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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 28-2

ナーダ「ちょっと!」

 

 もう一人、教官が入って来た。

 

ナーダ「ヴァルト、何をほだされているのよっ! 始まるでしょ、そこの生き物連れて来て!」

ヴァルト「ほだされたワケではないが、しかし大変だぞ、俺が女の格好をしたら!」

ナーダ「誰もアンタにやれって言ってないでしょ。私だって見たかないわよ」

氷鎖女「ミチ……ミハイル先生、ヴァルト教官が月の物で苦しむおなごを引っ張って行こうとしま

す。いわゆる“せくしゃるはらすめんと”なので、毒殺してやって下さいでござる」

 

 ヴァルトの手から再び布団を引ったくって雪見大福のように丸まると、手だけを出して、教官二人を示す。

 ミハイルの脳内で「ゴザル」キーワードがひっかかった。

 カチカチカチカチ……チーンッ☆

 頭の中で滞っていた情報処理がようやく解消されたようだ。

 

ミハイル「お前、氷鎖女かよっ!?」

 

 今さらのように叫ぶ。


▽つづきはこちら

 実は氷鎖女の素顔を1度も見たことがなかったので、それはもうビックリである。

 氷鎖女が教官としてやってきた1年前、教官がそろったときに挨拶として一度仮面?を取っているが、保健医であるミハイルはその場にいなかったため今の今まで顔を知らなかいでいた。

 1年もいて顔を知らないなんておかしな話だが、奴は絶対に仮面を脱がないのだから仕方がない。

 わざわざ隠している下の顔に興味がまったくなかったワケではないが、顔に大きな火傷かキズでもあるのだろうと勝手に思ってそっとしておいた。

 実際にそんなのはよくある話だ。ほじくり返すものではない。

 

ヴァルト「何がセクハラだ、出て来い」

ナーダ「いい加減にしなさいよ」

氷鎖女「……ナーダ殿が若作りしていったがマシかと思われる……」

ナーダ「マシって何!? ああん!? 若作りっ!? そんな年じゃないわよっ」 額に青筋。

氷鎖女「いや、だから、気色悪い拙者より年が違えど本物のが良いという話であって、決して行き遅れとかそんなことは申しておらぬからして」

ナーダ「行き遅れ……?」 ピクッ。

ミハイル「? 本物?」

ヴァルト『言っちゃったァァ    っ!!?』 真っ青。

ナーダ「アンタ、3秒以内に出て来ないと串刺しにするわよ」

 

 怒りのこもった、冷ややかで低い声を突き刺す。

利き手はすでに腰のレイピアへとかけられている。

 

氷鎖女「……う……」

ミハイル「なんだってこんなことになっているんです?」 肩をすくめる。

ヴァルト「ちょっと試験に学徒として参加してもらう運びになりましてな」

 

 腕を組んで話すと長くなるから、と首を振った。

 

ヴァルト「背が低くて学徒にもっとも年齢が近い氷鎖女に白羽の矢が当たったと。そういうワケですよ。まさかニケにやらせるワケにもいきませんしな」

 

 ニケでは今度は小さすぎる。

しかも面が割れているからどちらにしても適役ではない。

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