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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 25-12

メイディア「ワタクシに水をかけるよう指示したのアナタかしら?」

シラー「誤解だわ」

 

 水かけ犯人グループが決まり悪そうに顔を見合わせる。

 このままではシラーのせいにされてしまうではないか。

 

アン「どうしよう……そんなつもりじゃなかったのに」

女学徒「う、うん……」

メイディア「誤解ね。そう、ナルホド

リク「とりあえず、メイディ。コレ着たら? 今度は紳士のたしなみOKかな?

 

 微笑んで服の端をつまんでいるが、続く先には何故かクレス。

 

クレス「どこが紳士のたしなみだ ヒトの服を差し出そうとするなっ

 

 あわてて引ったくる。

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レイディ・メイディ 25-11

アン『何よ、偉そうに…………私だってわかりっこないもん。大丈夫よ、知らん顔していれば』

 

 自分に言い聞かせるように心の中で繰り返す。

 水を頭からぶちまけられて、嘲笑を浴びせられ、犯人の正体も分からない。

情けなくなって泣きながら戻ってくるのではないかと期待に胸を膨らましていたが、そうはならなかった。

 もし自分が同じ目にあっていたら、きっと泣き出して周りに慰められていたに違いない。

 そう思ったらどこかで負けたような気がして悔しくなった。

 

アン『泣けば良かったのに』

 そしたら、嗤ってやったのに。

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レイディ・メイディ 25-10

 上ではフェイトとレクに目撃されていることを気づいていない女の子たちがやってやったと大はしゃぎ。

 

レク「なんか良くないことやってんじゃないのかな……」

フェイト「……イタズラだろ」

 

 相変わらず興味なさげなフェイト。

 

レク「あ、待てよ。一応、聞いてくる」

フェイト「俺は先に行ってるからな」

 

 待ってくれるつもりはないようだ。

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レイディ・メイディ 25-9

 異変に気づいたメイディアが上を向いたときにはもう水の包囲網が頭上を覆っていた。

 とっさに身をかがめて子猫を守る。

 直後。

 ザッバー。

 

メイディア「………………………………」

 

 大量の水滴が巻き毛やドレスを伝って地面に吸い込まれて行く。

 

クレス「……っぷ!?

 

 巻き添えを食らったクレスもしぶきで顔と前面が濡れてしまった。

 頭を振って水気を払う。

 

クレス「なんだよ、コレーッ!」

メイディア「お前……クレスのところにお行き」

 

 水から守った子猫をそっと下に降ろす。

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レイディ・メイディ 25-8

メイディア「いちいちつっかってこないで。今、重大な考え事の最中なの」

クレス「次なる嫌がらせを考えているんじゃないだろうね」

メイディア「あら、よくわかりましたのね!?」

 

 そうでなくとも大きな目をまん丸に開いて驚いてみせる。

 

クレス『……マジか、このクソ女……』

メイディア「性格のよろしくない貴方なら良い考えが浮かぶのではなくて? ちよっとアイディアを出しなさい。実行はワタクシがしますから大丈夫

クレス「ふざけるなよ、誰がお前何かに手を貸すか。シ、シラーを何でそんなにイジメるんだよ!? か、かわいそーだろっ。んー……意外とだけどっ! お前サイテーだぞ、すごく

メイディア「…………嫌いだから、ですわ」 あっさり。

クレス『マジデスカ   !?』

 

 衝撃が駆け抜ける。

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レイディ・メイディ 25-7

 一方、やられ役に回ることとなったメイディアは、本当に一人でいることが多くなった。

 多くなったというよりもすでにほぼ一人といって差し支えないくらいである。

 何かと気を使ってくるレク、もはや俗世と関わりないように生きている世捨て人のようなリク、なんだかんだ言いながらもメイディアを可愛がっているレイオット、唯一同等の立場にあるクロエなどは折を見ては話しかけようとするが、これを本人が頑なに拒んでしまっているのだった。

 ワタクシは一人でも平気なんだ、と。

 彼女とは自分が話をすると大見栄切ったシラーが、ことあるごとに手を差し伸べてくるがもちろん、すがるメイディア嬢ではない。

 彼女の中で和睦はすなわち自分の敗北なのだから。

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レイディ・メイディ 25-6

 張本人は不機嫌さを隠そうともせずに次の教室に入った。

 他の学徒たちは友人同士でまだおしゃべりを楽しんで集まっているが、友達の少ないメイディアはポツンと座っているだけだ。

 今度は一緒の学科を取ったレクも教室に入ってくる。

 数いる友人たちと話し込んでいたが、メイディアに気づくと軽く手を上げた。

 

レク「あれ? 気づいてないのかな?」

 

 もう一度振るが、また無視をされてしまう。

 

友人「やめとけよ。時代はシラーお嬢様だぞ。メイディアなんてもう古い古い」

レク「何言ってんだよ。古いも新しいもないだろ。だいたい…………」

 

 残るレクはといえば、中立の態度でいながら実際にはメイディア寄りである。

 彼の目にはシラーがどうにも不自然に感じてならないのだった。

 

レク『こんなこと、思ったらいけないのはわかってるんだけど……』

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