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レイディ・メイディ 30-9
2008.04.08 |Category …レイメイ 30話
やがて草のこすれる音が近づいて、三人が叫んだ通り、アンが姿を現した。
アン「助けてっ! リク君が死んじゃうっ!」
ステラ「アン、無事だったのね!?」
アン「ステラ……」
自分が見捨てたステラと顔を合わせて、アンの心臓はきゅっとつかまれたように縮こまった。
レイオット「どうしたのっ!?」
アン「そ、そうだ。あの、崖が……、私はロープでなんとか上がれたんだけど、二人が……」
レイオット「落ち着いて。大丈夫よ」
今にも泣き出しそうなアンをはげます。
▽つづきはこちら
レク「場所は? 案内を!」
アン「こっち!」
案内でレクとフェイトが走りだす。
レイオット「崖で落ちそうになってるなら、二人だけじゃ引き上げるの辛いかもしれないわ。悪いけど、クレスも行ってくれる?」
クレス「ここは?」
レイオット「心配しないで。さ、早く」
クレス「わかったよ」
剣士で日ごろから鍛えているレクとフェイトと違って非力なクレスは自分が役に立つのかどうか疑問に思いながらも追いかけた。
クロエはステラの腫れ上がった足首に回復の光を当て、レイオットは周囲を警戒して剣は抜き身のままにしてある。
ステラ「大丈夫かしら……」
クロエ「心配ないよ。3人も行ったんだから」
ステラ「うん……」 うなづいてから、
「ねぇ、この縛られている人達……私たちを襲った人だよ」
クロエ「本当!?」
ステラ「他の皆、平気だったのかな……」 目を伏せる。
レイオット「この人たち、起こして事情を聴いた方が良さそうね」
一人の頬を叩いて起こすと、さるぐつわを取って問いただす。
しかし相手は口を割ろうとしない。
痛め付けたりして無理に吐かせなければ、簡単に口を割るワケもないが、レイオットにはとてもできそうもない。
レイオット「……憧れの赤薔薇正騎士が、どうしてなの?」
悲痛な面持ちで赤い薔薇の紋章を見つめた。
アンの案内で崖までやってきたレクとフェイト。
気が付けば、あれだけ濃かった霧が晴れ始めてきてリクと同じようにいきなり足場がないということにはならない程度に視界が開けていた。
レクがまず覗き込んであっと声を上げる。
メイディア「……うくくっ……」
レク「メイディ!」
メイディア「ぎゃっ!? 上から見ちゃダメっ!!」
ただ今、カボチャパンツ大公開中なのだ。
下にいるリクには見えないが。
それどころではないレクは今助けると安心させるように呼びかける。
レク「急がないと」
クレス「縄は木に縛りつけたよ」
崖と聞いて、皆のロープを併せて4本持って来た。
フェイト「よし」
2本のロープをレクとフェイトが腰に巻き付け、崖を降りる。
残り2本をクレスが下に放り投げた。
レク「そのまま……頑張って!」
メイディア「こないでっ!」
レク「なんでだよ」
フェイトがメイディアの隣へ、レクはもう少し下ってリクの脇へ。
胴体にクレスが投げた残りの2本の縄を巻き付けて結ぶ。
メイディア「下着が見えるでしょっ!! レイディに失礼だとは思いませんのっ!?」
フェイト「それどころじゃないし、君のデッカイパンツを見ても誰も喜ばないから大丈夫」