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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 46-10

 二人が騒いでいる間に放心状態だったメイディアは何とか立ち上がって、おぼつかない足取りで医務室を後にした。

 宿舎に戻ろうと校舎を出た彼女を待っていたのは、試験でのチームメイトだった。

 閉会式が終わって保健室に駆けつけるところだったのだ。

 

クロエ「メイディ! もう起きて大丈夫なの?」

メイディア「ええ。大したことはございませんでしたので」

クロエ「待ってて、今、回復魔法を……」

メイディア「結構です。白薔薇の騎士がかけてくれましたから」

クロエ「そ、そっか。それなら安心ね」

ダレス「あ~……その……なんだ、意外とがんばったって。次の試験でホラ、挽回すりゃいいんだしよ。ヘーキ、ヘーキ」

メイディア「ダレス……ありがとう……」

     『でも……“次”はないの……』

ダレス「いやぁ、まぁ。な、なぁ、フェイト?」

フェイト「どうして俺に振るかな」


▽つづきはこちら

メイディア「今回のことではとんだご迷惑を………皆さん、本当にごめんなさい。でも……そう、次はこんなことはありませんからご安心なさって」

クロエ「そ、そうだよね! うんっ。次には復活できてるわよ!」

ダレス「期待してっからよ、そんなに気にするなって。な、フェイト?」

フェイト「だから、なんで俺に……」

メイディア「さ、部屋に戻りましょう。ちょっと疲れてしまいました」

 

 寮に戻り、男子女子とそれぞれ別れる間際にフェイトが振り返る。

 

フェイト「“ソレ”を使わなかった君は………」

メイディア「!」

クロエ・ダレス「?」

フェイト「よくやったと、思う」

メイディア「知って……?」

 

 驚いた表情で、ポケットの中にある物を服の上から握り締めた。

 

フェイト「少し、知識があるんだ」

メイディア「…………」

フェイト「だけど、使わないと思ってた」

メイディア「…………」

フェイト「……君は、……君は誇り高い貴族の娘だから」

メイディア「…………」

 

 大きく息を吸って、少女を真正面から見据える。

 

フェイト「一年前に言ったこと、撤回するよ。……君はもう充分、一人で何でもできる」

メイディア「…………………」

フェイト「それから、ペンダントの事件だけど」

メイディア「あれはっ」

フェイト「俺は盗っただなんて思ってない。そんなことをするハズがないからな、君が。……じゃ」

 

 軽く手を上げて、男子寮への階段を上がって行く。

 

メイディア「………………………………」

クロエ「メイディ?」

 

 フェイトたちの姿が見えなくなってしまうまで見上げているメイディアの顔を下から覗き込む。

 

メイディア「戻りましょう」

クロエ「あ、うん」

 

 部屋の前で互いの労を労う言葉をかけあって別れようとしたフェイトをダレスが茶化していた。

 

ダレス「何だったんだよ、さっきのアレ」

フェイト「アレ? ……ああ、お前には関係のないことだ」

ダレス「ヒュウ♪ スカしやがって」

 

 急に真面目腐った表情を作り、

 

ダレス「“君は誇り高い貴族の娘だから”」

フェイト「……ん?」

ダレス「“一年前に言ったこと、撤回するよ。君はもう充分、一人で何でもできる”」

フェイト「……オイ……」

ダレス「俺は盗っただなんて思ってないよ。愛しい君がそんなことをするハズがないからね」

フェイト「……待て」

 

 今度は目を潤ませて、可愛らしく?口元に両手を持っていき、

 

ダレス「フェイトくんっ!!」

   「メイディア!!」

 

 口を尖らせて、

 

ダレス「ぶちゅぅ~☆」

 

 誰もいない空間に向かってキスの真似をする。

 

フェイト「なっ……!? アホかっ!!!」

ダレス「だはははははっ!」

フェイト「あのなぁ……俺と彼女はそんなんじゃない」

 

 額に手を当てて、ため息。

 

ダレス「俺と彼女だってよォ~♪ ウヒョヒョヒョヒョ」

フェイト「ったく、ガキかお前は」

 

 本当に頭痛がしてきそうだ。

 

ダレス「まぁ、あのお嬢様はアンタに任すわ」

フェイト「勝手に任すな」

ダレス「俺はクロエにしとくから。ホントはナーダ先生がいいけど、相手にされてないしな、俺」

フェイト「彼女はお兄ちゃんだぞ」

    『そしてお前、クロエにも相手にされてないぞ、たぶん……』

ダレス「兄ちゃんとは結婚できねーだろ。やっぱり男は筋肉だ」

 

 激しい試合後だというのに彼はまだ元気が有り余っているようで、自慢の筋肉を盛り上げて色んなポーズを決めている。

 

フェイト「……クロエか」

ダレス「うん?」

フェイト「彼女はいつもよくやってくれるよな。普段はともかく」

ダレス「何だよ、二股かよ」

フェイト「二股どころか一股だってしてないだろ。下品なこと言うな。俺と彼女はそんなんじゃない」

ダレス「俺と彼女だってよォ~♪ ウヒョヒョヒョヒョ」

 

 話、元に戻る。

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●Thanks Comments

フェイトくんっ!!(感涙)

メイメイと気分がシンクロしてたので、フェイトくんに気遣ってもらえてPさん、うっかりウルウル!
株が上がったです!!
…その後、ヒサメ先生の包容力?の方に、またPの感動は持っていかれましたけど(笑)
最近ブログチェック出来なかったら、お話がどんどん進んでしまっていて、感想がなかなか追いつきません(涙)
過去の話とか、リッくんの感想も後程~。

From 【ぱんだ】2008.07.06 08:20編集

感想ありまとう。

フェイトの株が上がったようでよかったです。
なかなか難しい星人なので……;
ヒサメの包容力?発言にこっちが笑ってしまったんですけど!
包容力なの、アレ?(笑)

From 【ゼロ】2008.07.06 09:04編集

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