノート破られたのよ。あんまりだわ」

アン「あ、ありがとう、シラー」

  『なんて頼りがいのある友達なのかしら、シラーったら!!』

 

 感激してシラーの手を取る。

 廊下の隅を適当に見つけて固まっていた4人は、こうして午後の授業開始の前に解散した。

 

白薔薇女学徒「何かしゃべってたけど良かったワケ?

モーリー「うん、いいのー

 

 始業の鐘が鳴り始め、一緒に駆け足。

 

モーリー「あのさー、ミレイ。あたし、シラーってあんまり好きじゃないのよー」

白薔薇女学徒「はぁ?」

モーリー「シラー、あたしとおんなじ裏路地の匂いがするー」

白薔薇女学徒「なによ、それ?」

モーリー「今、いい顔してても、立場が変わればあたしとは距離をおくようになると思うんだなー。あたしみたいのと付き合ってもボロが出るだけで得にならないし、たかられるってわかってるから。今に皆、手下にされるよー? アンも利用されなきゃいいけどぉ~」

白薔薇女学徒「………………

モーリー「比べればメイディがそのままお嬢様のがあたしとしてはかもねー。だって、メイディは一度慣れれば手のひら返さないもん、世間知らずでお馬鹿だから」

白薔薇女学徒「アンタにバカといわれたらおしまいね

モーリー「そうよー。あたし、頭は良くないんだ。でも、嗅覚はいいのよねぇ

 

 たわわな胸を重たそうに揺らして、裏路地の娼婦娘は階段を駆け上がった。

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