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レイディ・メイディ 60-7
2008.08.07 |Category …レイメイ 60話
リク「先生、あの……」
氷鎖女「……誰?」
注意深く教卓に教本を置く。
偲「……………」
リク「先生のお兄さんって人が……」
氷鎖女(以後、鎮)「……………」
“先生のお兄さん”という人物が椅子から立ち上がって前に2、3歩、歩み寄った。
鎮は一歩下がって、帯に差した刀に手をかける。
その場にいた生徒達は抱き合って泣いて喜ぶ感動の再会シーンを思い描いていたのに、予想外にもヒサメ先生の態度は硬かった。
ぴんと緊張の糸が張り詰められる。
鎮「あにさま、で、ございますか」
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レイディ・メイディ 60-6
2008.08.06 |Category …レイメイ 60話
同日、まだ早い時間。
氷鎖女 鎮宅。
メイディア「リクはおいしいおいしい言っておりました? ワタクシのお手製クッキー」
わくわく♪
氷鎖女「言うか、ボケ。口から血を流しておったわ」
メイディア「ムキョ!」
「リクはもう18ですか。先生を追い抜くまであとわずかですわよ?」
氷鎖女「年は追い抜けないわ、ボケ」
メイディア「おおっーと! そうでしたわ。ワタクシとしたことが。背の高さの間違いでした」
氷鎖女「……こっ……」
メイディア「あーらあらあら。背は元からでしたわよねぇ~? ドュフフフ」
目上の頭をナデナデ。
レイディ・メイディ 60-5
2008.08.06 |Category …レイメイ 60話
リク「異国の人だし、ヒサメ先生のことわかっているくらいだから……」
フェイト「わかってるってどのくらいだよ」
リク「子供のころ……10年前に別れたとか」
フェイト「バッカ! それって他人でも言えるぞ」
リク「そ、そうだけど……」
フェイト「他の連中はともかく、まさかお前があっさり連れてくるとは思わなかった」
リク「雰囲気……かな。そういえば、疑い、あんまり持たなかった」
クレス「いや、すんごいアホちっくだったから、絶対、ヒサメ兄だって。心配ないよ」
アホい。
その一点で皆が信用してしまったのだ。
フェイト「……ありえねぇ」
がっくり。
レイディ・メイディ 60-4
2008.08.06 |Category …レイメイ 60話
初「おシズがどのような力を持っているか知れませぬ。もっと下調べが必要だったのでは?」
悟六「それはワシも思ったが、偲が行くと言うでな。任せることにした」
初「…………」
炎座「そう案ずるな、お初。シズは忍の法を心得ておるまい。ワシらの勝ちに決まっておる」
初「しかし、この西の大陸には“まぢっく”なる怪しげな妖術が……」
炎座「大したことはなかったではないか。あの公爵も操っておったが、あの程度では我ら一族の敵ではない」
体を揺すって巨漢が豪快に笑った。
悟六「油断は禁物ぞ、炎座。あの大名、まだ何か底知れぬものを感じるでな。隙は見せてはならん」
炎座「相変わらず、慎重よな。慎重も過ぎると臆病となり申そう」
悟六「なんだと」
臆病と聞いて、悟六が鋭い視線を突き立てた。
レイディ・メイディ 60-3
2008.08.06 |Category …レイメイ 60話
人形「シズの部屋は?」
リク「そこまで案内はちょっと……食堂に入れたのも本来ならマズくて……」
人形「偲、出て行けって」
リク「あっ、出て行けっていうか」 アセアセ。
人形「シクシクシク……せっかく遥々、会いに来たのに。ここから歩いて戻ったら何日かかるか……それなのに。ああ、それなのに。およよ」
偲「………………」
泣きまねの人形をなでて、チラッチラッとリクを見る。
催促満々の視線ビームを放って。
リク「…………わ……わかりました………俺たちの部屋で良ければ……」 滝汗。
……負けた。
変な人に負けてしまった。
レイディ・メイディ 60-2
2008.08.05 |Category …レイメイ 60話
リク「あのすみませんけど……家は誰も知らないんです。明日には戻りますので、御足労ですけど、また出直してもらえませんか?」
氷鎖女・兄「……………」
紅い瞳と黒い瞳が一瞬、かち合った。
リク『これが………先生の……素顔?』
無表情で感情の読み取れない、温かみの感じられない顔立ち。
背から声からこれだけ違うのだから、素顔もきっと違うだろう。
しかし似てはいるはずだ。何せ双子なのだから。
鎮の額あての下にこの顔を当てはめて、想像してみた。
リク『……もっと可愛いかと思っていたけど……』
リクの中で、オコジョな鎮の顔にバッテンがつけられる。
レイディ・メイディ 第60話
2008.08.05 |Category …レイメイ 60話
第60話:兄弟再会
6月。
薔薇の騎士団養成所・宿舎3階。
カイル「リクリク、クレス! リクレス!!」
カイルがノックして叫ぶ。
クレス「うるさいな。混ぜて呼ぶなよ。何がリクレスだ」
カイル「超巨大ビックニュース!」
クレス「ニュース?」
カイル「ヒサメ先生のお兄さんが……キータァー!!」
クレス「なんだそんなこと……………………………………って……」
「エエェエェエェエ!??」
リク「!!」
クレス「ど、どういうことだよ、それ!?」
ドアを開け放ってカイルを引き入れる。