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レイディ・メイディ 30-16
2008.04.11 |Category …レイメイ 30話
メイディア「う……ううう……優勝できなかったぁ~あぁ~」
レイオット「いいじゃない、2位でも十分、立派よ」
なぐさめて肩に手を置く。
メイディア「だったら1位を代わってちょうだいっ!!」
その手をはじく。
レイオット「そ、それはできないけど……」
メイディア「代わってくれないなら気休めなんてよしてっ! 2位もビリもこれなら同じことですわっ!」
レク「それは違うよ、メイディ。俺たちはたまたま、先にヒルコたちがゴールについてたから1番になれたんであって、メイディやステラたちとも一緒に来たんだから、実力差はなかったんだよ」
的外れな言葉をかけるレクとレイオット。
▽つづきはこちら
今回に限っては力の差云々ではないのだ、メイディア的には。
運命の王子様(彼女が言うには)と結ばれるか結ばれないかの瀬戸際だったのだから。
メイディア「ふぇーんっ! ミハイルぜぇんぜぇ~っ!! わーんっ」
レク、レイオット顔を見合わせて、互いに目で笑う。
レイオット「ホラホラ、メイディ、泣かないで?」
レク「そうだよ、また素敵な人が現れるよ」
二人がかりであやす。
クロエ「でもウチのお兄ちゃんのところには戻って来ないでよね」 笑顔でちゃっかりクギを刺す。
ステラ「コラ、追い詰めるような発言しない」 軽くクロエを叩く。
フェイト「…………………………ま、こんなもんか」
それらを眺めていたフェイトが小さくつぶやいた。
クレス「僕は負けたと思ってないからね、言っとくけど!」
勝ち気なクレスはリクに向かって鼻息荒く言い放っていた。
リク「うん。俺も勝ったとかそういう風には思ってないよ。下手したら、谷底でペチャンコになってたところだしね」
今度こそと意を決して、アンがリクに謝ろうと近づく……が、アンと同じ班のミレーヌとリクと同じ班のシラーが先にやってきて、口々に労をねぎらい始めてしまう。
ミレーヌ「やっだー! なぁに、この包帯! ケガしちゃったの、リッくーん。あーん、可哀想~」
リク『……誰、この人……』
この少女にこちらからは覚えがなかった。
レイオットと人気を二分するリクには良くある話だが。
シラー「クレス君も手をケガしているのね。大丈夫?」
シラーはリク君リク君と人気者は追いすぎてはいけないとしっかり熟知しているので、わざとリクより先にクレスに声をかけた。
クレス「大したことないよ。その……ナツメが…………手当してくれたし……その後でクロエも魔法かけてくれたから……」
シラー「気をつけなきゃダメよ?」
クレス「気をつけようなんてないよ」
ぶっきらぼうに言い放つと、シラーは臆することなく笑った。
シラー「じゃあ、早く直るおまじないね」
厚めの唇に自らの指先を当て、それをクレスの包帯にチョンとつけた。
シラー「うふっ」
クレス「……………………」
いつもならこんなことをされれば真っ赤になってしまうクレスだったが、今は逆に少しわずらわしく感じていた。
包帯から目をそらして横を見れば、シラーはリクにも同じようにやっている。
傷の心配優先で泥を口に含んだナツメとは違うと当たり前のことなのについ思ってしまう。
この傷は他の奴には気軽に触らせたくなかった。真面目に処理してくれた彼女に申し訳ないような気がして。