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レイディ・メイディ 31-9
2008.04.16 |Category …レイメイ 31・32話
美形台無しのこの行為も、1年も経つと妙に見慣れるもので、廊下を行く学徒たちは、「またチビ子先生泣かしてるよ」で済ませてしまう。
むしろ毎日繰り広げられるこの光景を楽しんでいる連中も多かったりして。
チビ子先生が逃げ切れるのか、はたまたリクの地獄の円舞殺法の前にひれ伏すのか。
はたまた第三の勢力、
クロエ「ああーっ!?」
妄想族・クロエが油揚げを掻っ攫うのか。
後から走ってきたクロエが叫ぶ。
クロエ「今よ、ムササビのジュツで鳥になって逃げるのよっ!!」
氷鎖女「できるかーっ!!?」
しかもムササビのジュツというなら、鳥にはならんだろうよ。
周囲で見物している連中の共通感想である。
▽つづきはこちら
リク「円の動き円の動き円の動き円の動き円の動き円の動き円の動き円の動き円の動き円の動き円の動き円の動き円の動き」
気のせいか、何やら輪が狭まってきているような……?
クロエ「今よ、ニンポーを見せる時ッ!!」 わくわく♪
氷鎖女「助太刀に来たんじゃないんかいっ!? この役立たずが!!」
リク「円の動き円の動き円の動き円の動き円の動き円の動き円の動き円の動き円の動き円の動き円の動き円の動き円の動き」
視界いっぱいにリクの着物が。
氷鎖女「わあぁっ!? 気のせいじゃない、気のせいじゃない!!」
激しく頭を横に振る。
怖い。
顔を両手でおおって、しゃがみこむ。
リク「それっ、捕まえたっ☆」
足を止めて、捕獲完了。
クロエ「はい、ごくろーさまっ。ソレを渡してちょうだい」
リク「なんだって!?」
クロエ「フフフフフ。このチャンスを狙っていたのよ!」
リク「諮ったな!!」
氷鎖女『……ハッ!? 逃亡の好機!?』
そろりと四つんばで逃げ出そうとする。
クロエ「あっ、逃げる!」
氷鎖女「を。見つかった!? ゴメンッ」
素早く懐に手を入れ、煙玉を取り出す……が、取り落としてその辺に散らばってしまう。
氷鎖女「あっ、わっ、あっ」
珍しいミスだが、彼は怯えきっていた。
氷鎖女「はうあっ!? ……ええい、走るッ!」
再び駆け出そうとした彼の襟首をひょいと軽く、リクが指に引っ掛ける。
氷鎖女「ぐぇっ!」
首が絞まってもがいたところで休み時間を告げるチャイムが鳴った。
クロエ「あー。また後で遊ぼうね、先生」
残念そうに首をすくめて、クロエは次の教室へ向かって駆け出した。
氷鎖女「ふぅ」
リク、にっこぉ~♪
氷鎖女「………………これは提案だが、主も行ったらどうだろう」
向けられた笑顔に嫌な予感。
リク「大丈夫。この時間はフリーなんだ」
氷鎖女「どっ…………どして?」 汗、たらぁ~り。
リク「取りたい授業がなくて」
氷鎖女「……………………」
リク「先生もフリーだったよね。わぁ、きっぐーう♪」
氷鎖女「奇遇なものか、馬鹿者めっ!!!」
リク「将棋の続きしたいんだ」
ゆっくり手を放す。
氷鎖女「うん? ……………それなら……相手になる」