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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 27-3

 ド派手にナーダに敗北したメイディアだったが、彼女はあまり堪えていないようで新しい恋!?に胸をときめかせ、ご機嫌な足取りで授業中の教室に踏み込んだ。

 

メイディア「皆さん、ご機嫌よう」

 

 何人かがプッと吹き出す。

 けれど彼女はどこ吹く風で定位置になっているのリクの隣に腰を下ろした。

 

リク「ずいぶん晴れやかだね。ああも力差があると気持ちよく負けられた?」

メイディア「バカおっしゃい。負けて気持ちがいいハズがございませんでしょ。そのうち勝ちますわ。今はそのときではないだけです」

リク「ははっ。君らしいね」

クレス「頭打ったからおかしくなったんじゃないの?」

 

 リクの逆隣からちくりと一言。


▽つづきはこちら

メイディア「んま、失礼ですわね。ワタクシは今、新しい恋で胸が一杯なだけなのです」

クレス「ええ? だってヴァルト教官はダメだったんじゃないの?」

メイディア「ええ。彼は残念ながら運命の人ではなかったみたいです。運命のイタズラ好きの妖精さんが、ワタクシを惑わそうとしたのね」

 

 もっともらしくうなづいてみせる。

 

クレス「…………運命のイタズラ好きの妖精って……」 ズルッ。

 

 当然の反応として脱力しているクレスの横で、とっぴな台詞にも負けないリクはいつもの柔らかい顔で微笑んでいる。

 

リク「今度の運命の人は誰なんだい?」

 

 “今度の”運命の人。

 かなり皮肉めいた言い回しかと思われるが、脳みそ常春のメイディアに通用するハズもない。

 

メイディア「ミハイル先生です♪」

 

 素直に答える。

 

クレス「ええっ!? あの?」

メイディア「あの」

 

 うなづく。

 

メイディア「とっても優しいんですのよ。大人の魅力ね」

 

 ……大人とはいったものの、ミハイルは年若く、メイディアとは4つしか違わない。

 32歳からずいぶんとダウンしたものだが、恋愛の相手としてはこちらの方が無理なく付き合えるだろう。

 むろん、相手にその気があればの話だが。

 

リク「先生はOKしたの?」

メイディア「これからうんと言わせます」

リク・クレス『……やっぱり……』

 

 二人、顔を見合わせて肩をすくめる。

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