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レイディ・メイディ 30-11
2008.04.09 |Category …レイメイ 30話
そんなことをしている間にリクとレクは上に到着。
すぐにレクとクレスがメイディアの縄を引く。
登りついたフェイトもそれに参加し、やっとのことで全員が救出された。
アン「リク君っ! 良かった!!」
抱き着いて大声で泣き出す。
リク「……ありがとう、助けを呼んで来てくれて」 アンの背中をあやすように叩く。
メイディア「……そうね。よくぞ一人で登りました。さすがはアンです」
足元に落ちている、自分の作った危うい布のロープに視線を落とし、腕を組んでもっともらしくうなづいてみせた。
そんなメイディアの称賛はアンには届いていないけれど。
▽つづきはこちら
クレス「感激はいいけど、そういうの、後にしない?」
めでたしめでたしの雰囲気をぶち壊して、クレスがつっけんどんに言った。
確かにのんびりしている場合ではない。
すでに通常の試験でなくなっているのは明らかだ。
こうなってくるとはぐれた仲間も心配である。
レク「よし、戻ろう」
急ぎ、元の位置に戻ってきた一同を待っていたメンバーが歓迎した。
レイオット「ついてこないから心配したじゃない、メイディ」
抱きしめて背中をなでてやる。
メイディア「でもそれでアンを発見できたからよいのです」
レイオット「結果よければそれでよしってワケ? まったく」
体を離して、今度は頭をなでた。
メイディア「ああっ、もう、ヘヤーが乱れますでしょっ!」
文句言いながらも安堵した表情は隠しようもなく、とても嬉しそうだ。
泣き止んで鼻の頭を赤くしたアンもレイオットに寄っていく。
アン「レイ様」
レイオット「本当に良かったわ、アン」
両手でメイディアの金髪をぐしゃぐしゃにしながら、微笑を送る。
アンはそれを受けて複雑な気持ちになった。
自分にはああやってくれないだろうか。
しばらく近くで待っていたけれど、レイオットが触れてくる気配はなさそうだ。
メイディアがいじられキャラな性格をしているだけだと気がつかないアンは不満で顔を曇らせた。
クロエ「ひゃあ、生爪だよ、リク! 痛い、痛い」
リク「うーん、痛いねぇ。で、早く回復魔法してくれると助かるんだけど」
自分がなったわけでもないのに悶絶するクロエにリクが血まみれの手を突き出した。
氷鎖女「これも…………塗っておくといい」
ナツメが例の薬を取り出して、クレスがわずかに反応した。
リク「あれ? これって氷鎖女先生の持ってた薬と違うのかな」
ハッとなって固まるナツメ。
しまった。
彼の前で使用したことがあっただろうか。
氷鎖女「……………………」 どっき、どっき。
リク「そうだ。どこかで見たことあるとずっと思っていたけど…………」
氷鎖女『ギク……』
体をこわばらせる。
リク「君……………………」
じっと赤く透き通った瞳がナツメを映す。
氷鎖女『だーかーらー、コイツは嫌なんだぁぁぁっ!! この目がっ! わかってんだかわかってないんだかわかんない目がっ!!!』 冷や汗、だらだら。
リク「……………………君」
氷鎖女『もーっ、無理! 耐えられない!! 気絶させるしかっ! さらば、りく=ふりーでる…………』
リク「…………豆大福と似てたんだ」
暴挙に出ようとわずかに動きかけたナツメが止まる。