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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 37-3

レク「メイディ、メイディってば」

メイディア「そんなに大声で呼ばなくても聞こえています。何か御用?」

 

 ようやく足を止めて振り返る。

 

レク「なんだよ、ゴキゲンナナメだな」

メイディア「別にナナメじゃございませんことよ。ただ、お話したい気分ではないだけです」

レク「一緒に教室まで行こうよ。ニケ先生じゃないの?」

メイディア「ワタクシとおりますと後ろ指指されますわ」

レク「そんなの、関係ないよ」

メイディア「あります。ワタクシが嫌なの。話しかけないでちょうだい」

フェイト『そら来た』

レク「ああ……」

 

 ピシャリとはねつけられて、肩を並べて歩幅を合わせていたレクがその速度を落とした。

 


▽つづきはこちら

フェイト「こんなこったろうと思った」

レク「うっさいなー」

 

 本日、4回もフラレたレク。けれど、こりない彼は昼休みに金髪巻き毛の少女の姿を探して校内をさまよっていた。

 と。

 

レク「ああっ!!?」

 

 ふと窓の下に視線を落とせば、目標物発見!!

 階段を駆け下りて、何やら一人、しゃがんでモソモソしているメイディアの下へ。

 

レク「はいはいはーい。蟻さんをイジメないっ!!」

 

 相手の手首をつかんで万歳のカッコウをさせる。

 

メイディア「イジメてません。掘っているだけ」

 

 青く、どうかするとこぼれてしまいそうなほど大きな瞳が、自分を捕まえた人物を見上げる。

その右手にはシャベル。

それから、横には水をなみなみ汲み入れたバケツが…………

 何に使用するかといえば、それはもう。

 

レク「掘って? その水を流し込む…………と」

メイディア「そう!! そうなのっ」

 

 こともあろうか、少女は蟻の巣を侵略しようとしている!!

 さも嬉しそうに表情を輝かせる彼女には申し訳ないが、レクはため息混じりにシャベルを取り上げるしかなかった。

まさか一緒になって興じるわけにもいかない。

 

レク「コーラッ。蟻が可哀相だろ。…………確かに面白いけどさ、ダメだよ、やっちゃ」

 

確かに、自分もやった記憶はある。

双子の兄・エクルと一緒に大喜びで蟻の巣を襲撃。

かといって、今、メイディアの凶行!?を見逃すわけにもいかない。

 

レク『子供って残酷だからなー……』

 

 当時の蟻さんゴメンナサイなどと心の中で無駄な合掌なんかをしてみる。

 

メイディア「大丈夫です。出てくるから」 しれっ。

レク「…………そーじゃなくてぇ…………」

 

 遊んで夢中になっている最中のメイディアは、変に強がっていないためにレクを遠ざけようとはしないようだ。

 今なら話せる絶好の機会か。

 

レク「あのさぁ、メイディ。今、色々無理してない?」

メイディア「してませんわ。どうして?」

レク「クレスが…………」

  「…………クレスが」

 

「僕はお前たちの言いたいことを代弁してやっただけなんだから、これが僕の考えとか思うなよな!! 誰かに言ったら承知しないぞ!! 絶対だからな!!!」

 

 頭の中で今朝のクレスが念を押して再び叫んだが…………

 

レク「クレスがメチャメチャ心配してたよ」

 

 にっこぉ~☆

 レクは思いっきり無視しくさった。

 

メイディア「嘘」

 

 見え透いていると軽蔑の響きで一刀両断。

 

レク「ホントだってば。クレスはメイディがクラスで悪い噂流されて、いたたまれなくなってクラス替えを申し出たんじゃないかって、怒ったり心配したりしてたんだから」

 

 つかんだ手を離す。

 

メイディア「ふんっ。違います。そんなことでこのワタクシが退くものですか」

レク「え、違うの?」

  『正解だと思ったのにな』

メイディア「当然ですわ。そのようなことでワタクシが泣き寝入りするとお思い? ワタクシは、かのメイディア=エマリィ=シャトーですのよっ!! オーッホホホ!!!!」

 

 泥だらけの手を口元にあてがって、必殺高笑い。

 

レク「わぁ……」

 

一見、酷く鈍感で何も感じていない無粋者か、または全てを無視できる石の心の持ち主。

彼女をそんな風に思っている人間が大半だろう。

けれどレクは考える。

彼女はそんな単純な女の子でないハ、ズ………………………………?

 

レク『いや…………もしかしたら…………』

 

 皆の言う方が正しいかも!!?

 

レク『いやいや。そ、そんなハズは…………っ』

 

 振り払うように頭をふる。

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