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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 64-21

 鎮も応えてゆっくりと腰を浮かせ、同時に突き刺した刀を手にした。
 息は整った。
 体力もだいぶ回復した。
 戦闘準備は万全だ。
 先手を切ったのは冴牙だった。
 直線的に走り込み、鋭い鉤爪を振り下ろす。
 鎮は冷静な動きで小さく身体を丸めて空中に逃れ、着地する流れで蹴りを繰り出した。
 身軽さと素早さに定評のある冴牙もそんなぬるい攻撃に当たりはしない。
 身を低くかがめて足が通り過ぎると同時に身を起こして次の攻撃態勢に入る。
 じりりと円を描くように互いの間を測り、詰める。
 地を蹴ったのはどちらからか。
 金属が触れる音が短く空気を振動させた。
 雨に吸収されてそう遠くまで伝わらない、音。

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NOォォォォ!!!!!

 しばらくちょっと詰まりが解消されて苦もそんなになく書けていたレイメイ、ここにきてまた詰まった(爆)
 今日更新した2つのときは一応ちゃんと進んでたんですよ。こりゃ詰まり解消脱出かなと思っていた矢先、そいつはやってキタ(爆)
本当はあと1つ、もう少しで更新できるくらいたまりそうなんですが、そのあと少しでまたつまずいた(‐_‐;)
 原因・偲兄さん(爆)
 内面が蛇行運転過ぎる……!
 確かに奴は矛盾した想いを抱えているんだけど、それを描いている内にゼロが迷宮入り。←…………;
 氷鎖女編がもっとスッキリまとめられなかったからいけないんですよね(泣)
考えがまとまっていない内に急ごうとして書き出すから、途中であっちこっち飛んでダラダラしたのがマズかったと思われる。

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レイディ・メイディ 64-20

 降り始めた大粒の雨はやがて数を増し、燃え広がった炎を鎮火させ始めた。
 炎に戦い2戦。木まで倒れている。
 さすがにもう気づかないとは言わせない。
 残り3名、まとめて来るか?
 だがその前に。
 鎮は血のついた刀を衣服でふき取り、地面に突き刺して倒れた木の上に腰を下ろした。
 
鎮「……ちょっと、休も」
 
 分銅が掠って切れた額に手を当ててみると、ぬめった血がついてきた。
 痛い。
 これは傷がふさがっても当分、アザになるななどとのん気に彼はつぶやいた。
 
 

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レイディ・メイディ 64-19

悟六「勝手なのはわかっておる。ただな、どうせあと1年2年しかもたぬ身であろ? 考えてみてくれ。お前の命一つで助かるものもある。だから、頼む」
 
 炎座や冴牙のようにただ鎮が憎くて言っているわけではない。
 悟六には家族がいた。
 妻と子供が4人。
 2年前、この任務を負って里を出るときには5人目の命が妻の腹に宿っていたのだ。
 もうとっくに生まれて2歳になっている。
何にでも興味を持って見聞きしたがる一番可愛い頃である。
 まだお互いに父子であることを確認していない。息子なのか娘なのか。
 それよりも無事に産声を上げてくれたのか。
 母体も無事なのか。
 

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レイディ・メイディ 64-18

クロエ「なんだか暗くて初めの位置がわかんなくなってきたわ」
リク「馬車で来たんだ、道なりに行けば着くよ」
 
 粗末な荷馬車に乗せられて、屋根となる丈夫な布が全体に覆いかぶさっていたため、外の様子は確認できなかった。
 けれど、道なりに来るときは崖が片方にずっと続いていたのではないかと気がついた。
 沢の音がずっとしていたのである。
 
リク「右だ。進行方向に対して右手はずっと崖だったんだよ、クロエ」
クロエ「右に気をつけていればいいのね」
リク「崖……そうか」
 
 やがて追ってきた人形の気配を感じ取り、振り返った。
 
リク「崖に落とすしかない!」
 

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レイディ・メイディ 64-17

 炎座と鎮が死闘を繰り広げていた頃の冴牙は、見つけた人形にまんまとだまされて追いかけていた。
 無論、見つけたからといって他の連中を呼ぶつもりはなかった。
 一人でも充分に倒せるという自信があり、また誰にも邪魔されない場所で“遊び”に興じるのもよいと思ったためだ。
 
冴牙「本当は観客いた方が燃えるんだけどなァ。ヒヒッ」
 
 熱を帯びた身体を満足させなければならないと強烈に切迫した思いに駆られていた。
 昔から泣かせるのが好きだと言ったのは、冗談などではなかった。
 鎮が10だとすると彼は6つ上の16歳だ。
 氷鎖女の村では、いや、東の国では15を過ぎれば一応は大人の仲間入りとされる。
所詮、若造の扱いだがそれでも大人としての責任を負わされるのである。
 それだけ年が離れていれば普通はそうちょっかいを出さないものだが、冴牙は違った。

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レイディ・メイディ 64-16

 相変わらず地上では炎座が鬼神の如く怒り狂い、手に触れる全てのものを燃え上がらせている。
 このままでは山火事になるなと鎮はのん気に考えた。
 避難していた木にも炎が移り、別の木へと移動せざるを得なくなった。
やがて待っていたとおり、戦いの音と怒れる炎座が放った炎を見つけた悟六が駆けつけてくる。
 他の連中は、巻物に封じて持ってきた人形を見つけ、それを追っている頃だろう。
 鎮は何も手ぶらで何の策もなく敵中に飛び込んできたわけではない。
 一定の間隔を置いた場所に、鎮の障気を吸って半分魔物化した人形を封じ込めた巻物を木に吊るしてきたのである。
 人が近づけば襲い掛かるように。
 リクとクロエを救ったのもこの人形の一種である。

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