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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 27-5

 そのとき、思い立ったように氷鎖女がポンと手を打った。

 

氷鎖女「次の試験で1位を取れたら、ミチハル贈呈ってのは?」

ミハイル「アホーッ! 余計なこと言うなっ!! そしてミハイルだっ!」

氷鎖女「だって、どこかでカキッ☆っと線引きせぬと埒が明かぬというもの。ヴァルト殿もこれで助かった。結果よければ全て善ということで」

クレス「………………」

ミハイル「もし1位取ったらどーする!?」

氷鎖女「取れない取れない」

 

 手を軽く振る。


▽つづきはこちら

クレス「……む。僕もいるんだぞ」

 

 次の再試験はチーム制なのだ。メイディアだけの実力では測れない。

 

氷鎖女「ん?」

 

 クレスをしばし眺めて、

 

氷鎖女「うん、取れない」

クレス「ナーニィ~ッ!?」 ムキャ!

   「よーし、見てろ、メイディア! 1位だ、優勝だっ!!」

ミハイル「……優勝ってのはナイだろ……」

 

 大会ではないのだから。

 

メイディア「そうですわねっ! ワタクシたちの実力を甘く見ないでいただきたいわ!」

クレス「そうさ、僕らは無敵コンビで有名なんだっ!」

氷鎖女「うわぁ……初耳ぃ~」

 

 やる気なさげに拍手する氷鎖女

 そもそもこの二人はコンビを組んだことはない。

即席もいいところだ。

 

ミハイル「……なんか……平気そうな気がしてきた……」

氷鎖女「……だろ?」

ミハイル「え?」

氷鎖女「あ。うん……ゴホン。……で、ござろ?」

 

 わざわざ言い直す。

実は敬語が苦手な氷鎖女。

慣れた相手だとつい地が出てしまう。

 

氷鎖女「……ハッ」

ミハイル「どうした?」

氷鎖女「……………………うぉ……」

 

 再試験の話をしていて、唐突に思い出した。

そういえば、数日後に始まる再試験では自分も学徒として参加しなくてはならないハメになっていたのだった

 気が重くなってその場にへなへなとしゃがみこむ。

 

ミハイル「どうした?」

氷鎖女「……別に」

 

 クレスとメイディアは無邪気にも1位だ優勝だと意気込んでいる。

 そんな姿を眺めながら、氷鎖女はどうやって試験を欠席しようかと真面目に思い悩んでいた。

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