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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 23-5

夫人「シラーは手元に置きます。メイディは公爵家で幸せになるの。これの何が悪いというのですか、貴方は」

伯爵「……少し……考えさせてくれ」

 

 伯爵はすっかり冷めてしまった飲みかけの紅茶をそのままに、談話室を後にした。

 まさか15年以上も経ってから自分のもう一人の娘が訪ねてくるだなんて思いもしなかった。

 自室に戻ると身を投げるようにソファーに転がる。

 きっと母親のマルガレーテが死んでどうにもならなくなってここを訪ねてきたに違いない。

 そう思えば確かに可哀想に思える。

 だからといって、この伝統のある血筋を今さらになって現れた不義の娘に一切をくれてやろうというのか?

 

伯爵『しかしメイディは公爵家に……』

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レイディ・メイディ 23-4

 惨たらしい惨劇の跡を目の当たりにして、感情のカケラも見せずに初潮を迎えた少女の気味の悪さといったらなかった。

 事情聴取を受けた彼女だったが、わけのわからないことを繰り返すばかりでどうにもならない。

 結局、犯人を見たのか知っているのかも聞き出されないままに、シャトー家は権力を行使して治安部隊から娘を取り返すことに成功した。

 シャトー家としては、娘がこんな血なまぐさい事件に関与しては絶対にならないのである。

 真相がどうであろうと構わない。

 それよりもメイディアに不吉な娘として噂でもたったら、花嫁として“売れなく”なる。

 そちらの方がずっとずっと一大事なのだ。

 当時の治安部隊は、ショックでメイディアが何も覚えていないのだろうと判断したが、初潮以外に血が服に付着していたことから犯人を目撃したのだろうと見当をつけていた。

 真相を探ろうとメイディアに面会を求めたが、結局シャトー家は捜索を受け付けなかった。

 娘は何も知らないの一点張りで。

 しかし家に連れ戻された彼女は得意げに言う。

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レイディ・メイディ 23-3

母「シラーは良い子よ。始めはそれは私だって疑いました。けどね、彼女は母である私に会いたい一心で門を叩き続けたのですよ。私に追い返されるであろうこともわかっていて、それでも会いに来たかったの。金貨をくれて追っ払おうと思ったら、金貨も断わったのですわ。なんて意地らしいのでしょう!! もちろん、家に住まわせることにも多少の不安はあったけど、何もなくなりはしなかったし、入っては行けない部屋には決して近寄らなかった。とてもよく気が付くし、本当に良い娘さん。今だって私の頼みを聞いて、養成所に入ってメイディの説得にかかってくれているのですからね。毎月ちゃんと決まった日に手紙をよこして……。あんな子が嘘などつくものですか」

父「…………………………」

 

 夫の売り言葉に買い言葉で、夫人はシラーをこれ以上ないほど持ち上げた。

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レイディ・メイディ 23-2

 いささか気後れした夫人が、悟られまいと口を開く。

 

母「貴方は……」

父「うん?」

母「貴方はあの子のことはどうでも良いと思っているんだわ……」

父「やめなさい」

母「だってそうでしょう!? 妾の子だからどうでもいいと思っておいでなんだわ!!!」

父「な……」

 

 にわかに青ざめる。

 

「何を言い出すんだ、いきなり……!!」

 

 まさか今になってそんな台詞が妻の口から飛び出すとは思ってもみなかった。

 寝耳に水とはまさにこのことか。

 

母「何カ月か前に……シラーブーケなる娘が訪ねてきました。……私を母と慕って」

父「……何をバカげた……。まさか本気にしたのではあるまいね?」

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レイディ・メイディ 第23話

第23話:鬼姫

 シャトー家。屋敷。

 嫁ぎ先の決まった一人娘が、よりにもよって薔薇の騎士団養成所に勝手に入所したまま出て来ないとの知らせを受けて館主が戻って来たのはつい先日のことだ。

 

母「貴方!! どうしてもっと早く戻って来て下さらなかったの!? 連絡しましたのに!!」

 

 細工美しいテーブルを乱暴に叩いて、シャトー伯爵夫人は声を荒げた。

 

父「わかっている。だが、私も外交官だ。忙しいのはわかっているだろう」

 

 外国を飛び回っていた伯爵は疲れたように言ってソファーに腰を沈める。

 シャトー伯爵は伯爵号の中でもかなりの権限を有する名家だ。

 伯爵はいくつもの外国語を操り、その有能ぶりには舌を巻くほどで、外交官という大役を任されていた。

 夫人の方はなんと、女王の末妹のにあたるのだった。

 そしてまた、娘のメイディアも公爵家に嫁ぐことが決まっている。

 伯爵といえど、ここまでの力を有する家はそうそうお目にかかれない。

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レイディ・メイディ 22-5

メイディア「こうなったらクレスが相手ですっ!! 覚悟なさい、悪人怪獣レクザウロス!!」

 

 クレスの服に頭を突っ込んだまま、ビシッ☆とあさっての方向を指さす。

……見えていない。

 

レク「誰が悪人怪獣レクザウロスだっ!!

クレス「僕に言うなよ、違うだろっ!?」

メイディア「さぁ、やっておしまい、クレスモンガー!!!」

クレス「誰っ!!?」 びくーんっ!?

 

 勝手な名前を頂戴して、薔薇騎士レンジャーゴッコにいつの間にか巻き込まれる二人。

 ……ところで女の子の告白を受けた後に取り残されていたレイオット。

 ボケッとしている場合ではない。

 そう、メイディアと薔薇騎士レンジャーゴッコをするために走れ、今すぐに!!

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レイディ・メイディ 22-4

 一方、メイディアを追いかけていたレクをリクが見つけて声をかける。

 ちょうど、リクと立ち話をしていたところだったので、フェイトも自然とそちらを向いた。

 

リク「やあ、どうしたんだい? 日曜だっていうのにそんなに走り回って。元気だねぇ」

レク「あっ!! メイディ見なかった?」

リク「いや? 彼女がまた何か?」

レク「服にカエル入れられたァーっ!!」

 

 聞いた途端、けたたましく笑い出すリク。

 

レク「笑い事じゃないよ、もうっ!!」

フェイト「……………………」

 

 リクの似合わない笑い方に目をしばたく。

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