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レイディ・メイディ 31-7
2008.04.15 |Category …レイメイ 31・32話
試験が終了し、疲れを取るための試験後休暇も終了。
2度のチーム制試験を通して、組んだ者たちの間に確かな絆が生まれていた。
専攻が別だと知り合いになる機会も少ないが、仲間同士として共に困難を乗り切ることによって親しくなり、友人の友人などともつながって、輪は広がってゆく。
もちろん、逆にチーム制だったために修復不可能な関係にまで落ち込む者もいたが。
とるもとりあえず、一大イベントが終わり、日常が戻ってきた。
▽つづきはこちら
氷鎖女「……~であるからして……」
ナツメから氷鎖女に戻った彼も先生として再び教壇に上がっている。
ただし……
ステラ「………………どうして氷鎖女先生、今日はあんなにオカマッぽいの?」 汗タラ~……
氷鎖女「この問題についての意見を述べてもらおう…………かしら」
一人の学徒を指し示す。
クロエ「うむむむ。たぶん、変化の術の修行中なんじゃないかな。むしろ術の前触れかもっ!」
氷鎖女の学問の方の授業は欠かさずに取っているクロエが答えた。
ニンジャ先生がいつニンポーを使うのか見逃すまいと常に全神経を目と耳に集中させている。
入学してこれまで、ただの一度もそれらしきところを見たことがないというのによくもまぁ諦めずにいられるものだ。
ステラ「どうしてもそうは見えないんだけど…………」
試験前は確かに違う口調だったハズの氷鎖女先生。
確かに今もナゾのござる口調なんだけれど、時々もっとおかしい。
「わ」「わよ」「ね」「かしら」とつい1週間前までは絶対に使わなかったような語尾が混ざっていたりする。
………………………………おかしい。
明らかにおかしい。絶対におかしい。
ステラ「私たちがいない間に何が……!?」
氷鎖女の授業を居眠りの時間に当てるために専攻しているモーリーが「目覚めちゃったのよ」と無責任に笑った。
ステラ「何にっ!?」 ビクッ!?
モーリー「えっとねぇ~」
ステラ「いいっ! やっぱりいいっ!」
みなまで言うな。
拒否の手を振る。
気をつけて気をつけて使用していた女言葉が皮肉にも、一週間も朝から晩までそれで通したために変な風に身についてしまっていることを氷鎖女本人が意識していない。
余韻といおうか何といおうか。
数日後にはすっかり元通りになる彼だったが、意外に傷!?は深いようだ。
それから変わった行動といえば。
突然、おとなしく席に座っているリクの前に立ち止まると、おもむろにその頬に手を置く。
皆が何事かと注目していると、いきなり頬の肉をつかんで引っ張った。
リクが痛い、何をするんだと抗議の声を上げれば、彼は仕返しだ、気にするなと言ったもんだ。
被害者・リクには全く覚えがなく、つままれた頬をさすりながら首を傾げるしかない。
氷鎖女的には、試験スタート直前でリクにイジメられた?仕返しなのだ。
氷鎖女「よしよし。お前はいい奴だったでござるな」
代わりにクレスをなでる。
クレス「えっ? えっ?」
傍若無人なリクからクレスがかばってくれたおかげで助かった、ということだが、もちろん、これについても通じるわけがない。