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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 26-5

メイディア「そんな、困りますわ。ワタクシ、今、すぐにでも婚約しなければならないんですの。考えていないのなら、今から今すぐ結婚を考えて下さい」

ヴァルト「……だから……すまないが、俺はまだ身を固める気はないんだ。……な?」

 

 自分を慕ってくる女学徒の頭に手を乗せる。

 

メイディア「ナゼ、ナゼですの!?」

ヴァルト「いや、ナゼって……」

    『……まいったな』

    「いいか、メイディア。俺は32だ。お前は?」

メイディア「今年16になります」

ヴァルト「……倍だ」

メイディア「まぁ、たった16しか違いませんわね! ようございました」

ヴァルト『う~ん、やっぱりそうきたか』

 

 ここまでしてくる女の子は大抵、年の差でたじろいだりはしない。

年の差くらいで動揺するようなら、始めから先生を好きになったりはしないだろうが。


▽つづきはこちら

ナーダ「“たった”ですってよ?」

ヴァルト「たったじゃないだろう、きっと後で後悔する」

 

 今までの学徒と同じように言葉巧みに丸め込んで帰そうと思ったのだが、これがまた世話の焼ける御仁。

ちっともヒトの言うこと聞きやしない。

 さすがに哀れに思ってか、ようやくナーダも助け舟を出してくれたが一向に収まりはつかない。

 二人で説得にかかること2時間。

 

ナーダ「……もー、ムリ。ヴァルト、観念しちゃったら? 私、飽きてきたから戻るわね。そんじゃ」

ヴァルト「あっ、コラ。逃げるつもりか!?」

ナーダ「だって私には関係ないじゃない。……結果は後で教えて~♪」

 

 無情にも手を振って廊下の奥へと消えて行った。

もはや振り返ることすらせずに。

 

ヴァルト「……くそ、裏切り者め」

 

 小さく毒づく。

 

ヴァルト「もー、ダメだ。氷鎖女殿のところに連れて行こう」

 

 あまりに聞き分けが悪く、これは担任の手を借りるしかないと踏んだヴァルトは立ち話も何だからとメイディアを部屋に誘った。

 ……ただし、自分の部屋でなく、氷鎖女の部屋だ。

 

ヴァルト「氷鎖女殿、起きているか」

 

 ノックを繰り返すと木製のドアが何故か回転して開いた。

 執務室の扉は縦回転で、こちらの宿舎では横回転。

 しかも回転するとドアに引っ掛けられたリアルな人形がブラリと歓迎してくれて、思わずメイディアは叫びそうになり、ヴァルトは腰の剣に手をかけてしまった。

 

ヴァルト「うおっ!? なんだ、こりゃ!?」

メイディア「………ッ!」

 あまりの驚きに、悲鳴が出ない。

言葉を失った口はパクパクと空しく開閉を繰り返すだけだ。

 

氷鎖女「……こんばんは……」

 

 続いて陰気~な、声。

 

ヴァルト「お化け屋敷か、ここはっ!」

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