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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 9-4

 昨日と同じ会場にやってくるとそこではすでに白薔薇候補生たちの試験がスタートしていた。

 

ジャック「ホラ、開会式に間に合わなかったじゃないか。説明聞きそびれちゃった」

ガーネット「……俺たちが聞いてどうする」

ジャック「それもそうだな。俺たちは青薔薇だし」

ガーネット「いや、そうでなくて」

 

 しかしもはや聞いていないジャックは早々に早々に敷物を広げ、その後ろに2本の杭を立てて製作した垂れ幕を縛り付ける。

 巨大ビックに“がんばれ! クロエ=グラディウスちゃん☆ ガーネットお兄ちゃんも見ているぞ!! 目指せ白薔薇”と書いた例のブツだ。

 旗ももちろん健在。

 

ジャック「ホラ、ガーネットもこの旗を持つんだ」

ガーネット「……………………」

 

 ず~ん…… 暗い表情で無理に持たされた旗を見つめる。

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レイディ・メイディ 9-3

ガーネット「うわっ!? いつのまにっ!?」

ジャック「初めからいたが」

 

 きちんと両手をひざに乗せて神妙な表情をしている。

 

ガーネット「んな正面からヒトが食べてるのを黙って見てるなっ

ジャック「じゃあ歌おう」

ガーネット「いらん!!」

ジャック「ある日ーパパと二人でぇー語りあったさー♪ この世に生きる喜び、そして悲しみのことをー♪」

ガーネット「いらんゆーにっ! グリーグリーンはいいっ!!

ジャック「ああ、良いよな。父上がお亡くなりになってしまうのは切ないが、彼はきっと父上の言葉を胸に強く生きて行くことだろう」

ガーネット「“いい”の意味が違う!」

ジャック「早く食べるんだガーネット」

 

 会話、不成立。

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レイディ・メイディ 9-2

 翌朝。

 グラディウス邸。

 

ガーネット「う~……ふ、あ~あ」

 

 目を覚まして上半身を起こし、大きく伸びをする。

 細く開いた窓から秋の日差しが差し込み、白いカーテンをゆらしている。

 

ジャック「やあ、おはよう! とても爽やかな朝だ」

ガーネット「……………………………………………………」

 

 聞き慣れた、しかしここにあってはならない声が間近から聞こえた。

 まさか……。恐る恐る眼球の向きを右にズラしていくと、そこにはやはり。

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レイディ・メイディ 第9話

第9話:クロエ妄想禄

 第1日目の試験終了。

 白薔薇候補生は全体で筆記試験を。

 黒・赤・青の薔薇候補生の一部は実技試験を行った。

 明日は黒・赤・青の筆記試験と白の実技試験となる。

 夜。

 食事も入浴も終わらせて部屋でくつろぐ面々。

 

モーリー「やっぱりメイディア様とレイ様は勝ったのねぇ~? そうだと思ったぁー

メイディア「当たり前です」

レイオット「正直、危なかったんだけどね」 苦笑い。

     「いつも練習試合ではレクに苦戦したことないのに、本番に強いタイプなのかな」

メイディア「でも負けたわ」

レイオット「こっちの運がよかっただけよ」

モーリー「またまた謙遜しちゃってェ~」

レイオット「ホントだってば」

ジェーン「レイ様、スッゴイかっこよかった~」 ウットリ。

レイオット「はは……ありがと……」

     『喜んでいいものやら……』 ちょっとフクザツ。

モーリー「また女の子からのラブレター増えちゃうねー」

レイオット「……う。」

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レイディ・メイディ 8-3

 場面変わって再び試験官室。

 

ヴァルト・ナーダ「………………………………」

 

 何故か冷めた表情で腕を組んでいる二人。

 

ニケ「長引くね、この戦い」

氷鎖女「うん、あのイモムシウンコ……なかなか食らいつくでござるな。話題のレイオット相手によくやりよる」

アイビー「その……イモムシウン……ってなんなの?」

氷鎖女「あ、それこっちの話。ウチの組のリクに似た名前のまぎらわしい名前の奴だったと思ったな」

ヴァルト「……レクだ」

氷鎖女「あ、そう。ソレソレ。ソレでござる」

ヴァルト・ナーダ「………………………………」

 

 二人は今、レクとレイオットの戦いより別のモノを発見して閉口していた。

 壁には左に黒魔術の試合が。右に赤・青剣士試合が。

戦いの様子を映した画面の端にときどきチラチラと見え隠れしているあの青い制服は……

 まぎれもない。“奴”のである。

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レイディ・メイディ 8-2

レク『そうだ、これが第一歩目なんだっ! 俺の……』

 

 果敢に攻める。

 

レク『俺はレイオットやフェイトとは違う。才能なんてないのかもしれない……! でも……けど!』

声「いいテンションだっ! だが、油断はするな」

レク『俺は近づきたい! あの人のように、誰かを守れる強い剣士になりたいんだっ!!』

レイオット『うっ、すごい気迫! 引いたら負ける……!』

 

 驚いたことに有力と思われていたレイオットが押されている。

 相手の剣をさばくのが精一杯になって、後ろへ後ろへと下がっていってしまう。

 ガーネットの存在はレクに勇気と力を与えていた。

 その声に引きずられたのか他の男子学徒たちもレクの応援を始める。

 

男子学徒たち「レクー! ファイトだっ!! ギャーギャーうるさい女共なんか気にするなーっ!」

      「そーだそーだ!」

女子学徒たち「なんですってぇ!?」

男子学徒たち「レクー! 俺らはお前の味方だぞーっ!!」

レク『ガーネットさん……! 皆っ! ありがとう、俺、負けないよ。負けるもんか!』

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レイディ・メイディ 第8話

第8話:憧れ

 レイオットは試験の舞台に上がると深呼吸を繰り返してきりっと表情を引き締めた。

 対するは青薔薇候補生・レク。

 こちらも胸に手を当てて高鳴る緊張を押さえ込んでいる。

 

審判「両者、前へ」

 

 二人、前に進み出て鞘から剣を引き抜く。

 キンッ……!

 互いの剣を合わせるのを合図に試合が開始された。

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