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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 26-6

 ようやく気を取り直した、メイディア「ミジン子のカラクリ部屋ですわ。ヴァルト教官、どうしてミジン子のところにおいでになるの!?」

 

 話が違うとくってかかる。

 

ヴァルト「いや……第三者を挟もうかと思ってな……」

氷鎖女「御用か?」

 

 隙間からそっと蝋燭の明かりと声が漏れる。

 

ヴァルト「………用だ」


▽つづきはこちら

 よっぽどの用でなければこんなところには来たくない。

 前々から変わり者だとは思っていたが、ここまでとは……そんな感想をしまい込んで、とにかく今はこの女学徒を押し付けることに専念した。

 

ヴァルト「すまないが、間に入ってもらえないか。この……」

メイディア「メイディアですわ」

氷鎖女「……………………」

 

 ぱたん。

 

 名を聞いた途端、ドアを閉めてしまう。

 

ヴァルト「待て! 待ってくれ!!」

 

 力ずくでドアをこじ開け、無理やり侵入。

 

氷鎖女「あわわわ。ダメ、無理に開けたら…………ああ」

ヴァルト「頼む、何とかしてくれ」

氷鎖女「……チッ」

ヴァルト「……今、舌打ちしませんでしたか?」

氷鎖女「気のせいでござる」

 

 仕方なく、姿を現した氷鎖女は骸骨を抱いていた。

 目を見張れば、作り物だと先に答えた。

 

氷鎖女「どぞ」

 

 椅子……ではなく氷鎖女いわく“座布団”なクッションを勧める。

 

氷鎖女「あ、ここでは草履を脱いで下され」

ヴァルト「ぞうり? あ、靴か」

メイディア「床に直に座るのですか? 嫌ですわ」

氷鎖女「ならば立っておれ。して?」

 

 周囲に雑多に置かれた人形やガラクタに気をとられていたヴァルトが促されてハッとなる。

 メイディアが部屋の物に興味引かれていじっている間に、今までのいきさつを話した。

 

氷鎖女「それでなんで拙者のところに来やる? 拙者、そういった話は苦手で……。そもそも本人達の問題であって、えと……あの……」

 

 うつむいてそわそわ落ち着きなく手元の作り物全身骨格をいじる。

 

ヴァルト「……だから。もうずっとダメだと言っているのに聞き分けてくれないんだ。担任だろう、何とか収めてくれはしまいか」

氷鎖女「いやしかし……」

ヴァルト「頼みます! このとーりっ!!」

氷鎖女「……う……うん……あの……でも……」

 

 頭を下げられて困惑。

 

ヴァルト「いや、助かります」

 

 有無を言わせない口調で、先に礼を述べてしまう。

これで逃げられまい。

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