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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 36-3

レヴィアス「…………リ……リク君……。何のマネだね、これは……?」

リク「あ、ちょっと動かないで下さい。あと、少しかがんでいただけると助かります。ウチの先生、背がないもので……」

クレス『うおーっ!! うおーっ!!! うおーっ!!!? 何やってんだ、コイツーッ!? 意味わかんねーっ!!!』

学徒「先生、先生、リクが凶行に走った!! 止めろよ!!」

氷鎖女「……ハッ!!」

 

 その声に弾かれて、ふらつく頼りない足取りでやってくると、

 

氷鎖女「こ……これこれ、そのような失礼をかましてはいかぬでござるよ。いくらアゴが気になるからって、つまんだり、引っ張ったり、骨折して包帯巻いてたら面白いのにとか思ってはダメでござる」

 

 と、一応、言ってはみたものの……


▽つづきはこちら

レヴィアス「………………………………」

氷鎖女「わぁ」

 

 リクに代わってもらうと、アゴを引っ張ったりつまんだり、物凄く嬉しそうだ。

 

リク「良かったね、先生」

 

 学徒たちは硬直したまま動けないでいる。

 いつもの上等なリクの微笑みも今度ばかりは悪魔の笑顔にしか見えなかった。

 

レヴィアス「ゴホンッ!!」 わざと大きく咳払い。

氷鎖女「あっ。えと……。これからは無断でアゴを取ってはいけないでござる。ちゃんとレヴィアス殿にアゴ貸して下さいと断ってからでないと……一応、人様の物であるし……」

リク「あはは。はーい、わかりましたー♪」

 

 そうじゃない。

そこじゃない。

現場の全員が頭を横に振る。

 

レヴィアス「……………………………………………………………………」

氷鎖女「わかったなら良いでござる。そう、いくらアゴが魅力的めくるめく誘惑の世界に誘おうとしても……」

 

 なでたり、引っ張ったり、つまんだり、叩いてみたり、つついてみたり……

 

クレス『言ってる間もやってるし!!』

レヴィアス「……ヒ……ヒサメ殿……」

氷鎖女「しかし不思議でござるな、頭蓋骨はどのような形に……」

レヴィアス「ヒサメ殿!!」

氷鎖女「……あ……」

 

 呼ばれてようやく我に返ってみた。

 

レヴィアス「ちょっと……大事なお話しが」

 

 怒りに満ちた表情で見下ろす。

 

氷鎖女「う……」

 

 すらりと長身のレヴィアスに睨まれると氷鎖女はさらに小さくなって縮こまった。

 

氷鎖女「あの……うっかり……その……」 滝汗。

   『ギャア、しまった!!』

 

 妙なことばかりしでかして、見つかってしまう相手が大抵はレヴィアスで、氷鎖女にとっては怖くて苦手な人物だ。

当たり前だが、叱られてばかり。

 なのにまたやってしまうとは。

リクの奴にハメられた!!

……などと密かに他人のせいにする教官・氷鎖女。

 

氷鎖女『……そっ、そうだ。ここは一つ、ヨイショと持ち上げてご機嫌とるか!! そうだ、そうしよう!!!』

 

 額当ての下で目が光る。

 

氷鎖女「あの……あの……」

レヴィアス「なんです?」 ギロリ。

氷鎖女「あうぅ……あの……あの……」

 

 黙って成り行きを見ている学徒たち『今度は何を言い出すつもりだよ』

 

氷鎖女「あの…………り………………立派なアゴでこざるな!! すっ、すっ……すごぉい!!!! 鎮、ビックリ!!」

 

 この場の空気を和ませる(つもりの)、思いつく限りの精一杯を頑張って口にしてみた。

 ……が。

 

レヴィアス「………………………………」

学徒たち「…………………………………」

 

 シーン……。

 

氷鎖女『あ……あれぇ~?』

 おかしいぞ。反応が何だか、あんまり良くないみたい?

 

 怒りをなんとか堪えて口元をひくつかせるレヴィアス。

 爆発まであと数秒。

 

リク「面白いよね、反応が」

クレス「遊ぶな!!」

ワザとか、コイツは!?

 

 呑気に成り行きを見守っている火付け役・リクの足を蹴飛ばす。

 

リク「うん、よし。じゃあ、そろそろ連れてこうか」

 

 もうちょっと褒めて?みた方がいいかなと思い、口を開こうとした氷鎖女の背後からリクがひょい持ち上げた。

 

氷鎖女「を?」

リク「それ逃げろー♪」

 

 雷が落ちる前にと走りだす。

 

リク「ホラ、早くクレスも」

クレス「えっ? えっ?」

 

 なんで自分まで? などと思う前に弾かれて駆け出す。

 

レヴィアス「………………………………ま……」

     「待ちたまえッ!!!!」

 

 とうとう、怒ったレヴィアスの怒鳴り声が訓練所に響き渡った。

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