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レイディ・メイディ 60-21
2008.08.16 |Category …レイメイ 60話
埒が明かないとクロエがニケを連れに走った。
クロエ「……というワケなんです。どうにかしてあげて下さい」
ニケ「ヒサメの双子の兄? ダメじゃない。部外者を入れちゃあ」
クロエ「全面的にリクがいけないんです。それはもう悪者なんです、彼は。私とニンジャ先生は悪くありませんから。ちっとも」
ニケ「………………」
じと目で言い訳たっぷりのクロエを見やる。
クロエ「でも今更、可哀想ですよ。だって10年振りだって言ってるのに」
ニケ「それでヒサメはちゃんと断わっているんだ? それならそれで話は済んでるじゃない」
クロエ「でもぉ。お兄さんが可哀想! ニケちゃん、どうにかして? だってこの辺は宿なんてないんですよ?」
ニケ「とは言われても…っと」
現場に到着して、見覚えのない異邦人に目を留める。
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レイディ・メイディ 60-20
2008.08.16 |Category …レイメイ 60話
クロエはフェイトを完全無視して、また先生説得にかかる。
クロエ「先生が何をそんなに心配しているのかわからないわ」
鎮「……むっ」
『……わからないじゃねーよ。オマエラのせーだ、オマエラの』
姫に間違われて狙われるクロエと食い逃げで命を狙われている(と鎮が勝手に思っているだけ)リクを庇ってのことなのに。
クロエ「大丈夫よ。お兄さんが尋ねてきてくれたけど、この辺に泊めてあげられる家もないから、しばらくの間、置いててくれますかってちゃんと頼めば」
鎮「しかし……それは……」
クロエ「リク、お兄さんをニケちゃんのところまで連れて行くの手伝って。フェイトも」
フェイト「……え、あっ、わかった」
レイディ・メイディ 60-19
2008.08.14 |Category …レイメイ 60話
リク「許可を取ろうよ。せめて数日間くらい。……いや、ここから一番近い町に宿を取って、そこにいてもらおうよ」
鎮「だって目の届く所にいて下さらないと……」
リク「く……下さらないと?」
鎮「あとの4人と共謀して、謀をするや知れぬ。そんなの怖い!!」
偲「しないから。しないから」
偲、ねこまんままみれで頭を振る。
大変だ。
とりあえず、興奮気味の弟に逆らったら何をされるかわかったものではない。
昼間の冷静さは仮面だったか。
現在、弟の頭の中は大混乱の真っ最中。
混乱したいのはこっちなのだが。
レイディ・メイディ 60-18
2008.08.13 |Category …レイメイ 60話
鎮「見た目がアレなだけで、大丈夫。腐ってないし、食える」
リク「………………」
鎮「拙者ならほんのり嫌だけど」
リク「嫌なんじゃんっ!!?」 ガビッ!?
鎮「でもあにさまは平気。全然」
リク「へぇ……だ、大丈夫……なんだ? その……生ゴ……ねこまんま」
鎮「たぶん」
リク「……それって、あれ、あの……たぶん?」
鎮「うん」
こっくりと頭を下げる。
リク『うわぁ、うわぁ、大変だ……』
どきどき。
レイディ・メイディ 60-17
2008.08.12 |Category …レイメイ 60話
鎮「聞き分けて下され」
偲「…………よかろ……」
鎮「申し訳ありませぬ。すぐに別の手立てを考えますよって」
家には年頃の少女が一人でいる。
99%は大丈夫だと思ってはいるが、それでも若い男女。
それもよく性格を見知った安心なリクやクレスではない。
万が一、少女の身に何かあっては一大事である。
兄を信じたい気持ちはあるが、どうしても冷静な心がもしもを考えてしまう。
養成所に生徒のフリでというのも良い考えに思われたが、ここにはクロエとリクがいる。
氷鎖女一族にとって、西の大陸など知ったことではないハズだが、万が一、依頼などを受けていては大変である。
メイディア、クロエ、リクの3人にはなるたけ近づけたくはない。
特にクロエとリクは興味を持って向こうからわざわざ近づいてきてしまうので困る。
レイディ・メイディ 60-16
2008.08.12 |Category …レイメイ 60話
その様子を泣きだしてしまった鎮は見る余裕もなかったが、偲は冷徹な眼差しを向けていた。
ローゼリッタの姫君と日の王子及び暁姫を身につけた少年……
指で弟の髪を優しく梳きながら、瞳にほの暗い光が帯びる。
鎮「ところで、あにさま」
すっと兄から離れて距離を取る。
偲「?」
鎮「なのな、」
偲「………………」
鎮「ここはな、」
偲「………………」
鎮「関係者以外踏み込んではならぬのでな」
偲「……?」
鎮「………………………………………………外で野宿してて?」
偲「………!!」
がびーん……!?
レイディ・メイディ 60-15
2008.08.12 |Category …レイメイ 60話
遅れて保健室前に到着していた3人が一生懸命に聞き耳を立てている。
クロエとフェイトはいくら聞き耳を立てたところで無意味なのに。
唯一、言葉を理解できるリクも会話が小さくてあまり聞こえていなかった。
氷鎖女兄弟はそろって声が小さい。
クロエ「何を言ってるの?」
リク「……しっ!」
ノブに手をかけようとしたクロエを制する。
リク『……ダメだ、途切れ途切れしか聞こえない』
その横でフェイトは剣の柄に手をかけている。