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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 64-16

 相変わらず地上では炎座が鬼神の如く怒り狂い、手に触れる全てのものを燃え上がらせている。
 このままでは山火事になるなと鎮はのん気に考えた。
 避難していた木にも炎が移り、別の木へと移動せざるを得なくなった。
やがて待っていたとおり、戦いの音と怒れる炎座が放った炎を見つけた悟六が駆けつけてくる。
 他の連中は、巻物に封じて持ってきた人形を見つけ、それを追っている頃だろう。
 鎮は何も手ぶらで何の策もなく敵中に飛び込んできたわけではない。
 一定の間隔を置いた場所に、鎮の障気を吸って半分魔物化した人形を封じ込めた巻物を木に吊るしてきたのである。
 人が近づけば襲い掛かるように。
 リクとクロエを救ったのもこの人形の一種である。

▽つづきはこちら

 あれほどの巨大な人形に命を持たせるのは初めてであまり長くは動かないことを知っていたが、あの場から二人を抱えて逃げるには他の人形では小さ過ぎる。
 想像通り、今は道端に物として落ちいてるわけだが、そこまでは計算内だった。
 そこからは彼らが自分たちの力で逃げるといい。
 その間に自分は氷鎖女一族を全滅させればいいのだ。
 鎮は初めから勝つつもりで来たのである。
 一族が手分けして自分を探すかまではハッキリとした確信がなかったが、半分以上はそうなるであろうと見当をつけていた。
 手ぶらで出て行って、目の前で散々痛めつけられているからである。
 もう弱り果てて逃げ隠れするのが精一杯と思うなら、油断するに違いない。
 すぐに捕まってみせたのは、リクとクロエから目を逸らさせて人形で連れ去るためと、相手の油断を買うためだった。
 それでここまで体力を消耗してボロ雑巾になっていれば世話はないのだが。
 本当は少しばかり殴られている間にすぐに実行しようと思っていたのに、なかなか偲が人質から離れてくれないものだから、こんなことになってしまったのである。
 思った以上にダメージを受けてしまい、向こうが思う通り、実際に苦しい。
ここは計算違いもいいところである。少々、甘く見すぎていた感は否めない。
 だがこんなことは今までの人生、よくあったことだ。珍しくもなんともない。
 氷鎖女 鎮の生は、すなわち戦いの半生である。
 戦場から戦場へ。合間に平和が少し入って、また争いの渦中へ。
 多少の不利などは不利に見えない。
 彼は今も自分が負けるとはこれっぽっちも思ってはいなかった。
 殺し合いにかけては、自信家といえた。
 実際に、殺しの天才だったから。
 今回も自分が予想以上に傷ついた点を除けば、今のところ、思ったように進んでいる。
 全員が個人で行動した。
 今頃、彼らは“鎮人形”を見つけて追いかけている頃であろう。
 冴牙は炎座と同じく、功を求めて他の連中を呼ばない。
 他の3人の内、誰かが呼ぶかもしれないが人形にだまされているうちはそれでいい。
 いずれ炎座の炎と戦闘音に彼らは気づくだろう。
 まとまってやってきたら苦戦を強いられるだろうが、もし、個々でやってきたなら、こちらの勝ちである。
 一人一人、各個撃破だ。
 そうして二人目となる犠牲者が現れた。
 
悟六「うおっ!? こっ、これは!?」
 
 渦巻き吹き付ける熱風に顔を庇って、悟六が駆けつけてきた。
 
悟六「炎座! どうした、落ち着け! おシズと遭遇したのだな!?」
炎座「うおがぁぁぁ!!!」
悟六「炎座!!」
 
 炎座に気をとられている悟六にクナイが投げつけられる。
 
悟六「!!」
 
 振り向きざまに鎌でそ叩き落とす。
 
悟六「おシズかぁ!!」
 
 叫んだすぐ側で鈍い衝撃音がした。
 
悟六「……しっ……シズ……」
 
 木の上から炎座の頭上に鎮が落ちてきていた。肩車をした恰好で耳に刃を突き立てたのである。
 悲鳴を挙げさせる間もなく、どうしても鍛えることの出来ない急所であるのど笛も引き裂く。
 ひゅうひゅうと空気の漏れる音をさせて、炎座は膝をついた。
その巨体を蹴飛ばして、鎮は再び木々の中に消える。
のどから耳から大量の出血をして、炎座は動かなくなった。
討ち取られたのだ。
 
悟六「鎮!」
 
 炎が悟六を照らし、影を長く伸ばしている。
 上に逃げた鎮の影は見えない。
 こちらからは相手が見えず、相手からは丸見えであることが不気味だった。
 
悟六『……どこからくる?』
 
 鎖を握って分胴を振り回し、あちこちに放ってみる。
 しかし、ヒットしない。
 背後に気配がした。
 確かめる余裕もなく身をかわせば、やはり鎮だった。
 
悟六「おシズ、悪あがきはよせ! もはや逃げられぬ」
鎮「悟六殿、貴方様のご忠告は心に染み入りますが、この鎮。まだ死ぬわけにはいかぬのでございます。氷鎖女を一人残らず地獄に陥れて、二人を無事、元の場所へ送り届けるまでは」
悟六「…………変わったな、おシズ」
 
 ひゅんと分胴を回す。
 
鎮「12年も経てば誰しも変わろうというもの。さあ、悟六殿。炎座も待っております、黄泉平坂にてそろそろ旅立ってはいかがでございましょう」
 
 薄く、微笑んだ。
 紅い炎の光に照らされて、金色の瞳がいっそう煌いて見えた。
 炎座を降し、返り血を浴びた姿は修羅のようであった。
 平常だった心にも血が染みて、得体の知れない黒きモノに覆い尽くされていくのが実感としてある。
 こうなると痛みも恐怖も麻痺してしまう。
 ただ、血を求めたくなってくる。
 頭が、身体が冴え渡った。
 妙に清々しかった。
 できるだけ戦闘を避けたいと願う心はどこかへなりを潜めてしまう。いつものように。
 
悟六「残念だが、炎座の後を追うのは貴様だ、おシズ!」
 
 分胴が相手の動きを封じようと放たれた。
避けても器用にカーブして追ってくる。
だが、しばらく受け流していると軌道が読めてきた。
炎座をまともに相手したのは、実力を測るため。
しかしもうだいたい見えた。
あれが精鋭の一人というのであらば、万に一つも負ける要素はない。
鎮は思った。
そろそろ本格的に攻撃に転じようと。

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●Thanks Comments

ヒサメ先生強い☆

すごいっ、すごいっ。実は心配するほど弱いと思ってたよ(笑)逃げるだけが精一杯だと思ったら戦ってる!しかも強い?
頭ん中、アニメ化♪アニメ化♪

炎座がやられた。次はゴロクか?ってかヒサメ先生一人で無事に氷鎖女一族をやっつけることができるのか?

って事は偲も初も?
できればこの二人は無事でいてほしい...ナ。続き楽しみ♪

From 【あっぴ】2008.09.10 23:03編集

弱いと思われていた、弱そうな先生(大笑)

ええ、見たカンジ、小さいし細いしで弱っちそうなんですが、強いです。
氷鎖女VS鎮、引き続きお楽しみ下さい……とか言っておいて、まだ進んでなかったり。←オイ。
戦闘シーンがヘタクソなので困ります^_^;
ちゃんと読む人に伝わってるのかしらん?(滝汗)

From 【ゼロ】2008.09.10 23:12編集

先生!

鎮せんせー頑張って!
炎座の次に悟六が来るとは思いませんでした…!
悟六好きですが、あっさりやられそうな感じが…�
鎮人形でFF4のゾットの塔?の人形を思い出し、戦闘を見てると、るろ剣を思い出しました('`*)

From 【雲】2008.09.11 00:33編集

センセがエールもらった(笑)

はい、サイコロで決めたらそうなりました(爆)
頭の中では初が一番の予定だったんだけども。
割とみんな、あっさり終りそうな予感……ゲフン;
だって飽きちゃっ……モフン。
FF4? ……ハ! カルコブリーナ!?
アイツラ、キライでした。なかなか倒せなくて(笑)
るろ剣? あんまりイメージ湧かないけど、とりあえず喜んでおこう!
わーい♪
るろ剣では斉藤と由美が大好きでしたーvV←わかりやすっ!(爆)

From 【ゼロ】2008.09.11 01:03編集

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