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レイディ・メイディ 64-7
2008.09.06 |Category …レイメイ 64話
ひょいとそれを避けると魔法を唱え始める。
偲「…………」
鎮「うっ!」
魔力を練ろうとするとやはり左胸に痛みが走り、冷たい汗が噴出した。
痛みに耐えかねて歯を食いしばり、胸の辺りの布地をぐしゃりとつかむ。
偲「…………」
人形「残念だが、おシズ。お前のその妖力、封じさせてもらった。無茶をすれば心の臓が裂けようぞ」
偲に抱かれた人形が得意げに言い放つ。
リク「そんな……」
▽つづきはこちら
クロエ「何を言っているの? 先生はどうしたの、リク」
リク「封じられたんだ……魔法を……」
クロエ「……え……」
炎座「おお、さすがは偲よ! 近づいたはそのためか。確かにあの妖術は手に負えぬ。しかしそれさえなければ、恐るるに足らぬな!」
初「近づいたはそのためか……」
炎座の言葉を口の中で復唱して初がそっと笑う。
冴牙「おシズ! 教え子とやらを死なせたくなければ、おとなしく首を差し出すんだな」
冴牙が人質二人に刀を向けた。
鎮「………………」
リクとクロエを見て、それから初を経由して兄のところで視線を止める。
鎮『あにさま……』
偲「…………」
クロエ「逃げて! この人たちの目的は、先生なの! お願い逃げて!!」
リク『先生……』
冴牙「どうすんだよ」
血の気のない顔で必死に叫ぶクロエの細い首を刃が傷つけた。
冴牙「ピーピーうるせーぞ、小娘」
クロエ「卑怯者!」
冴牙「卑怯結構」
クロエの顔面を蹴飛ばす。
クロエ「うぶっ!」
リク「クロエ!!」
冴牙「さぁ、どーすんだ、センセ。姫さんのツラァ、見れなくなるゼ? ……お前みたいになァ!」
続けざまにクロエの横腹を蹴りつけ、頭を踏む。
口の中が切れ、鼻からも血があふれ出る。
リク「よせ!!」
冴牙「よして下さいの間違いだろ。ガキャ言葉の使い方も知らねぇのか? あん? だが心配しなさんな。オメーは後よ。その赤い目ん玉くりぬいて、食わせてやらァ。嫌なら先生サマに頼んでみるんだな。ボクのために死んで下さいってな」
氷鎖女一族はみな、鋭い殺気をみなぎらせて鎮の一挙一動を見守っている。
少しでも妙な動きでもすれば、すぐに切りかかれるように神経を張り詰めているのだ。
やがてあきらめたように、鎮は刀を捨てた。
悟六「まだ武器を持っていよう」
言われてクナイと火薬玉を捨てる。
悟六「他には」
鎮「もうございませぬ」
悟六「偲、確かめよ」
初「待って。そのお役目は私が」
偲が動くより前に初が走り寄った。
想い人と魔性の接触を拒みたかったのだ。
偲「!」
悟六「待て、初!!」
言ったときにはもう遅い。
あっという間に初は鎮の手に落ちた。
手首をつかまれ、引き寄せられるとぐるり回って後ろに腕をねじり上げられてしまった。
初「!!」
鎮「人質と交換していただこうか」
初の腕を折れる寸前までねじりあげる。
初「ああっ! くぅっ!!」
悟六・炎座「初ッ!!」
冴牙「おりょりょ? はーあ、言わんこっちゃねぇ」
鎮「早くしていただかぬと、腕が折れますがよろしいか」
偲「………………」
冴牙「ふん。忘れるな、こっちには人質が2人いるんだぜ?」
鎮「では、お初はどうでもよいと?」
ごきゅっ。
妙な音が鳴った。
初「あっ!! ああああああっ!!!!」
悟六・炎座・偲・冴牙「!!」
リク・クロエ「!!」
闇夜を引き裂く、美女の悲鳴。
それは小説でよく使われる常套文句だが、いざ聞いてみるとこれほど恐怖を煽るものはない。
鎮「腕は折っておりませぬ。間接を外しただけ。さて。まだ声を聞きたいとあらば、次は折ってみせますが……ご希望はおありか」
初「はっ、はっ、はっ……!」
初は痛みのために身体を汗でびっしょり濡らし、息をせわしく吐き出した。
初「おのれっ、おのれ、おシズ! 殺すなら一思いに……!」
鎮「そうはゆかぬ、お初。久々に会ったのだから、そう睨まないでおくれ? シズは寂しい」
耳元で囁かれ、初は全身が総毛だった。
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●Thanks Comments
わーっ、わーっ。
次はどうなるんだ?!←いや、毎度うるさいから....。ヒサメ先生、リク、クロエ頑張れ☆やはり偲兄さんは裏切り者なのか....(T_T)残念だ....続きすごく気になるけど、おとなしく待ってる(笑)
続き誰か書いて……ゴフッ。
毎度、楽しみにして下さってありまとう!
しかし、また詰まるの巻(爆)
どういう結末にするかまだ決まってなかったのよね^_^;
これから考えなくっちゃ;
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