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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 30-19

 数日ぶりの部屋に戻る一同。

 

レク「へーえ。じゃあ一緒に落ちたんじゃなくて、メイディは後から飛び降りたんだ? ……無茶するなぁ、相変わらず」

 

 ため息と驚きを交えてレクが素っ頓狂な声を上げる。

 

リク「あはは。思い切りだけは一流だからね、彼女

 

 そもそもの始まりは彼女に導かれて崖に落ちたワケだが、それは黙っておいた。

 

フェイト「にわかには信じ難い話だな。あの、自分のことしか考えてないようなお嬢さんが」

 

 散々使った剣の手入れをしている。


▽つづきはこちら

リク「そうでもないよ。“勇猛な獅子のように、気高い鷹のように、義侠の狼のように”、勇敢だったんだから」

フェイト「ハァ? なんだ、それは?」

レク「? 何かの歌?」

リク「勇気が出るおまじない…………かな」

レク「ふぅん。なんだかいいな、それ。俺も使おうっと」

リク「ええと、フルバージョンは確か、“神様、…………私に今一つの勇気をお与え下さい。小さな心に勇気の翼をお与え下さい。勇猛な獅子のように、気高き鷹のように、義侠の狼のように”」

 

 リクが聞いたのは「私」の部分が「彼女」だったが、それはアンのために祈ってのことだろう。

 きっと飛び降りたときには「私」と置き換えていたに違いない。

 

レク「“神様、に今一つの勇気をお与え下さい。小さな心に勇気の翼をお与え下さい。勇猛な獅子のように、気高き鷹のように、ギキョーの狼のように”…………か

 

 真似てレクが繰り返し、言い終わって満足した顔になる。なんだかヒーロー心をくすぐる言葉だ。

 

レク「例えば俺が戦場で四面楚歌の状態なんかに陥っちゃったりなんかしたら、これを唱えよう」

リク「うん、そうだね。いま一つの勇気が足りないときにきっと背中を押してくれる」

フェイト『………………………………』

レク「ところでさ」

リク「何だい?」

レク「ギキョーって…………どういう意味?」

フェイト「知らないのに使おうとすんなよ。義侠は正義と弱き者を助けようとする気持ちだろうが」

 

 勇敢で気高いまでは100歩譲っても、権力を振り回して弱きを踏みつけにしているあのワガママお嬢様からは最も遠い言葉に思えるが。

 

レク「物知りだな、フェイト」 感心して顔をまじまじと見つめる。

フェイト「お前が知らなさ過ぎ」

 

 不機嫌に答えて剣をしまう。

 

フェイト『けど…………』

 

 どれだけ怖かったのだろう

 あのどうしようもない貴族のクズのようなお嬢様が友達のために飛び降りるのは。

 どのくらいの勇気の翼が必要だったのだろう。

 助かるかどうかも、いや、それ以前に助けが来るかどうかもわからない状況で。

 まさか楽観的に考えていたわけでもあるまいに。

 

フェイト「“勇猛な獅子のように、気高き鷹のように、義侠の狼のように”…………か

レク「なんだ、フェイトも気に入ったんだ?」

フェイト「ただ言ってみただけだっ!」

 

 無意識につぶやいたのをレクが拾い聞きすれば、珍しくフェイトが頬を赤らめた。

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