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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 27-4

 昼休みを待って、わき目も振らず保健室に直行するメイディア。

 その後をクレスがついてゆく。

 正しくはついて行ったのではなく、自分もミハイルに用事があったからだ。

 ミハイルは母国では毒薬のエキスパートで、このローゼリッタ薔薇の騎士団養成所にあっては、薬剤のエキスパートであった。

 やってみないかと誘われて、授業外でクレスは知識を身につけるために通っているのだった。

 ばあばの扱っていた薬。

自分は嫌がって習わなかった薬。

 今さらになってやっておけばよかったと後悔していたところに声がかかった。

渡りに船とはこのことである。

 メイディアに遅れてクレスが保健室に足を踏み込むと早くも中は修羅場と化していた。


▽つづきはこちら

氷鎖女「だから、何でそこで拙者が呼び出されねばならん」

 

 ミハイルにメイディア。

それから、どうもメイディアを引き取るように呼び出されたと思われる、担任の氷鎖女がいた。

 

ミハイル「ああ、クレスか。ちょっと待っててくれ」

クレス「……うん」

氷鎖女「お。クレスか。ごーるでんを何とかしてくれ」

 

 同じような流れでさらりとクレスに振る。

 

クレス「うん……んっ?! 無茶言うなよっ!」

 

 あんまり自然に言われたものだから、思わずうんと言いかけてしまった。

 

氷鎖女「……チッ」

クレス『今、舌打ちした!?』 ガーン……

メイディア「またミジン子ですか。どーしてワタクシの恋路を邪魔ばかりするんですの!? さてはワタクシが好きなのね!?」

氷鎖女「怖いこと言うな。拙者はヴァルト殿にせよ、ミチハル殿にせよ、迷惑が服を着て歩いているようなお前さまを何とかせよと呼び出されただけでござる」

ミハイル「ミチハルじゃなくてミハイルだ」

メイディア「もー、ダーリンったら恥ずかしがり屋さん。あきらめて婚約してしまいましょう」

ミハイル「恥ずかしがり屋じゃないっつーの! おい、ヒサメ!」

氷鎖女「おい、クレス」

 

 再び横流し。

 

クレス「アンタだよ、アンタ!」

 

 今度はさすがに引っ掛からない。

 

氷鎖女「あ、やっぱり?」 ぎく。

クレス「他に恋人がいるとかにしときゃいいじゃん、そんなの」

ミハイル「それが通じたら、ナーダ殿に決闘を申し込むこともなかったろうよ」

クレス「………確かに」

 

 時計を確認して、

 

クレス「……ちょっと。時間なくなるんだけど」

メイディア「あら? 何? ここでもお勉強を?」

クレス「まぁ……。仕方ないからやってあげてるだけ」

 

 つんと顔を背ける。

 

メイディア「ふぅん? 意外と努力家ですのね」

クレス「そうでもない。っていうか、邪魔」

ミハイル「そ、そうだ。これからやることがある。その話はまた今度いずれそのうちにっつーことで」

 

 クレスの言葉に便乗して切り抜けようとする。

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