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レイディ・メイディ 26-8
2008.03.06 |Category …レイメイ 26、27話
直接交渉に望む気満々のメイディア。
教官専用宿舎だというのにあちこちの部屋をノックして回り、ナーダを探し始める。
とうとうたどり着いた女子寮内でナーダに挑戦状を叩きつけた。
メイディア「ダーリンを賭けて勝負ですわっ!」
ナーダ「……持っていっていいわよ」
メイディア「それでは意味がございませんの。ダーリンの心が貴女の方を向いたままになってしまいますもの」
ナーダ「……たぶん……向いてないから、最初から……」
『思い込みの激しい子ね』 全身で脱力。
メイディア「ワタクシは貴女に勝って愛を手に入れてみせます」
あさっての方向を指さしてポージング。
▽つづきはこちら
ナーダ「あのねぇ……。……ま、試合くらいなら面白いから受けて立ってあげてもいいけど? それが済んだら、この騒ぎはおしまいよ? いい?」
メイディア「結構! では明日の早朝、訓練所で!」
ナーダ「はいはい。じゃ用が済んだら帰ってね」
迷惑な学徒を追い返して、ようやく教官宿舎に平和が訪れたのは夜中の12時を回っていた。 とうとうヴァルトが夕食を食べそびれてしまったのは言うまでもない。
赤薔薇教官であるナーダに挑戦状を叩きつけたという噂は瞬く間に広まった。
初めはメイディア本人からレイオットのところに意気込みを話に来て、それを聞いたジェーンとモーリーが広めるという図式だ。
当然、夜中のことだったので広まるのは朝方のこと。
男子寮には話は伝わっていないハズだったが、女子学徒たちがゾロゾロと同じ方向に向かっているので男子の一人がそれを呼び止め、内容を知る。
そこからまた男子寮で伝染してゆき、現在の状態に至る。
実戦が行われるにしては手狭な訓練広間で、二人の女が対峙しており、周囲には人の山、山。 それをかき分けてヴァルトが姿を現す。
メイディア「あっ、ダーリン! 待ってて下さいな、今、貴方を奪いに行きますわー♪」
ヴァルト「アホか!」
はしゃいで両手を振るメイディアを一刀両断にしてから、ナーダの方にも怒鳴りつける。
ヴァルト「コラ、本当に相手にするな、ナーダ」
ナーダ「だって可愛いじゃない。こーゆーの、好きよ、私♪」
基本的に好戦的な彼女は、つっかかってくる学徒、大歓迎。
ついでにお祭り騒ぎも大歓迎だ。
ナーダ「だいたい、誰のお陰でこんなことになってると思うのよ、ダーリン」
ヴァルト「それは氷鎖女殿が……」
そんな氷鎖女は来るときは一緒のハズだったか、ふと見るといなくなっていた。
逃げたかとヴァルトは舌打ちしたが、そんなことはない。
体格のいいヴァルトの後をついてきていたハズだった氷鎖女は、途中で人並みに飲まれてはぐれてしまっているだけだった。
今頃は前も後ろもわからなくなって往生していることだろう。
レイオット「メイディ、やめなさい。貴女じゃナーダ先生にまだかなわないから」
ヴァルトの横からレイオットとレク、それからクロエが顔を出した。
ヴァルト「お前たち、説得してくれるか。良かった」
レク「ハイ、すみません、メイディが……」
別にレクが謝ることではないのだが、ばつが悪そうな顔をしている。
なのにもう一人のクロエときたら……
クロエ「頑張れ、メイディアッ! あなたのダーリンは彼よっ!!」
大好きなお兄ちゃん……つまりガーネットを取られたくない一心でメイディアの応援をしてしまっている。
ヴァルトだろうが誰であろうが、お兄ちゃん以外の……おっと、それとニンジャ先生以外の誰かとくっつく分には問題ない。
むしろ早くくっついて落ち着いて欲しいと願うのであった。