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レイディ・メイディ 30-14
2008.04.11 |Category …レイメイ 30話
彼らが捕虜に気をとられている間に、試験官室と連絡を取ろうとナツメが集まりからそっと離れる。
氷鎖女「以後、どうなっておられるか」
しばらく待つと返答が返ってきた。
レヴィアス「すでにレグン中隊とウイングソード小隊が山に入っております。貴方は彼らを無事に下まで帰して下さい。よろしいですね?」
氷鎖女「承知。…………それと、霧が晴れた。魔術師はもう逃げたかと思われるが、こちらで捕らえた捕虜はいかがいたす?」
レヴィアス「置いて来て下さい。位置は知らせてあるので間もなく引き取りにくるでしょう」
氷鎖女「……承知」
▽つづきはこちら
水晶での通信を切るとほとんど同時に頭上に巨大な影が落ちてきて、突風が巻き起こった。
「キアアアァッ!」
一声吠えたドラゴンが側に着陸する。
クロエ「おっ、お兄ちゃん!?」
レク「ガーネットさんっ!!」
2人の声がはもる。
2匹の飛竜から降りてきたのは、青薔薇正騎士のガーネットと……
レイオット「ウイングソード小隊長……」
フェイト・クレス「げっ!? 出た!!」
G班には良い印象を持たれていない、非常識にも試験場できのこ狩りをしていた小隊長・ジャックだった。
ジャック「やあやあやあやあ☆ フェイト君、クレス君、久しぶり~♪」
フェイト・クレス『うわ、名前、覚えられてるー……』
……忘れてくれていいのに。
ジャック「あと、わわわわわクン」 とってつけたよーに。
レク「しつこいですよっ! レクです、レク」
ガーネット「ムキになると喜ぶから無視が一番だぞ。こっちが疲れるだけだ」
可哀想な後輩に親切なアドバイス。
レク「は、はいっ!」
ジャック「何だ、つまらん入れ知恵すんなよ、ガーネット」
ガーネット「アンタの扱いはさすがに慣れてきましてね」
ジャック「ちぇー」
クロエ「わーい♪ お兄ちゃん、お兄ちゃん」
抱き着いてこようとするのを顔面をつかんで阻止しながら、
ガーネット「よくやってくれた。お前たちはこのまま試験を続行。他のメンバーは下っているだろうから、お前たちも行け。後の処理は我々に任せろ」
レク「ハイッ!」
小気味の良い返事を返して、必ず朝の訓練の前にやらされる敬礼の姿勢をきれいにとった。
それに習って、フェイト、レイオット、ステラ、アン、メイディアも了解しましたと敬礼する。
無礼者のクレスは彼関せずと無関心を装い、リクはここでもにこにこ笑って緊張感ナシ。
クロエは顔をつかまれても、お兄ちゃんお兄ちゃん。
ナツメは他の皆を見て、それを真似て2テンポ遅れの敬礼をした。
クロエ「お兄ちゃん、どうしてここに? 私のピンチがミラクルな力でわかったの?」
ガーネット「知るか。いいから、行けって。ここでは俺はお前の兄ではない。減点するぞ」
クロエ「わーん、イジワルー!」
妹を追いやって、
ガーネット「……コイツラ……」
捕虜たちに目を落とす。
ジャック「ああ。見覚えあると思ったら………」
ガーネット「同期……ですよ、コイツ」
中の一人には確かに覚えがあった。
養成所時代に共に学んでいたが、落第を繰り返し、とうとう薔薇の騎士になれなかった奴だ。