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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 62-5

 5を数え終わった。
 しかし出てくる気配はなく、子供がすすり泣いているだけだ。
 
声「ごめんなさい、ごめんなさい……ごめんなさい……」
メイディア「…………仕方ありませんわねぇ。本当にアナタだけなのね?」
声「暗い、怖い……おうちに帰りたい……」
メイディア「はいはいはい。泣かないで。今、出して差し上げますわよ」
 
 ドアノブに手をかけてはたと止まった。
 ここは札が無数に貼られているのだ。
 
メイディア『剥がして……いいものかしら?』
 
 心の中がざわりと波打った。
 

▽つづきはこちら

メイディア「窓から外に出られない?」
声「出られない」
メイディア「入ってきたクセにどうしてですか、まったく世話の焼ける」
 
 頭の片隅にある警告の鐘が激しく打ち鳴らされていたが、メイディアはそれに従わなかった。
 子供の泣く声が哀れに思えてならなかったからだ。
 この暗闇の中、閉じ込めておくには可哀想すぎる。
 
メイディア「ところでアナタ……お名前は?」
声「シズ……鎮……」
メイディア「シズカね」
『……あら? どこかできいたことがあるような?』
     「今頃、お母様は心配していらっしゃるでしょうね」
声「…………」
メイディア「ちゃんと連れ帰ってあげますから、もう泣かないで」
声「…………」
 
 札でわざわざ貼ってある禁じられた部屋。
 それを開けてしまってもよいものか迷ったが、もうどうせ反対側は開いているのだ。
 今更と覚悟を決めた。
 札を破いてドアを開く。
 途端に突風が吹き込んできてドアをイキオイ良く弾いた。
 
メイディア「あっ!」
 
 ノブからメイディアの手が外れ、ドアは壁に激突して大きく音を立てる。
 杖に取り付けてある水晶に魔力を送って明かりとしていたが、ふっとそれが消えてしまう。
 
メイディア「!?」
 
 真っ暗になってしまった。
 同時にバタバタと複数の足音が横をすり抜けていった。
 
メイディア「!! 一人じゃない!? 誰!? 誰なの!? 止まりなさい!!」
 
しばらく動けずにいたが、スカートがそっと握られた気配があって、子供がそこにいるのだとわかった。
 
メイディア「し、心配しないで。大丈夫……」
 
 完全なる闇に飲まれて、自分の肉体すら探し出せなくなった状態に狼狽したが、子供を怯えさせないように努めて明るく言った。
 
メイディア「やっぱり他にも誰かいたのですね」
子供「ううん」
メイディア「でも今、足音が……」
子供「シズしかおりませぬ
メイディア「……もう、アナタ、まだ何か隠しているでしょ。いいわ。明かりをつければすぐにわかるんだから」
 
 
 もう一度杖に魔力を込めると白い光が灯って、周辺を薄ぼんやり照らし出した。
 
メイディア「さぁ、これでどう?」
 
 得意げに言い放って、メイディアは凍りついた。
 そこに。
 たった今の今まで自分のスカートを握っていたハズの子供がいなくなっていたのだ。
 
メイディア「どこ? 離れないでこっちに来て。怒らないから」
 
 あわててあちこちに明かりを向ける。
 部屋に戻ったのかと思い、中に踏み込んだ。
 
メイディア「やだ……人形置き場でしたのね……」
 
 そうでなくとも人形だらけの家だが、そんなのは問題にならないくらいの人形がこの部屋にはひしめいていた。
 状況が状況でしかも夜。
 気味が悪いことこの上ない。
 
メイディア「………………」
 
 いつの間にか汗をかいていたらしい。
 じっとりと汗ばんだ額を袖でぬぐう。
 
メイディア「シズカ、シズカ! どこに行ったの、叱らないから出てらっしゃい」
 
 奥まで踏み込むのはやめにして、急ぎ、2階の廊下中の蝋燭台全てに火をつけて回った。
 屋敷全体を明るくしてから、再び例の部屋に踏み込む。
 慎重に。
 そうして不自然な出来事に直面する。
 
メイディア「……窓が……………………………………」
 
 窓はどれも閉じられたままだった。
 内側から釘で厳重に打たれて、猫の子一匹入り込む余地もない。
 外に置きっぱなしで雨ざらしになっているハシゴを使って登り、窓を破ったのだと思っていたのに。
 表のドアから入った形跡もない。
 ドアを開けたらあの札が切れていないとおかしいのだ。
 ドアと枠をまたがって貼り付けられた札も多かったのだから。
 あれを破ったのはメイディアだ。
 しかも今しがた。
 それまではしっかりくっついていた。
 見間違いなんかではない。
 ならばどこからあの子供は侵入したというのか。
 そしてどこへ行ったのか。
 愕然として膝をついたが、すぐに気持ちを持ち直し、急ぎ足で家中を叫んで回った。
 
メイディア「誰かいるのでしょ! 出てきなさい!! 足音聞いたわ! 隠れても無駄ですからね!!」
 
 全ての部屋を開けて回ったが、人間の気配はない。
 もう外に出て逃げ去ってしまったのかもしれない。
 だが、それにしては物音の一つもなかった。

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●Thanks Comments

シズカがいっぱい

シ、シズカが....?ヒサメ先生もシズカで偲が持っている人形もシズカで....これまたこの子供の声もシズカ....うーん.....謎だ。ヒサメ先生謎が多すぎるっ(笑)可愛いと思えば、怖いところもあり、カッコイイところもあるし....不思議な人だ。


追記☆きのこ料理の話。もし、豆腐を使う時には豆腐も一度焼いてからきのこを上にかけることをおすすめします(^-^)

From 【あっぴ】2008.08.29 19:08編集

昨日はうっかり、

ヤル気パワー放出しすぎて電池切れして早々に寝こけてしまいもした^_^;
コメントありまとう、いつも励みになってます♪

偲が持っている人形は勝手に偲が鎮と名づけただけですけどね(笑)
さあ、本日はキノコパワーでがんばりマッスル☆
更新せめて1回くらいはしなければ!!
できればもう少し(笑)

From 【ゼロ】2008.08.30 08:52編集

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