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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 63-3

リク「じゃあ、持ち主探してあげないと。それまで俺が預かっててあげよう」
木箱「い、いかん!! これはそう、拙者の持ち物でござる!!」
リク「じゃあ、先生のところに届ける」
木箱「いや、まちごった!! 保健室の道具入れにござい!!」
リク「それならやっぱり届けるよ」
木箱「きっ……木箱は、自分で行くからいいって言ってるでござるよ」
 
 ガタブル。
 
リク「ふふふふふっ」
 
 いや~な笑い……に、自称・木箱には聞こえる空気を発して、リクは箱の上に腰を下ろしてしまう。
 
偲「…………」

▽つづきはこちら

木箱「!? こっ、これっ!!」
リク「あれ~? 木箱がしゃべるって聞いたこともないなー? 中に何が入っているんだろー?」
木箱「ぬ…ぬうぅ~。しょうもないところに興味を持たず、宿舎に帰るがよろしかろう!! 木箱をイジメるでない!!」
  『何故、この変装がバレたのだ!? 廊下に自然に落ちてる風味・木箱の装いは完璧だったハズ…!! あなどれぬ、リク=フリーデルス』
リク『ニンジャは変装の達人っていうけど………どうだろ、コレ……。そもそも廊下に木箱がある自体、あきらかにおかしいんですけど』
 
 例え、何者か(敢えて誰とは言わない)が入っていなくても、ただ木箱が廊下にあるだけで、誰かしら興味を持つだろう。
 何ゆえ、このチョイスなのか。
 本人はコレでだませる気でいたらしい。
 わざわざ思い返さなくても、授業前に確かこの箱を廊下に設置しているのを見かけた。
 隠れる気、満々だ。
 上に座って足をぶらつかせていたが、やがて体をねじって古い木箱の隙間に目を当ててみる。
 ちょうど自称・木箱の方でも外の様子を覗こうとしたらしく、同じ隙間に目を当てていた。
 間近でお互いの目がぱちくり。
 
リク「あ」
  『先生の目だ……』
 
 初めて見たが、隙間からドアップ。しかも一瞬だったため、形も何もわからなかった。
 ただ、兄と同じ目の色でなかったのは確かだ。
 
木箱「ぎゃっ!!」
 
 木箱の中でぶつかる音がした。
 
リク「……そんなに驚かなくてもいいのに」
『ていうか、双子……??』
 
 本当にどこもかしこも似ていない。
 リクが鎮ジメに興じているとアンが苛立ちを込めた声で鋭く呼んできた。
 
リク「あれ? アン、どうしたの?」
アン「どうしたのじゃないでしょ!? どうして無視するの!?」
リク「ゴメン。無視してたつもりじゃなかったんだけど……気づかなくて」
アン「帰ろう、一緒に」
リク「うん、そうだね。その前に……コレ、どうしよっか?」
 
 箱を軽く叩いて見せる。
 
リク「先生が入ってるんだ。コレで逃げるつもりだったらしいよ? クスッ」
アン「……………」
 
 箱に視線を落とし、
 
アン『バッカみたい』
リク「可愛いよね、ちょっと」
 
 プッと吹き出す。
 
アン「……可愛い?」
リク「だって、ホラ、コレ……」
 
 必死に逃げ果せようと箱を中から押して進もうとしている。
 しかしリクが腰掛けているため、動かずにプルプルと細かく震えているのみだ。
 
リク「…ぶふっ」
 
 口を押さえ、どうかすると爆笑してしまいそうなのをこらえている。
 残酷なこと、この上ない。
 優しくて性格のいいと評判リクのだけど、根っこのところは意外とイジワルである。
 
偲「…………」
アン「ねー、もう行こうよ。そんなの放っておこ?」
木箱「アンの言うが正しい。アンはエライ。エライ、アン」
アン「……………」
リク「んー…しょうがないなぁ。じゃあ、また明日ね」
木箱「うるさい。はよ、帰れ!!」
 
 
 翌日、鎮授業後にまたしてもあの箱が出現!!
 しかも今度は、箱に枝をくっつけてカムフラージュをしてる風味。
 
偲「…………」
 
 学務の授業が終わるなり、生徒達よりも先に廊下に出て、急いでソレをかぶる自称・木箱。
 授業終わってすぐにクロエとリクに捕まらないための対策らしいが……。
 
偲「…………」
 
 ドアからゾロゾロと出て来たクラスの全員の足が止まり、ソレに注目する。
 
リク「……いや、だからさ。そういう問題じゃなくてね? 廊下にそういうモノが落っこちてる自体がそもそもね」
フェイト「……何のつもりだ、コレ」
 
 いつも座学は鎮の授業をとっている青薔薇専攻のフェイトが剣の鞘で箱をつついた。
 
クレス「バカだから。放っておいてやれよ」
フェイト「………………ヒサメ先生ってさ……」
カイル「みなまで言うな。みなまで」
クロエ「これが変装の術ね!? ……ステキ…」 ウットリ。
ステラ「ここにもバカ一人よ」
クロエ「だって確かにどっからどう見ても完璧な木箱なのよ!」
フェイト「そりゃそーだろ。木箱かぶってるんだから……」

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